SCIENCE AGORA

2021年11月3日(水・祝)7日(日)

《プレアゴラ》10月10日(日)11日(月)

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No.06-A1011月6日(土)10:00~12:00

VRアバター事例からウィズコロナな生き方を考えよう

Let's think about “After COVID?19” from the VR avatar case study

Holographic  

企画概要

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「研究される技術」を超えて「使う技術」になったVRアバターコミュニケーションの可能性・課題・解決方法を、研究者・企業開発者・一般市民が対等にそれぞれの立場で探っていきます。配信はVR空間内から行い、Miroを用いた質疑応答とリアルタイムまとめ、Zoomによるコメントをベースにした対話をVTuberの生番組形式で行います。「オンラインにおいていかに相手の存在感を知覚できるか」「物理世界の自分と異なるアバターという存在とどう向き合うか」「物理世界とどのように折り合いをつけるか」など、まだ未知の課題について集合知で解き明かして行きましょう。

 

登壇者プロフィール

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Holographic 

xRやアバターコミュニケーションをはじめとした、デジタルテクノロジーの理解・議論を促すコミュニケータユニットとして、イラストレーター・漫画家:じゅりことxRデザイナー:よーへんによって2019年に結成。国際学会での発表や子供向けデジタルワークショップの実施、VTuberとしてのTV出演など、配信者に留まらない活動を行なっている。

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小林 昌廣 Kobayashi Masahiro

1959年東京生まれ。医学と哲学と芸術を三つの頂点とする三角形の中心に「身体」をすえて、独特の身体論を展開。医学史・医療人類学から見た身体、古典芸能(歌舞伎、文楽、能楽、落語)から見た身体、そして現代思想とくに表象文化論から見た身体などについて横断的に考察している。各地で歌舞伎や落語に関する市民講座や公開講座などを行なっている。

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新保 正悟 Shimbo Shogo

株式会社VLEAP CEO

早稲田大学在学時より、VRSNSのコミュニティと経済圏に関する調査を実施。VRの究極であるメタバースの実現を目指し、VRの発展と普及を目標として株式会社VLEAPにて経営と開発を担当。

2019年度WASEDA-EDGE・ギャップファンドプロジェクト採択

VTechChallenge2019 ファイナリスト

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さてぃうす Sativus

大阪大学人間科学研究科、修士2年。専攻は文化人類学。自己と他者との境界やその広がり・収縮が関心の対象。現在はソーシャルVR時代におけるアバターとユーザーが取り得る多様な関係性のあり方を、ソーシャルVRプラットフォームの「VRChat」における日本ユーザーを主な対象としてフィールドワークを行っている。使用アバターはヒューマン型の猫。

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イリエ=ハナミヤ IRIE=HANAMIYA

アバター文化考察勢 主にVRoidアバターとVRoidユーザーについての文化を考察しています。一応youtubeチャンネルを持ってはいますが、アバター文化考察は基本的にnoteだけです。

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藍月 あんこ Anko Azuki

2009年より、おたく文化と社会の関わりを考察、評論し同人誌にまとめる活動を。評論活動の一環として自身の「バ美肉願望」を分析し、19年に“ミイラになるためにミイラ取り”になりVRChatの世界に。プレイ時間は半年で1000時間ペースで増え、現在は3400時間。毎日、日本人はもちろん、日本語話者の外国人ともVR内で“会う”コミュニケーションを。

プログラム

10:00

ご挨拶、Stay Home下におけるVRアバターコミュニケーションとは

10:10

VRアバターコミュニケーションの事例紹介

11:00

事例紹介を踏まえたVRアバターコミュニケーションの可能性と課題の洗い出し、出演者と参加者による研究者・開発者・市民それぞれの立場から考える課題の対応策に関する議論

出展レポート

企画概要の補足

昨今のコロナ禍においてはアバターによるコミュニケーションが更に身近なものになっており、世間から多くの注目を浴びている。アバターコミュニケーションは距離や立場・年齢性別などにとらわれず精力的に活動できるという利点をもたらし、VTuberをはじめとした様々な自己実現を可能にした。まず具体的には、あり得るかもしれない次のStayhomeのために「研究する技術」から「使う技術」となったオンラインコミュニケーションやアバターの可能性・課題を共有し、次にどんな備えが可能かを考えた。

セッションで話し合った未来像

対話によって、コロナ下におけるオンラインコミュニケーションの賛否は「環境やコミュニケーション相手に対して没入感や存在感を感じることができたか否か」がキーポイントだと結論づけることができた。その上で次のコロナに備えてより没入感や存在感を得るためにはどのようなコミュニケーションが可能か、現在のVRやアバターコミュニケーションの事例から考察した。

セッションでの意見、論点

◆VRソーシャルにおけるコミュニケーション面での特徴

  • 距離や方向で聞こえ方が変わるため、自然と相手に距離的に近づく
  • 自分の身体として認識するために鏡を見る
  • 生まれ持ったものを取捨選択してアバターに取り込み表現することで、第二の自分としてのアバターが生み出されている
  • アバターは身体でもあり、モノ(作品)であることが表に出てくる特性を持つ
  • もともとキャラクターであったものが、アバターとして用いられる⇄もともとアバターであったものにキャラクター性が付与されていく
  • 「何かの体験を主観的に共有したい」という点をある程度満たしてくれる可能性があるのがVRソーシャル。ゆえに物理現実をそのまま再現する必要はなく、エッセンスを抽出・再現できるものであれば良い
  • 没入感や存在感を得る要因
  • アバターに自分自身を感じられたことで、物理の距離的制約がかなり少なくなった
  • 聞こえ方と身体の要素が合わさって「会って話をする」感覚が強くなる。結果それゆえの人間関係(スキンシップの発生、パートナー)が生じる
  • 「会っている」ことの効果+一緒に遊ぶことで、ビデオチャットとは違う感覚で遊んでいる
  • 「見ている」だけではなく「会っている」感覚があると、遊ぶことが「共通の体験」になる
  • アバターの身体=自分の自分だと、一緒に遊ぶことで、「画面を撮影する行為であるスクリーンショット」が「思い出の写真」になる

◆課題点

  • 美少女の姿をしているからといって、美少女として扱われたいとは限らない
  • より没入感を得られる技術に向かない人が、コミュニティやアクセスから排除される可能性
  • ZOOMは没入感をあえて削ぎ落とすための設計(デザイン)になっていて、そこに「ZOOM飲み会」等で没入感を求めたのはそもそも間違いなのでは

セッションで出たキーワード

物理現実のエッセンスを抽出・再現するVRソーシャル、没入感をあえて削ぎ落とす設計のZOOM、共通体験によってスクショから「思い出の写真」へ、アバターは身体でもあり作品、コミュニティフィルタの是非、外見と声の差について違和感を覚えなくなった

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