研究開発テーマ

サブ課題A:「新たな『学び』」のデザイン開発

 サブ課題Aでは、Society 5.0を生きる人材に必要な教育コンテンツの開発、当該コンテンツ等を用いた学習データを定量的・定性的に収集する手法及びその際の留意点の検討、「新たな『学び』」の成果を評価する手法の開発を一貫して行い、目標設定から学習、データ収集、評価までの一連のサイクルをデザインします。
 Society 5.0 を生きる人々には、デジタルや STEAM に関する基礎的な知識・スキルに加え、自らの生き方を主体的に考えるとともに、異なる価値観を認め、他者と協働する意欲や態度が求められます。デジタルや STEAM に関する基礎的な知識・スキルを育成するための具体的なコンテンツは、各省庁の実証事業等でも個別に開発が進められていますが、本課題では、それらの取組を統合し、全国どこからでも、いつでもアクセス可能なものとし、初等・中等教育、高等教育、社会人のリカレント教育まで一気通貫した「学び」としてデザインすることを目指します。
 意欲や態度を養うためのコンテンツについては、効果検証も含めて本課題において新たな開発を進めます。その際、特に学校教育については、既存の教育を最大限生かす形での実証を行うことに留意します。
 また、開発するコンテンツが個人の「学び」にどのように効果があったのかを検証するとともに、それをフィードバックしつつ、協働的な「学び」の機会を提供し、一人一人の個人にあった「学び」が保障されることが重要です。そこで、学習データの取得・連結・活用方策及び「新たな『学び』」の評価手法についても同時に開発を行います。個人情報の扱いや、教育データの活用に関する子供や保護者等の心理的な抵抗感にも十分に配慮し、ELSI の観点も重視した研究開発を行います。
 サブ課題Aでは、3つのテーマ(主担当)を採択しています。

サブ課題Aの研究開発テーマと担当

※赤:テーマ担当(主) 青:テーマ担当(副) (略称・敬称略)

サブ課題A(主担当)の採択テーマ

採択テーマ名 研究開発責任者名 研究開発概要 リンク
デジタルツインを用いた個別最適な学び方・働き方の実現 緒方 広明
(京都大学 学術情報メディアセンター 教授)
個別最適な学習や人材の適材適所の配置を実現するため、教育ビッグデータを収集・活用するための情報基盤システムLEAFを拡張して、人間中心のデジタルツイン(DT)として、オープン知識・学習者モデル(OKLM)研究開発する。 https://eds.let.media.kyoto-u.ac.jp/sip3
真正で探究的な学びを実現する教育コンテンツと評価手法の開発 松下 佳代
(京都大学 大学院教育学研究科 教授)
「社会を創る資質・能力」を育む「真正で探究的な学び」を実現するため、パフォーマンス評価を生かした教育コンテンツと学びのストーリーを紡ぎだすデジタル・ポートフォリオを開発し、教員の探究指導力の養成と学校や自治体での実装に取り組む。 https://e-forum.educ.kyoto-u.ac.jp/about/project/
デジタル・シティズンシップ・シティ:公共的対話のための学校 草原 和博
(広島大学 人間社会科学研究科 教授)
Society 5.0と人口減少社会の公教育を実現するため、デジタル・シティズンシップ・シティの構築に必要な①カリキュラムと②社会基盤、③AI学習支援プログラムを開発し、東広島市の取組を他の市町に拡張できるプロトタイプに発展させる。 https://evri.hiroshima-u.ac.jp/sip_digital-citizenship-city