SCIENCE AGORA

2021年11月3日(水・祝)7日(日)

《プレアゴラ》10月10日(日)11日(月)

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No.07-D1311月7日(日)13:00~15:00

シン・サイエンス~情報・AI・ビッグデータが紡ぐ最先端研究~

 

世界トップレベル研究拠点プログラム有志 WPI-ICReDD, WPI-IRCN, WPI-IFReC

企画概要

世の中には膨大な情報(ビッグデータ)が溢れ、市民にとって何が正しいのかを判断するのが困難です。科学者たちの仕事は、複雑化したデータから「真」に重要な科学的エビデンスを導くことと言えるかもしれません。今回の企画では、①ビッグデータから機械学習を用いて得られる化学反応の予測、②脳-AIを融合したニューロインテリジェンスによる疾患解析と応用、③ゲノム情報から得られる免疫細胞の性質や疾患との関係、という3分野から最「新」の研究をお伝えします。どれも将来全ての人に関わる内容であり、市民の学びとともに、新たな高校の教育過程「情報」を学ぶ高校生や教育関係者方々とその意義について議論できればと思います。

登壇者プロフィール

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瀧川 一学 タキガワ イチガク

1977年香川県生まれ。北海道大学工学研究科博士課程修了。京都大学化学研究所バイオインフォマティクスセンター・薬学研究科助教、北海道大学情報科学研究科准教授、JSTさきがけ研究員(材料インフォマティクス領域)を経て、理化学研究所革新知能統合研究センター研究員及び、北海道大学化学反応創成研究拠点(ICReDD)特任准教授。専門は離散構造・組合せ構造を伴う機械学習および自然科学でのデータ駆動型研究。

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合原 一幸 アイハラ カズユキ

1954年福岡県生まれ。東京大学工学系研究科博士課程修了。東京大学教授などを経て、現在、東京大学特別教授/名誉教授、東京大学国際高等研究所・ニューロインテリジェンス国際研究機構 (IRCN) 副機構長、理化学研究所AIPセンター特別顧問、科学技術振興機構(JST)・未来社会創造事業テーママネージャーなど。専門は、数理工学、カオス工学。

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大倉 永也 オオクラ ナガナリ

1964年愛知県生まれ。名古屋大学農学部修士課程を修了しテルモ(株)に入社。論文学位を取得後、国立がんセンター研究所に移籍。研究員、主任研究員を経て、大阪大学免疫学フロンティア研究センター(IFReC)特任准教授。現在、大阪大学医学系研究科特任教授。専門は、ゲノム、エピゲノム解析、バイオインフォマティクス。

プログラム

13:00

「機械学習~データを予測に変える技術~で化学に挑む!」

瀧川 一学(北海道大学ICReDD)

「データ」のない科学は存在しません。科学的エビデンスは「データ」という形で蓄積されていきます。科学論文とデータの量はもはや一個人の認知限界を超えていて、化学にも機械学習(データを予測に変える技術)を使うという考えはとても有望です。たくさんデータを見せて優れた化学者以上の「経験と勘」をコンピュータ化できれば大きな変革になります。ところが同時にこれは非常に難しいのです!色々な自然科学研究に関わってきた「機械学習研究者」から、その深遠な面白さ・何がそんなに難しいのか・これからについて話します。

13:30

「ニューロインテリジェンスと高次元ビッグデータ解析」

合原一幸(東京大学IRCN)

この講演では、脳と人工知能(AI)を統合するニューロインテリジェンスの概念について、ファッションドレスへの応用なども含めて簡単に説明します。また、情報・AI・ビッグデータの疾患への応用例として、発病する前にもうすぐ発病する予兆を、計測した高次元ビッグデータを基に検出する動的ネットワークバイオマーカーを紹介し、未病治療の可能性を議論します。

14:00

「ビッグデータを利用した免疫研究」

大倉永也(大阪IFReC)

免疫は、長らく細胞表面のマーカー分子による細胞分類をもとに語られてきました。近年では、ゲノム・エピゲノム解析技術が進歩して、各免疫細胞や免疫疾患をゲノム情報から紐解くことが出来ます。さらにシングルセル解析により広範な免疫細胞を一気に解析することもできるようになってきました。ゲノム情報に代表されるビッグデータを免疫学ではどのように扱い、利用しているかについて紹介いたします。

14:30

研究者との「対話の時間」:参加くださった皆さんからの質問に時間いっぱい回答します。研究内容以外のことでも構いません。研究者との対話を楽しむ時間になればと思います。

・講演時間に聞けなかった質問

・研究内容以外のことで聞いてみたい質問

・参加者から事前にいただいた質問への回答

・講演時間内に回答できなかった質問への回答

・講演者から参加者のみなさんへの質問

本企画は、アーカイブ動画を公開しておりません。

出展レポート

企画概要の補足

タイトルに込めた思い「最新のAI・インフォマティクス技術を応用することで、これまで不明確、不明瞭だった分野の真の姿を明らかにできるという願いも込めて。新しいと真なる、の「シン」を掛け合わせたタイトルにしました。」

セッションで話し合った未来像

AIはあくまでもツールであることを認識する。AIを使ってクリエイティブな仕事をしていくことが重要。

セッションでの意見、論点

  • AIができることが増えるにつれ、人間のやることはどう変わるか?
  • 利用する人間の自由が奪われる、生命の危機等が心配です。対策は検討されていますか。
  • 研究を通じて、逆に、人間にしかできないこと、人間らしさのエッセンスについて、見えてきたことがありますか?将来、AIが人間を支配することにならないでしょうか?
  • 新型コロナウイルスのような新興・再興感染症対策に適用可能かを知りたい
  • AIやビックデータ(又はその組み合わせ)を医学に応用すれば、がんの治療法や難病の治療法など見つからなかったものが見つかるのではないかと思っているのですが、難しいのでしょうか?
  • AIやビックデータ(又はその組み合わせ)を医学に応用すれば、がんの治療法や難病の治療法など見つからなかったものが見つかるのではないかと思っているのですが、難しいのでしょうか?
  • 研究を継続する原動力を伺ってみたいです
  • AIによる予測の精度や盲点など、コンピュータの予測結果が実際の実験結果と大きく異なった例や、失敗例などがあればぜひ教えて頂きたいです。
  • 「ビッグデータ」の正当性を保証するための「悪意ある偽データの排除」は誰がどのようにして保証しているのでしょうか。
  • バイオマーカーとは具体的にどんな因子を指しているのでしょうか。イメージが掴めませんので。
  • 遺伝情報と揺らぎの研究を組み合わせれば、未病アプローチで解決できる発病リスクと、解決できない発病リスクの仕分けができそうですね

セッションで出たキーワード

羅生門効果、フラクタル、次元圧縮、医療応用、数学力

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