社会的孤立・孤独の予防と多様な社会的ネットワークの構築|RISTEX

RISTEX社会技術研究開発センター

佐藤 嘉倫

京都先端科学大学 人文学部 学部長、教授

私は人と人のつながり(人間関係)がプラスの効果やマイナスの効果を持つことに着目したソーシャル・キャピタル論を専門としています。この研究分野では社会的孤立も重要な問題です。なぜ人は社会的孤立に陥るのかという問題は学術的にも社会的にも重要な課題です。人が社会的孤立に陥るメカニズムを学術的に解明し、その知見を孤立防止に役立てるという流れができたらいいなと思っています。
この視点から見ると、本プログラムは社会的孤立・孤独に関する学術研究とその社会実装という、私にとって理想的なプログラムです。斬新なアイディアに基づいた学術研究と革新的な社会実装が結びついたプロジェクトの応募を期待しています。

プロフィール

1957年生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。1997年に東北大学より博士(文学)を授与される。若い時にシカゴ大学で在外研究を送ったが、ゼロから人間関係を形成した経験からソーシャル・キャピタル論に興味を持つ。そして最近AIが社会に進出していることを背景に、人間とAIの間にソーシャル・キャピタルが生まれるかどうかに関心を持つようになる。現在、京都先端科学大学人文学部学部長・教授。東北大学名誉教授。

専門分野・関心分野

元々は、人は裏切られるかもしれないのになぜ他者を信頼するのかという信頼の問題に取り組んできた。しかし信頼を要素の一つとするソーシャル・キャピタルという概念に興味を持つようになり、現在はソーシャル・キャピタルのプラスの面とマイナスの面の両方に着目した研究を展開している。

著書・論文

  • 佐藤嘉倫・木村敏明編著『不平等生成メカニズムの解明』ミネルヴァ書房、2013年
  • 辻竜平・佐藤嘉倫編著『ソーシャル・キャピタルと格差社会』東京大学出版会、2014年
  • 佐藤嘉倫編著『ソーシャル・キャピタルと社会』ミネルヴァ書房、2018年
  • 渡邊勉・吉川徹・佐藤嘉倫編著『人生中期の階層構造』東京大学出版会、2021年
  • 佐藤嘉倫・稲葉陽二・藤原佳典編著『AIはどのように社会を変えるか』東京大学出版会、2022年

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