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- [革新光] 令和3年度採択課題
東京科学大学
科学技術創成研究院
准教授
光の波長を長波長から短波長に変換する技術:フォトンアップコンバージョンは、太陽電池の効率向上や、光遺伝子治療等の生体応用が期待され注目を集めています。本研究では、有機半導体界面を用いることで実現できる新たなフォトンアップコンバージョン現象について、そのメカニズムを明らかにします。さらに様々な材料系でこのアップコンバージョン現象を実現し、革新的光変換技術へと発展させることを目指します。
物質・材料研究機構
マテリアル基盤研究センター
主任研究員
本研究では、放射光軟X線を用いた時分解磁気トモグラフィー法を開発し、磁性体中の磁気ダイナミクスの観測を行います。3次元構造の可視化が可能なトモグラフィー法に時分解測定を組み合わせることで、磁気ダイナミクスに対する高解像度な4次元観測を実現します。これにより、3次元磁気構造に現れるスピン波やトポロジカル欠陥構造のダイナミクス等、これまで観測が不可能であった磁気励起に伴う物性現象の解明を目指します。
東京都立大学
理学部
准教授
本研究では、独自のポルフィリン骨格改変法を駆使することで、典型元素(シリコン)イオン配位能を有する環状共役第二近赤外光感受性色素を合成し、がん細胞の特異抗原と結合するモノクローナル抗体との複合体を構築を目指します。近赤外光照射による金属中心の軸分子の光アンケージ反応性の解析と細胞光毒性について検討することで、深部がんの次世代近赤外光治療を目指した基盤技術の創出を行います。
京都大学
白眉センター
特定准教授
細胞集団に存在する不均一性を正しく理解するためには、単一細胞レベルで細胞機能を操作、観察可能な技術開発が重要です。本研究では単一細胞内へ挿入したナノワイヤー上で起こる非線形光学現象やプラズモン現象を用いて、単一細胞内ナノメートル領域での光反応場の制御を実現し、遺伝子やタンパク質を確実に導入する技術と、分子導入が起こす細胞機能変化を定量的に単一細胞レベルで検出可能な技術開発に挑戦します。
電気通信大学
量子科学研究センター
准教授
光波の間の相対的な“位相関係”を媒質中で自在に制御することで、非線形光学過程における光波の間のエネルギーの流れの向きや速さを自在に操作することができます。本研究では、この非線形光学過程の新たな可能性を開拓することで、未踏技術である真空紫外100~200 nm全域で波長可変な単一周波数レーザーを実現し、さらに、それを用いて、真空紫外域における新奇な原子・分子・光科学を創出することを目指します。
東北大学
大学院理学研究科
教授
光計測は現代の科学および産業技術を支える基礎技術のひとつです。本研究では、従来の光計測とは異なり、光の量子である光子を量子もつれによって相関させ、互いに協調的に機能させる高分解能光計測を実証します。この目的達成のため、本研究では量子メモリや量子ゲート技術を駆使し、異なる時間に発生する光子間に量子もつれを着実に連鎖させることで、効率的に量子もつれを大規模化する技術を確立します。
科学技術振興機構
さきがけ研究者
従来のスピントロニクスは、熱や不純物によって強く散乱された古典的拡散スピン流を研究対象としています。しかし、近年開発された高強度テラヘルツ光源を用いれば、熱や不純物による散乱が起こるより早く、波動関数の位相が乱されていない量子スピン流を生成することが可能です。そこで、本研究では、高強度テラヘルツ光を半導体に照射することで生じる量子スピン流の学理を構築し、新たなスピントロニクス分野の創出を行います。
九州大学
大学院理学研究院
准教授
トポロジカル超伝導体内のナノ磁気構造である磁束量子のコアには、マヨラナ粒子が局在すると考えられています。本研究では、マヨラナ粒子の人為的操作に道を拓くため、磁束コアの全光学的な生成・消滅・操作に挑戦します。そのために、空間偏光分布を自在に制御できる高強度サブテラヘルツ波パルス光源を開発します。
高エネルギー加速器研究機構
加速器研究施設
准教授
本研究では、レーザー冷却した極低温原子集団をレーザー光で電離し、方向の良く揃った質の高い電子ビームを生成する、新しい極低温電子源を開発します。この高性能電子ビームを用い、ビーム開口の小さなテラヘルツ加速器を実用化することで、従来のマイクロ波加速器の概念を革新する全光学加速器システムを確立し、超精密ビーム応用分野を切り拓きます。時間および空間分解能を併せ持つ高速電子顕微鏡への応用を目指します。
理化学研究所
光量子工学研究センター
研究員
本研究では、高速・正確な階層的X線化学反応動力学法を開発し、バイオ・X線機能性分子のX線誘起化学反応をイオン化(時定数:10 fs)から光解離(ps)までアト秒・フェムト秒軟X線過渡吸収分光法で追跡可能にします。本手法を放射線増感剤・有機シンチレータ分子等のX線誘起無輻射失活過程や解離反応に適用し、従来の反応動力学理論や放射光分光では困難なバイオ・X線機能性分子の動作機構の動力学解明と分子設計を実現します。