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統合1細胞解析のための革新的技術基盤

戦略目標

「生体制御の機能解明に資する統合1細胞解析基盤技術の創出」

研究総括

菅野 純夫(東京大学 大学院新領域創成科学研究科 教授)

 

概要

 本研究領域は、1細胞中の生体分子を定量的かつ網羅的に測定する方法論的技術的基盤の構築を目指します。特に、生体組織中の個々の細胞における生体分子の網羅的時間的変化や相互作用を定量的に記述するために必要となる技術や方法論を創出し基盤化することを目的とします。本研究領域が戦略的に構築する1細胞解析基盤は、1細胞レベルのゲノム、エピゲノム、トランスクリプトーム、プロテオーム、メタボローム等の同時大量取得・解析技術およびそれを支える周辺技術からなります。その際、1細胞解析で先行する技術分野においては市場を意識した実装に比重を置き、いまだ途上の技術分野においては原理的革新とその実証に重きを置きますが、開発される技術や方法論には何らかの実問題への適用を求め、生命現象における機能解明に資する成果へとつなげます。対象は広く細胞の多様性や細胞状態の遷移が関与する現象に門戸を開きます。1細胞解析基盤は国際標準化やシステム化・パッケージ化により付加価値の増大が期待されるため、技術開発以外でも集学的発想が重要になります。これを踏まえ、本研究領域では学際的なチームの参加を歓迎します。また基盤構築力の維持・向上のため、対応するさきがけ研究領域および関連プログラム等との連携も視野に、研究課題の大胆な見直しによる成果の最大化を図ります。

 

 本研究領域は、文部科学省の選定した戦略目標「生体制御の機能解明に資する統合1細胞解析基盤技術の創出」のもとに、平成26年度に発足しました。

平成28年度募集・選考・研究領域運営にあたっての研究総括の方針

 細胞は、生体を構成する最小の機能単位であり、生命を分子レベルで理解しようとすると、1細胞レベルで生体を構成する様々な分子を網羅的・定量的に測定することが欠かせません。本研究領域は、ゲノム配列、エピゲノム状態、発現RNAや発現タンパク質、代謝物等について1細胞レベルでの網羅的・定量的な測定を行うための技術基盤を開発しようというものです。

 このような技術基盤の構築に向け、本年度は次の3つのカテゴリについて、課題を募集します。

カテゴリA:

分離された細胞を対象にタンパク質や代謝化合物など核酸系以外の分子の網羅的解析を行うための機器・システム開発。本カテゴリでは細胞の分離法と1細胞の核酸系以外の生体分子の網羅的解析を可能とする機器・システムの開発を目指します。

カテゴリB:

臓器・組織など細胞集団における相互的空間情報を保持したうえで、個々の細胞のDNA・RNA・タンパク質などの生体高分子や代謝化合物につき網羅的解析を可能とする革新的システムの開発。

カテゴリC:

同一細胞について、生体高分子や代謝物の網羅的解析を時系列で行うシステムの開発。本カテゴリも、斬新な提案を募集します。既存技術でも、生きた細胞を使った10種類程度のタンパク質の時系列解析は既存技術でも実現できることから、その100倍から1000倍の網羅的解析を可能とするシステム開発の提案を募集します。

 選考では、「本研究領域の趣旨を踏まえ戦略目標の達成にどのような貢献ができるか」、「『使える』技術を創出するために、研究開発から実用化までの明確なビジョンを提示できているか」、「予備実験等により課題を適切に抽出しており、設定した目標に向けた道筋に説得力があるか」といった観点を重視します。また、本研究領域の基本コンセプトである「1細胞解析」にどう結びつけていくかという点を十分に認識し、「網羅性」、「汎用性」といった点も踏まえた、説得力のある魅力的な研究提案を期待しています。

(※留意事項)

 提案にあたりましては、研究提案書(様式1)の「研究課題名」の先頭、および、府省共通研究開発管理システム(e-Rad)における「研究開発課題名」の先頭に、上記カテゴリの別を「【カテゴリ○(※○にはA-Cのいずれかを記載)】」と記載してください。記載漏れの場合は、原則として、選考においてカテゴリA-Cのいずれかに分類することになります。
 なお、カテゴリごとに採択予定件数を事前に割り当てることはありませんが、選考の結果によっては採択に至らないカテゴリが生じる場合があります。

 課題の提案に当たっては、開発を加速し「使える」技術とするために、分野を超えた集学的な研究チームの形成を推奨します。また、研究チームには下記の役割を果たす構成員の参加を求めます。

1) 開発予定の機器・システムを使って、具体的に研究を進める予定の生命科学系の研究者

 開発初期、あるいは開発前からユーザーである生命科学の研究者と緊密な連携を組み、実際の例で開発・検証を行っていくことは必須と考えます。なお、構成員となる研究者の研究対象については特に制限はありません。感度的なハードルは高くなりますが、細菌あるいは細菌集団が研究対象の研究者も、緊密な連携が可能な場合には望ましい構成員となります。

2) 情報処理、情報解析の専門家・情報科学研究者

 データの取得、得られたデータの配列など生物情報への変換、データの可視化、データベースとの連携等で、情報処理法や情報解析法の開発が機器やシステムの開発に大きな役割を果たします。また、得られたデータから生物学的意味を抽出する部分でも情報科学が多くの役割を担います。このため、情報分野を担う構成員の参加を強く推奨します。

3) 企業

 企業の参加は必須ではありませんが、機器の開発を目指すため、大学等の研究者だけでなく、企業の参加が望ましいと考えます。また、課題の進捗に応じ、途中から企業の参加を推奨する場合があります。

 なお、本研究領域において研究開発する機器やシステムの評価を行う目的で、次世代シークエンサーや質量分析機器、蛍光顕微鏡などの比較的高額な既存の解析機器を委託研究費で購入することは認められません。そのため、それらの解析機器を有するグループとの連携を図ってください。また、次世代シークエンサーによるシークエンスについては、理化学研究所のライフサイエンス技術基盤研究センター(CLST)との連携も推奨します。

領域アドバイザー

岡田 眞里子 理化学研究所 統合生命医科学研究センター 統合細胞システム研究チーム
チームリーダー
岡野 清 株式会社鎌倉テクノサイエンス 代表取締役社長
落合 淳志 国立がん研究センター 先端医療開発センター センター長
神原 秀記 株式会社日立製作所 名誉フェロー
小原 雄治 情報・システム研究機構 国立遺伝学研究所 生物遺伝資源情報研究室 特任教授
瀬々 潤 産業技術総合研究所 人工知能研究センター 機械学習研究チーム 研究チーム長
瀬藤 光利 浜松医科大学 解剖学講座 細胞生物学分野 教授
竹山 春子 早稲田大学 理工学術院 先進理工学部 教授
八重 裕通 GEヘルスケア・ジャパン株式会社 ライフサイエンス統括本部 ビジネス企画室長

平成26年度採択分

拡張ナノ流体デバイス工学によるピコ・フェムトリットル蛋白分子プロセシング

研究代表者(所属)

北森 武彦 (東京大学 大学院工学系研究科 教授)

非標識神経伝達物質イメージセンサによる細胞活動可視化システム構築と脳機能の時空間解析

研究代表者(所属)

澤田 和明 (豊橋技術科学大学 電気・電子情報工学系 教授)

多チャンネルプレーナ技術による生体組織分子解析とその神経疾患応用

研究代表者(所属)

高村 禅 (北陸先端科学技術大学院大学 マテリアルサイエンス系/
     シングルナノイノベーティブデバイス研究拠点(エクセレントコア) 教授)

環境細菌1細胞ゲノム解析のためのマイクロデバイス開発

研究代表者(所属)

本郷 裕一 (東京工業大学 生命理工学院 教授)

抗がん剤開発に資する単一CTCの核酸解析プラットフォーム構築

研究代表者(所属)

吉野 知子 (東京農工大学 大学院工学研究院 准教授)

平成27年度採択分

動く1細胞の「意思」を読み取るin vivo網羅的動態・発現解析法の開発

研究代表者(所属)

石井 優 (大阪大学 大学院生命機能研究科 教授)

超解像3次元ライブイメージングによるゲノムDNAの構造、エピゲノム状態、転写因子動態の経時的計測と操作

研究代表者(所属)

岡田 康志 (理化学研究所 生命システム研究センター チームリーダー)

1細胞遺伝子発現解析による組織微小環境情報の構築

研究代表者(所属)

橋本 真一 (金沢大学 医薬保健研究域・医学系 特任教授)

細胞チップMSシステムを用いた1細胞マルチ分子フェノタイピング

研究代表者(所属)

馬場 健史 (九州大学 生体防御医学研究所 教授)

多重高密度超解像顕微鏡IRISによる多分子複合体マッピング

研究代表者(所属)

渡邊 直樹 (京都大学 大学院生命科学研究科 教授)

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