[微粒子] 平成30年度採択課題

井田 大貴

単一粒子バイオプシーによる膜小胞統合解析

研究者
井田 大貴

東北大学
学際科学フロンティア研究所
助教

研究概要

内因性微粒子内への物質内包機構や、標的細胞での取込・分解過程など、細胞内における微粒子動態には不明瞭な点が多くあります。この問題の解決には、放出された微粒子集団を対象とした従来の測定手法を補完する、個々の微粒子に着目した分析技術が不可欠です。そこで、組織レベルで行われる生検(バイオプシー)のように、細胞内の微粒子を直接回収し、内容物を評価できる“単一粒子バイオプシー”を開発します。

今見 考志

エクソソームの動態と細胞応答を捉える Exo プロテオミクステクノロジーの開発

研究者
今見 考志

科学技術振興機構
さきがけ研究者

研究概要

本研究では、エクソソームの動態と細胞応答を定量的かつグローバルに捉えるための Exo プロテオミクス技術を開発します。具体的には、1) エクソソームの内包タンパク質を同定する技術、2) 細胞応答をモニターする技術、3)エクソソームとタンパク質のインタラクトームダイナミクスを捉える技術を開発します。 これらの技術を用いて、エクソソーム内外の全ライフイベントを明らかにします。

江口 暁子

遠隔臓器間の病態伝播を担う内在性微粒子microparticleの機能解明

研究者
江口 暁子

三重大学
大学院医学系研究科
特任准教授

研究概要

肝疾患においてサルコペニア合併患者は予後不良であることや、肝硬変で肝性脳症を合併することが知られていますが、分子メカニズムの全容は不明です。本研究では「障害肝細胞が放出する粒子は、遠隔臓器間の病態伝播体」と定義し、障害肝細胞由来粒子の遠隔臓器への体内動態や、遠隔臓器内での病態進行メカニズムを解明することで、肝疾患の合併症を予測するバイオマーカーや合併症を抑制する治療法の開発へと発展させます。

小山 隆太

外因性微粒子の脳内動態におけるマイクログリアルネットワークの関与の解明

研究者
小山 隆太

東京大学
大学院薬学系研究科
准教授

研究概要

本研究の目的は、PM2.5をはじめとする大気環境中の外因性微粒子の脳内動態メカニズムの解明です。特に、脳内に侵入した外因性微粒子が脳内免疫細胞マイクログリアの活性化を介して神経回路を変性させるメカニズムと、その脳機能と行動への影響を検証します。また、本研究の遂行によって得られる発見をもとに、外因性微粒子によって引き起こされる認知機能障害や精神疾患を抑制するための知見を獲得することを目指します。

許 岩

aifAによるエクソソームの1ステップ単離配列と1粒子統合解析

研究者
許 岩

大阪府立大学
大学院工学研究科
准教授

研究概要

現在エクソソームの生物学的意義の解明とそれを対象とした診療技術の開発における最も大きな課題は、粒径の小ささに起因するエクソソームの単離や検出、解析の困難さにあると言えます。本研究では、独自のナノ流体デバイス技術を用いて、エクソソームの簡便な1ステップ単離配列、迅速検出、高精度解析を統合した革新技術を確立します。これにより、どこでも誰でも手軽に使えるエクソソームの汎用的な世界初の技術に発展させます。

中江 進

環境微粒子キチンに対する生体応答機構の解明

研究者
中江 進

広島大学
大学院統合生命科学研究科
教授

研究概要

布団などには人の皮屑を主食としているダニが生息しています。ダニの死骸が細かく粉砕された外殻構成成分「キチン粒子」が空気中に浮遊し、それを吸引することで喘息などのアレルギーを引き起こす可能性が提起されました。本研究では、吸い込んだキチン粒子が、どのような機構で生体外へ排除されるのか、また、生体内に残留した場合、どのような機構でアレルギー疾患を引き起こすのかを明らかにすることを目的とします。

濱田 隆宏

植物における小分子RNA輸送メカニズムの解明

研究者
濱田 隆宏

岡山理科大学
理学部
准教授

研究概要

本研究では植物細胞間で「分泌と取り込み」によるsmall RNA輸送経路が存在するかどうかを検証し、植物細胞間におけるsmall RNA輸送メカニズムを生化学・変異体解析・イメージング解析により解明します。本研究によって得られる成果は、遺伝子組換えによらない新たな植物の遺伝子発現制御系の開発へと繋がり、農業上の有用な技術シーズを提供できると考えています。

藤田 尚信

オートファジーを介した分泌のメカニズムとその生物学的意義の解明

研究者
藤田 尚信

東京工業大学
科学技術創成研究院
准教授

研究概要

本研究では、内因性微粒子の放出メカニズムの1つである、オートファジーを介した分泌のメカニズムとその生物学的意義の解明を目指します。独自のアッセイ法と、ショウジョウバエの遺伝学手法を組み合わせて、オートファジーを介した分泌に働く一群の遺伝子を同定します。さらに、同定された遺伝子の機能解析を通して、オートファジーに依存した分泌のメカニズムの全容を明らかにするとともに、その生物学的な意義に迫ります。

星野 歩子

脳選択的にターゲットする疾患関連エクソソームの解析

研究者
星野 歩子

東京工業大学
生命理工学院
准教授

研究概要

疾病条件下でのエクソソームは臓器内微小環境に様々な影響を与え病態に関わることが近年注目されています。本研究では、脳転移性エクソソームによる転移先特異性の決定機構、がん進展におけるエクソソーム上共通分子の役割、自閉症血漿エクソソームが与える脳内環境への影響をそれぞれ検討し、疾病別エクソソーム比較を行います。

水野 紘樹

細胞外小胞のin vivo機能イメージング解析

研究者
水野 紘樹

大阪大学
大学院生命機能研究科
助教

研究概要

本研究では、2光子励起顕微鏡を用いた生体イメージング技術を駆使し、骨芽細胞が分泌する細胞外小胞を生きた組織内で可視化します。さらに本技術を発展させて、細胞外小胞の分泌・取り込みが細胞機能に与える影響をin vivoで評価します。また、その分子基盤も同定する新たな実験系を確立し、骨恒常性リモデリングを具体的な例として、細胞外小胞による細胞機能制御の実体をin vivoで統合的に解明します。 (研究期間:2018年10月1日~2019年8月31日)

吉田 知史

細胞外小胞生成に必要な遺伝子の網羅的同定とその解析

研究者
吉田 知史

早稲田大学
国際学術院
教授

研究概要

我々は高感度で簡便な”型破りな分泌”アッセイ系の開発に成功し、出芽酵母非必須遺伝子破壊株ライブラリーを用いて”型破りな分泌”に関連する遺伝子を網羅的に同定することに成功しています。 本研究提案ではこれまでに同定した遺伝子群が”型破りな分泌”のどの段階で必要なのかを明らかにし、謎が多いこの特殊な膜輸送経路の全貌の解明を目指します。

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