社会的孤立・孤独の予防と多様な社会的ネットワークの構築|RISTEX

RISTEX社会技術研究開発センター

遊間 和子

株式会社国際社会経済研究所 調査研究部 主幹研究員

人口構造の急激な変化は、社会のあり方や家族関係を変容させています。独居高齢者や高齢者のみ世帯・ひとり親世帯・外国人世帯などが増加し、社会とのつながりから切り離され、孤独や孤立感を抱えるケースもでてきています。新型コロナウィルスの感染拡大を契機に、テレワークや遠隔診療などが普及し、社会のデジタル化が非対面・非接触を促進した面もありますが、デジタルの力により、介護施設にいる祖父母とオンライン面会ができたり、マイノリティのコミュニティ形成を容易にするなど、孤独・孤立の緩和や解消にも役立っています。また、AIなどのデータ分析技術の高度化は、孤独・孤立のメカニズムを明らかにし、いかにして社会関係資本を構築するかという課題解決にもつながるものと確信しています。本プログラムの研究開発を通じて、社会的孤立・孤独の予防と多様な社会的ネットワークの構築が進むことを期待しています。

プロフィール

東京都生まれ。93年立教大学社会学部卒業後、株式会社NEC総研(現 株式会社国際社会経済研究所)に入社。高齢者・障害者等より多くの人々がデジタルの恩恵を享受するために何が必要かをテーマに、国内外の政策研究に取り組む。国際大学GLOCOM客員研究員、経済産業省「産業構造審議会保安・消費生活用製品安全分科会 製品安全小委員会」委員などを兼務。

専門分野・関心分野

デジタルヘルス(健康・医療・介護)、情報アクセシビリティ、ウェルビーイング、まちづくり、など高齢化に伴う社会的課題とDXをテーマに調査研究活動に従事。

著書・論文

  • 遊間和子(2022)「テクノロジーが支えるケア-デジタル機器を駆使したサービスの質向上の実践と課題」(青木正人・川渕孝一編集『国民の介護白書 2022年度版』日本医療企画、154-160頁)
  • 遊間和子(2020)『やさしく知りたい先端科学シリーズ5 デジタルヘルスケア』(武藤正樹監修、創元社)
  • 遊間和子(2018)「海外動向から考察するデジタルヘルス普及に向けた課題」(西村周三監修『2018-2019年版医療白書 医療新時代を切り拓くデジタル革命の衝撃-AI、IoT、ビッグデータがヘルスケアの未来を変える』日本医療企画、54-59頁)

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