平素より私たち科学技術振興機構（JST）の活動にご支援を賜り、御礼申し上げます。

いま世界中で、新型コロナウイルス（COVID-19）感染症が猛威を振るっています。 多くの人命が失われ、経済や社会は不安に覆われています。その結果、私たちの日々の生活の有り様や人と人とのつながりにも大きな変化が起きつつあります。 また一方で、持続可能な開発目標（SDGs）に代表されるように、世界を持続可能にするために解くべき課題は、依然として私たちの目の前に存在しています。

これらの課題を解く鍵として、科学技術に強い期待が寄せられています。しかしながら、複雑に絡み合うこれらの課題は、科学技術だけで対応できるものではありません。 その解決のためには、社会の様々な人々がこうありたいと願う未来像を共有して、知恵を寄せ合い、社会全体で取り組んでいく必要があります。

JSTは2006年から、社会と科学とをつなぐオープンフォーラムとして「サイエンスアゴラ」を開催して参りました。 「アゴラ」とはギリシャ語で「広場」という意味です。

第15回目となる「サイエンスアゴラ2020」は、私たちが直面している状況を踏まえ、「Life」というテーマを掲げました。 いまの危機を乗り越え、私たちがありたいと願う未来社会を創り上げるために、私たちはいま何をすべきなのか。 科学技術はどのような役割を果たすことができるのか。 これからの「Life」（生命、生活、人生）を参加者の皆さまとともに考え、取り組んでいく機会としたいと考えています。

皆さまの安全・安心を最優先するため、今年は初の試みとしてオンラインで開催します。 これにより、遠隔地など様々なご事情で今までお越しになれなかった方も、お気軽にご参加いただけるようになります。 この新しい「広場」に、世代や地域、職業を超えて様々な方々にお越しいただき、活発な交流が行われることを、主催者として祈念しております。 皆さまのお越しを心よりお待ちしております。

国立研究開発法人科学技術振興機構（JST）
理事長 濵口道成