- JST トップ
- /
- 戦略的創造研究推進事業
- /
- さきがけ
- /
- 研究領域の紹介/
- 生体における微粒子の機能と制御/
- [微粒子] 令和元年度採択課題
物質・材料研究機構
国際ナノアーキテクトニクス研究拠点(MANA)
グループリーダー
環境中の細菌がつくるバイオフィルムでは、電子が細菌間を移動することでバイオフィルム内部の細菌活性が保たれる「電気共生」が知られています。本研究では、歯周病の原因となる口腔バイオフィルムが形成される際に細菌が分泌する膜小胞の役割を電気共生の観点から解明します。酸化還元特性を持つ膜小胞とバイオフィルム内細菌との相互作用に独自の電気化学や質量分析手法で迫り、病原細菌を検出・制御する技術へと発展させます。
神奈川県立産業技術総合研究所
「再生毛髪の大量調製革新技術開発」プロジェクト
常勤研究員
本研究では、独自の培養毛髪モデルを用いて、毛髪におけるメラニン微粒子の動態をタイムラプスイメージングにより解明します。また、マイクロアレイを用いた遺伝子解析により、白髪モデル及び黒髪モデルの遺伝子発現パターンを比較することでメラニン輸送に関わる遺伝子の同定を目指します。
慶應義塾大学
薬学部
准教授
花粉、PM2.5、ウイルスなど外因性微粒子は主に呼吸器粘膜を介して生体に作用し、免疫系に認識されることでアレルギーなどの生体応答を引き起こします。その初期段階となります呼吸器粘膜から生体内への取り込み過程は不明となっています。本研究では呼吸器上皮に存在し外来物質の入り口となるM細胞に着目をし、外因性微粒子の取り込み機構と呼吸器M細胞の生体応答における役割を明らかにすることを目指しています。
東北大学
大学院理学研究科
准教授
本研究では、放出細胞の種類や状態により変化するエクソソーム表面性質を包括的に反映した蛍光応答を示す新しいタイプのエクソソーム結合性蛍光プローブを開発します。これらをベースとしてそれぞれのエクソソーム集団を識別する分析技術へと展開し、エクソソソームの多様な生命科学機能を本質的に理解し、体液診断や疾患治療への応用を強力に支援する基盤技術の創成を目指します。
名古屋大学
大学院医学系研究科
准教授
ウイルス感染は様々な宿主応答を誘導し、多彩な病態を作り出します。本研究ではヒトに様々な疾患を起こすEpstein-Barウイルスを使って、ウイルス関連良性および悪性疾患において、感染細胞から放出される内因性微粒子がどのように関与するかを解析します。そして、ウイルス関連疾患における内因性微粒子の重要性の確立を目指します。
筑波大学
生存ダイナミクス研究センター
助教
寄生蜂は様々な生理活性物質を産生することで、宿主の免疫を回避し、宿主の発育を損なわない形で都合よく栄養を搾取する寄生戦略を持っています。本研究では、寄生蜂由来のウイルス様粒子の毒性成分を同定し、その機能と動態を解析することで、寄生感染応答の新たな分子機構の解明を目指します。そして、農業害虫や病原菌に対する薬剤や抗生物質を開発する上で有用な知見を提供します。
大阪府立大学
大学院工学研究科
准教授
エクソソーム粒子径分級のため,マイクロ流路とナノ流路構造を組み合わせたナノ粒子分級デバイスを新規開発します。また,培養細胞由来試料の粒子径分級後に得られたエクソソームに対して,電気泳動フィルタリングに基づくアプタマー選抜デバイスを用いて,細胞種に固有のアプタマーを採取します。さらに,アプタマー配列の総合的情報が数値化されたアプタマータグについて機械学習的解析を行い,由来細胞判別を実現します。
静岡大学
学術院工学領域
講師
細菌が細胞外に分泌する膜小胞は、病原因子や情報伝達物質を他の細胞に運搬する機能を有しています。細菌集合体であるバイオフィルム状態で膜小胞の分泌は活発化されますが、その機構は明らかになっていません。本研究では、病原細菌の膜小胞を介した感染機構の包括的理解とその制御法の確立に向け、緑膿菌のバイオフィルムにおける膜小胞分泌誘発の分子機構を明らかにします。
名古屋大学
大学院工学研究科
准教授
ナノワイヤ技術を用い、生成過程に相当する「腫瘍中miRNA/腫瘍が放出する細胞外小胞miRNA」、機能発現過程に相当する「血中細胞外小胞miRNA」、分解排泄過程に相当する「尿中細胞外小胞miRNA」のプロファイルを機械学習解析し、細胞外小胞内miRNAのがんmiRNA/反応miRNA/ノイズmiRNA/Unknown miRNAの4分類によるmiRNA分泌経路の機序解明を行います。
金沢大学
医薬保健研究域医学系
准教授
胸腺はT細胞が分化・成熟する器官で、自己に攻撃性を持つT細胞は胸腺内で除去されます。胸腺の中には細胞外小胞(胸腺EV)が多く存在しますが、その役割はわかっていません。本研究では胸腺EVがT細胞分化に与える影響を明らかにします。また胸腺EVと自己免疫疾患発症の関連を突き止めます。これらの知見を踏まえ、免疫制御因子を載せた小胞を作製することで免疫系を正または負に制御する人工小胞の開発を行います。