二代目創発PO研究体制

創発研究者(2023年度採択)

や行

矢嶋 赳彬

塩見(淳)パネル

ヘテロ構造の電子とプロトンが生み出す情報処理技術
センサと無線技術の進化によってサイバー空間だけではなく身の回りの現実空間の情報化が進んでいくと思われます。しかし現実空間の情報処理に従来のデジタル回路技術だけでは対応できず、現実空間との相互作用に特化した神経回路の情報処理技術を参考にすべきと考えます。本研究では、現実空間の情報を短期記憶に乗せてリアルタイム処理する神経回路技術を参考に、電子とプロトンの自由度を活用した新たな情報処理技術の構築を目指します。

矢田部 浩平

後藤パネル

数理最適化と深層学習のハイブリッド音響信号処理
近年、音響信号処理分野においても深層学習が驚くべき成功を収めましたが、それらの方法がなぜ機能するのかを理解することは容易ではありません。本研究では、数理最適化に基づいた信号処理に深層学習モデルを組み込むことで、深層学習の強力な処理能力を利用しつつも解釈が容易な音響信号処理を実現し、さらに従来の古典的な信号処理手法も組み合わせることで、幅広く利用可能な知見を得ることを目指します。

山岸 洋

グンパネル

細胞内の分子濃度をin situで検出する有機マイクロレーザーの開発
細胞とは無数のタンパク質や分子を内包する小さな反応容器であり、ここで発現している分子の濃度は時々刻々と変化し続けています。しかしながら、その動的に変化する分子の濃度を細胞の内部で精密に測定することは未だに困難です。本研究構想ではこの限界を超えるべく、「生体親和有機マイクロレーザー」という新しい原理の光プローブを提案します。さらにその優れた定量性を活かし、細胞が秘める新たな知の発見に繋げます。

山崎 智弘

岡田パネル

RNAが誘導する細胞内相分離の体系的理解
長鎖ノンコーディングRNA(lncRNA)は高等生物ゲノムの主要産物にも関わらず、ほとんどが機能未知であり、その機能と作用機序の解明は継続して取り組むべき課題です。本研究では、lncRNAの主要な働き方である相分離誘導機構について、その作動原理の体系的な理解や、申請者独自の発見に基づく、新規細胞内相分離機構である「生物学的ブロック共重合体のミセル化」のメカニズム解明と研究領域の確立を目指します。

山下 侑

森パネル

革新的超分子共結晶によるプロトンと自由電子の制御
電子とプロトンは何桁にもわたって密度を精密制御する手法が確立された数少ない物質であり、このことが多様な化学・物理現象の制御に貢献しています。しかしながら、電子密度制御された半導体と並ぶような、自由電子とプロトン両者の密度制御した固体薄膜はこれまで実現困難でした。これに対し、有機半導体薄膜をプロトン含有イオン分子により秩序的にドーピングすることで得られる超分子共結晶構造に着目して取り組みます。

山本 瑛祐

古原パネル

無機ナノシート界面が拓くイオン伝導体の革新
最近、固体界面活性剤を鋳型とした「非層状」無機ナノシートの創出方法を開発し、従来の層状化合物や格子整合の制約を脱却した新たな組成での二次元材料科学の可能性を示してきました。そこで本研究では、ありふれたイオン伝導性の非層状無機化合物をナノシート化し、二次元精密集積により設計した特異界面を創出し、無機ナノシート界面が活用する新しい高速イオン伝導材料の開拓に挑戦します。

幸長 弘子

岡田パネル

脳内におけるERK活性の可視化と機能解明
胎児の育成、分娩、授乳といった母体機能の実現を制御する母親脳の変化として、脳の神経回路レベルにおける変化も想定されています。特に妊娠期にはスパインの数の変化、接続神経数の変化などが起こると考えられていますが、その詳細は未だ不明点が多く残されています。そこで、スパインの可塑性などに関わる細胞外シグナル制御キナーゼであるERKの活性に注目し、ERK活性の脳内での機能について明らかにしていきます。そして周産期における神経回路変化のメカニズム解明へとつなげていきます。

横井 惇

鄭パネル

運動学習記憶におけるノルアドレナリンの役割の解明と操作
緊張すると運動がぎこちなくなってしまう、歳をとると思うように練習成果が身に付かない、といった経験は誰しも心当たりがあるものです。本研究は、ストレスや加齢などとも関連の深い脳の「青斑核-ノルアドレナリン系」の 観点から、最先端の超高磁場MRIや行動実験などを駆使して、このような運動パフォーマンス発揮・トレーニング効率の好不調が生じる脳の仕組みを理解し、これを操作することを目指します。

横井 祥

後藤パネル

意味とデータとモデルを繋ぐ言語幾何学の創出
言葉の持つ多種多様な「意味」の情報が、テキストを用いて学習したモデルの内部でどのように保持されているのかを表現するための、新しい数理基盤を構築します。とくに、意味に関連する諸概念・テキストデータの持つ統計量・モデルの内部表現の幾何的な構造の三者を繋ぐための新しい理論を構築します。またこれにより、ブラックボックスモデルに対する解釈性を上げ、機能や知識の追加や削除を安定して実現するための汎用的技法を提供します。

吉田 大和

岡田パネル

オルガネラ分裂制御による細胞自律性の創発
葉緑体とミトコンドリアは真核細胞における生命機能の根幹を担っていますが、これらのオルガネラは分裂することによってのみ数を増やすことができます。本計画では最もシンプルな細胞構造をもつ真核生物シゾンを用いてin vitroオルガネラ分裂アッセイやマルチオミクス解析などの多階層・多次元的な解析を行い、細胞がオルガネラ分裂増殖を制御する仕組みを明らかにし、「増殖」という生物の基本的かつ普遍的な機構の理解を目指します。

吉永 正憲

岡田パネル

炎症応答を抑制するRNA代謝システムの包括的理解
RNAは生命にとって普遍的な物質であり、遺伝子発現において必須の役割を果たしています。しかし、細胞内RNAが適切に代謝されないと自然免疫応答が生じたり、血液細胞の機能に異常が生じ、様々なヒト疾患に結び付くことが近年明らかになってきました。本研究では、炎症応答を抑制する上で重要なRNA代謝機構を包括的に同定・分類し、その作用機構をシステムレベルで探ることで、RNA制御の分子メカニズムの全体像解明を目指します。

吉原 雅人

馬場パネル

難治性癌腹膜播種を克服する中皮細胞標的治療の開発
腹膜播種は一つの癌の転移様式ですが、難治性であり有効な治療方法は現在までに見つかっていませんでした。私たちはこれまでの研究で、転移の”種”である癌細胞に対して、“土壌”となる腹膜を覆う中皮細胞が、癌の進展を促進し、治療抵抗性を誘導することを解明しました。本研究では、癌細胞と共存する中皮細胞を標的とすることで、癌の種類に関わらずに腹膜播種を抑制する、環境に着目した新たな癌治療戦略の開発に挑戦します。

芳本 玲

岡田パネル

スプライシングを自在に操作する技術の開発と分子基盤の解明
本研究は、遺伝子のスプライシング異常が原因で発生する疾患に対し、新しい治療法を開発する ことを目指しています。特に、独自に発見したノンコーディング RNA を利用して、疾患関連遺伝子の スプライシングを効果的に制御する技術について研究します。この技術は、これまで治療が難しかっ た疾患に対する新たなアプローチを提供し、多くの人々の健康に貢献することが期待されます。

蓬田 陽平

古原パネル

完全半導体ナノチューブアレイの創成と機能開拓
本研究では、これまで開発してきた半導体ナノチューブの合成・作製技術を、ナノ材料の配向技術と組み合わせることにより進化させ、水平配向・垂直配向された半導体ナノチューブアレイを実現するとともに、その歪み・一次元構造の特徴を活かした電子機能・光機能を開拓します。国内での開発がほとんど無い半導体ナノチューブに関する基盤技術を構築し、次世代のエレクトロニクス応用や光触媒開発等につながるシーズを創出します。

Researchmap 本サイトの研究者情報はResearchmap登録情報に基づき更新されます。