企画タイトル | 海に生きる:3.11からの10年とこれから |
Title | Living by the Sea: 10 years from 3.11 and beyond |
企画概要 | TEAMSは、東日本大震災の津波等で大きく変化した沿岸域の海洋生態系回復を図り、地域の産業を復興するとともに、生態系を保全した持続可能な漁業の確立を、 漁業従事者との協働で実現してきました。 震災から10年の節目を目前に控え、復興までの歩みを振り返りながら、 ①地域のステークホルダーとの協働による課題解決のあり方、 ②科学技術の役割(例:科学的エビデンスと、漁業者の経験知との境界/融合)、 ③自然との共存(恩恵・リスクの両側面から)④Life/Well-Beingへの貢献、などについて議論します。 |
出展者名 | 東京海洋大学(東北マリンサイエンス拠点形成事業 TEAMS) |
Exhibitor | Tokyo University of Marine Science and Technology |
企画番号 | 2201 |
配信日時 | 11月22日(日)10:00-11:30 |
登壇者プロフィール |
(東京海洋大学特任教授/古生物学) 海の地質環境に基づく生物生態系の研究者として、3.11の海洋環境の撹乱と復活を見ている。 TEAMSでは立ち上げから関わり、幹事会メンバーの一人として、主に国内外情報発信を行っている。 今回はモデレーターとして、科学的視点から見た震災被害の実態や、TEAMS活動の全体像を語っていただきます。 阿部 拓三 さん (南三陸町自然環境活用センター研究員/海洋生物学) 南三陸の海をフィールドにした地域密着型の研究・教育活動を行なっています。 南三陸の自然環境の特徴と漁業、震災の影響についてご紹介いただき、「森里海ひと」が共存する循環型社会を目指した南三陸町での取り組みについてお話いただきます。 朝日田 卓 さん (北里大学海洋生命科学部教授/水圏生態学/TEAMS研究者) 被災地の漁師さんたちを後押しして防潮堤のセットバックにつなげ、稚魚たちが育つ海のゆりかごを守ることに成功した事例をお話しいただきます。 高橋 直哉 さん (宮城県・南三陸町 漁師) 漁師の家に生まれ、宮城県南三陸町の自然の魅力と、海と山の恵みの両方を経験しながら育つ。 震災時の海の様子をお話いただくとともに、震災を経験した三陸の海と生きもの(例:ホタテ、ホヤ、牡蠣など)、 そしてそこに住む人々の、本来あるべき姿について語っていただきます。 大木 優利 さん (東京海洋大学博士研究員/国際政治学/TEAMS広報) TEAMS研究員として2018年より宮城県の沿岸域にて漁業者や住民に聞き取り調査を実施している。 漁業者が蓄積してきた震災前/後の海洋生態系の変化、そして地域漁業の仕組みが震災をきっかけにどのように変化してきたかを研究している。 佐藤 達也 さん (三重県鳥羽市/漁師・沿岸漁業/フリーランス学芸員) 漁師として毎日海と向き合うかたわら,研究者や小中高の教員らとともに海の豊かさについて,調査,研究も行っています。 漁師であり学芸員でもあるからこそ見えてきた海の現状を紹介。 生態系をはじめ,海や自然に関わる知識を広めるリテラシー活動,海洋教育についてお話しいただきます。 銭本 慧 さん (長崎県対馬市/漁師・沿岸漁業/合同会社フラットアワー代表) 1984年、大阪府吹田市生まれ、兵庫県明石市育ち。東京大学大学院新領域創成科学研究科自然環境学専攻(環境学博士)。 長崎大学において日本学術振興会特別研究員(PD)を経て、2015年4月に対馬に移住。 2016年4月に「持続可能な水産業の実現」をミッションに合同会社フラットアワーを設立(代表社員)。 大草 芳江 さん NPO法人natural science理事。仙台を拠点に科学教育活動を実践する。 知的好奇心がもたらす心豊かな社会の創造にむけた『学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ』を主宰。 2007年に30人の参加者からスタートしたイベントを10年で1万人規模まで発展させた。MEXT・JSTで委員を多数務める。
|
プログラム |
【プログラム】(90分) はじめに 第一部 第二部 |
科学的調査から見えてきた震災後の海の変化と回復、そして海辺の環境を守ることについての話題提供があった(北里洋さん)。
南三陸町を事例に漁業への被害と、「森里海ひと」の循環型社会を目指したまちづくりについて発表頂いた(阿部拓三さん)のち、
漁業者、行政、研究者との協働により防潮堤をセットバックし、砂浜を残した事例についての話題提供があった(朝日田卓さん)。
南三陸町の養殖業を営む高橋直哉さんから防潮堤の影響、身のまわりの自然の恩恵と共に生きていく様子をインタビュー形式で伺った。
ディスカッションでは「どういう状態を豊かというのか?」という問いに対し、パネリストから多様な意見が出た。
第二部では長崎県対馬市で沿岸漁業を営む銭本慧さんより、気候変動による海への影響を見据えた持続可能な漁業について、
三重県鳥羽市で漁師・フリーの学芸員として活躍する佐藤達也さんから幼少期からの海洋教育が海辺の理解促進に貢献する事例紹介があった。
ファシリテーターの大草芳江さんからは自然と人間がつながる状態と、その豊かさについて考察があった。
本セッションにより、パネリスト同士の横のつながりが構築された。
今後は漁師同士、研究者同士、そして漁師と研究者が協働しながら海の状態をモニタリングしていき、意見交換を行うなど、新たな関係性をつくりあげることができた。
また、視聴者からは、住んでいる東北以外の漁業を営む地域の取り組みを知る機会になったという感想をいただけた。
アゴラのような機会を通じて、視聴者の視野を広げていくことの重要性を認識した。
地域課題やSDGsに関する企画1701 「デジタル革新とSDGs貢献を加速させるSocial Business Open Innovation」〜新興国DXと遠隔医療〜 1703 AI・IoT・ロボットを活用したスマート農業技術とSDGsへの貢献 1801 ~京都の里山ライフ~SDGsライブ中継 1901 STI for SDGs ~地域の社会課題の解決を目指して 1903 SDGs達成へのユーグレナの貢献 |