SCIENCE AGORA

2021年11月3日(水・祝)7日(日)

《プレアゴラ》10月10日(日)11日(月)

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No.11-A1710月11日(月) 17:00~19:00

「ディープフェイク:人間の脳を欺くハイテク・イリュージョン」
日本とスイスの専門家に聞くースイスの科学(1)

Deepfakes : High-tech Illusions to Trick the Human Brain ‒ Science from Switzerland (1)

チューリッヒ大学、国立情報学研究所(NII)、スイス大使館科学技術部
University of Zurich (UZH), National Institute of Informatics (NII), ​
Science & Technology Office Tokyo, Embassy of Switzerland in Japan

企画概要

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高度な機械ベースのアルゴリズム、強力な計算プラットフォーム、人工知能が近年、急速な進歩を遂げていることに伴い、ソーシャルメディアやニュースプラットフォーム上で、いわゆる「ディープフェイク」がつくられ、拡散する事例が大幅に増加しています。ディープフェイクとは、人間の容貌や様子を合成・巧妙に処理して、その情報を受け取った人がそれを本物で信用できるものと判断してしまうほどに再現することです。このワークショップでは、ディープフェイクの背景にある技術や、コンピュータや人間がどのようにしてディープフェイクの産物を識別し得るかを説明し、ディープフェイクの社会的、法的、犯罪的な意味合いについて議論します。今回、人の声を合成して複製することを例にして、ディープフェイクの実演を行い、ご参加の皆様にはインタラクティブなディープフェイクを探知するゲームを体験していただきます。

With the rapid evolvement of advanced machine-based algorithms, powerful computations platforms, and artificial intelligence in recent years, there was a massive increase in the creation and dissemination of so-called “deepfakes” in social media and news platforms. Deepfakes concern the synthetic and manipulative recreations of human appearances such that recipients of this deepfake information would appraise it as real and trustworthy. In our workshop we show the technology behind deepfakes, how computers and humans could potentially identify deepfake creations, and we discuss the social, legal, and criminal implications of deepfakes. We demonstrate deepfakes especially with the example of synthetically cloning human voices, and we will involve the audience in interactive deepfake detection games.

登壇者プロフィール

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サシャ・フリューホルツ(チューリッヒ大学)
Sascha Frühholz(University of Zurich (CH))

サシャ・フリューホルツは、教育学(2001年)と心理学(2006年)の修士号、神経生物学の博士号(2008年)を取得後、ジュネーブ大学(2010-2013年)およびスイス感情科学センター(2013-2015年)でポスドク。現在は、チューリッヒ大学で認知・感情神経科学の教授。研究テーマは、ホンモノとディープフェイクから得られる社会的認知。

Sascha Frühholz has MSc degrees in Education (2001) and in Psychology (2006), and a PhD degree in Neurobiology (2008). He was a postdoctoral fellow at the University of Geneva (2010-2013), and the Swiss Center for Affective Sciences (2013-2015). He is now a Professor for Cognitive and Affective Neuroscience at the University of Zurich. His research interest concern social cognition from natural and deepfake human appearances.

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フローレンス・シュタイナー(チューリッヒ大学)
Florence Steiner(University of Zurich (CH))

フローレンス・シュタイナーは、認知神経科学と臨床心理学の修士号を取得。現在は、チューリッヒ大学の認知・感情神経科学研究室の博士課程に在籍し、ダイナミックな感情的な声が聞き手の脳に与える影響を研究している。分かりやすく、親しみやすく、楽しい方法で科学を伝えることに情熱をもって取り組んでおり、そうした活動が評価されて賞を受賞している。

Florence Steiner has a MSc degree in Cognitive Neuroscience and Clinical Psychology and is currently PhD student in the Cognitive and Affective Neuroscience Laboratory at the University of Zurich. Her research examines the influence of dynamic emotional voices on listeners' brains. Communicating science in an understandable, relatable, and entertaining way is her passion, for which she has also been recognized with awards.

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エリカ・クーパー(国立情報学研究所)
Erica Cooper(National Institute of Informatics (JPN))

エリカ・クーパーは、2009年と2010年にマサチューセッツ工科大学で電気工学とコンピュータサイエンスの学士(理学)と修士(工学)を取得後、 2019年に米国コロンビア大学でコンピュータサイエンスの博士号を取得。 同年以降、東京の国立情報学研究所のポスドク研究員。研究テーマは、統計的機械学習と音声合成。

Erica Cooper received B.Sc. and M.Eng. degrees in electrical engineering and computer science from the Massachusetts Institute of Technology, USA, in 2009 and 2010. She received the Ph.D. degree in computer science from Columbia University, USA, in 2019. Since 2019, she has been a postdoctoral researcher with the National Institute of Informatics in Tokyo, Japan. Her research interests include statistical machine learning and speech synthesis.

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シン・ワン(国立情報学研究所)
Xin Wang(National Institute for Informatics (JPN))

シン・ワンは、日本の国立情報学研究所のポスドク研究員。2018年に日本の総合研究大学院大学で博士号を取得。これに先立ち、2015年に中国科学技術大学、2012年に中国電子科学技術大学でそれぞれ修士号と学士号を取得。研究テーマは、統計的音声合成と機械学習。

Xin Wang is a postdoctoral researcher at the National Institute of Informatics, Japan. He received the Ph.D. degree from SOKENDAI, Japan, in 2018. Before that, he received M.S. and B.E degrees from University of Science and Technology of China and University of Electronic Science and Technology of China in 2015 and 2012, respectively. His research interests include statistical speech synthesis and machine learning.

プログラム

5分

開演・挨拶

20分

UZH - 心理学と神経科学の側面から

20分

NII - 音声合成の歴史、技術的側面、最先端の技術について

40分

パネルディスカッションと質疑応答

出展レポート

企画概要の補足

どんな技術にもプラス面とマイナス面があるように、ディープフェイクにもプラス面とマイナス面があります。ディープフェイクは、現在、偽の情報を発信したり、犯罪に利用されたりするなど、ネガティブな用途が多いのが現状です。しかし、支援機器の開発ではポジティブな利用法もあります。 例えば、声道の手術を受ける人が自分のアイデンティティの一部である声を維持したり、目の不自由な人が自分のために読んでくれる装置開発などに役立ちます。

セッションで話し合った未来像

信頼できる情報源を特定し、ディープフェイクが人々の役に立つ社会

セッションでの意見、論点

  • 偽物と本物をどうやって見分けるのか?
  • ネット上で流らてる情報とどのように向かいうったらいいのか?
  • ディープフェイクはどのように人々に役立つことが出来るか?

現在、データ数の関係でレプリカ土器画像を用いてAIモデルを構築しているが、実際に“本物の土器”画像で画像分析をするとまだまだ精確さ欠けることがある。その点については克服を目指し、今後は同定できる植物種子の種類を増やすことも視野に入れていきたい。また、CT画像の分析や土器紋様の画像分析など別の考古学的課題にもAIを活用できないか検討していく予定である。

本研究は、考古学と情報工学の研究者による共同研究であり、当初より情報工学の研究者にとって当該分野における研究業績としてどのように考えるか、設えるのかという点は課題と捉えていた。本プロジェクト推進にあたっては、中間者であるURA職が双方の研究者の課題意識や要望を把握、議論や相談の場を持ち続けるなどの工夫によって現在に至っている。今後も課題解決を目指す本共同研究が、双方の研究者人生にとって有益なものとして継続されていくために協働で様々な努力を続けていきたい。

セッションで出たキーワード

ディープフェイク、情報(過多)、犯罪、詐欺、支援機器、装置開発、SNS、不気味の谷、未来社会

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