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第7回SIP「革新的構造材料コロキウム」を国内アドバイザーボードメンバーでもあるJAXA佐藤英一先生を世話人として、「特殊条件・構造における疲労」をテーマとして開催しました。
まず、JAXA佐藤先生から、超高サイクルや極低サイクルといった特殊な条件あるいは接着といった特殊条件やバルク材でない構造の疲労に焦点を当てる今回のコロキウムの主旨が説明されました。
その後、青山学院の小川先生からは、約20kHzの超音波で試験片を共振させる方法で、107回を超える「超高サイクル疲労」を高強度軸受け鋼の両振り疲労や、Ni基合金鋳造材に関する平均応力への影響およびき裂進展特性への影響が紹介されました。
続いて、佐藤先生からロケットエンジンの「極低サイクルクリープ疲労」では、予測よりも大幅に少ない寿命で破断することが示され、これがクリープでの損傷(粒界ボイド)と疲労での損傷(疲労クラック)の両者の独立した蓄積によるもので、さらに繰り返しにより、疲労クラックの進展と粒界ボイドの成長・合体とが連結して劣化損傷が急速に進展することが説明されました。
NIMSの内藤先生からは、CFRP、GFRP等の複合材料、特にその接着剤部分での疲労特性を中心に、き裂進展等の破壊現象も含めた研究が紹介されました。
発表終了後、3つの材料系へのさらなる質問や共通する事項などについての議論が交わされました。
終了後、カジュアルな懇親会があります。毎回、ディスカッションに続き、講演者と参加者の方々同士の交流を深めて頂いております。どうぞ合わせてご参加ください。
コロキウム=ディスカッションを伴うシンポジウム
材料の種類を問わずに靱性を向上させる方法を整理し、学術的な側面から材料の靱性向上(高靭性化)を最大にするための組織を展望し、実際の材料開発に応用する方法などを議論することを目指します。
このような議論を行うために金属材料、金属間化合物材料、セラミックス材料、高分子材料、複合材料の分野から材料の種類を問わない高靭性化機構を議論することを目的とする。