社会的孤立・孤独の予防と多様な社会的ネットワークの構築|RISTEX

RISTEX社会技術研究開発センター

藤原 佳典

東京都健康長寿医療センター研究所 副所長

「社会的孤立」の背景や実態、その対応策については、世代や地域など、属性により異なると言われていますが、共通する側面も少なくありません。私たちのこれまでの疫学研究では、同世代だけでなく異世代の人とも何らかの接点や交流を持つ人の方が、精神的な健康度が良好でした。一方、「社会的孤立・孤独」と経済的問題は相互に大きな影響を及ぼします。社会的孤立枠のプログラムにおける、「社会的孤立・孤独」の解決策として、多世代交流と就労支援のアプローチに着目したいと思います。しかしながら、多世代交流も就労支援も「言うは易く行うは難し」です。なぜなら、分野を超えた連携が必要だからです。本プログラムにより、分野間連携に資する、仕掛けと仕組みを明らかにしたいと思います。

プロフィール

北海道大学医学部卒、京都大学大学院医学研究科修了(医学博士)。京都大学医学部附属病院老年科等を経て平成23年より現職。平成16年より高齢者による子どもへの絵本の読み聞かせボランティア「りぷりんと」プロジェクト主宰。平成26年より高齢者就労支援プロジェクトESSENCE研究会主宰。多世代共生の地域づくりの視点から高齢者の社会貢献の多面的効果について実践的研究を進めている。内閣府・厚労省検討会委員他、多数の自治体の審議会座長を歴任。

専門分野・関心分野

日本老年社会科学会理事、日本老年医学会評議員、日本世代間交流学会副会長、日本応用老年学会常任理事、日本公衆衛生学会代議員、NPO法人りぷりんとネットワーク理事、NPO法人日本世代間交流協会副会長、NPO法人地域共生開発機構ともつく顧問

著書・論文

  • 『シニアから君たち(小学校高学年・中学生)へ「読み聞かせ」に託すこころのリレー:―シニアボランティアが子どもたちに届けた読み聞かせ絵本 続101選 (絵本の読み聞かせガイド)』(ライフ出版・監修)
  • 『何歳まで働くべきか?』(社会保険出版社・編著)
  • 『ソーシャル・キャピタルで解く社会的孤立』(ミネルヴァ書房・共編著)
  • 『就労支援で高齢者の社会的孤立を防ぐ:社会参加の促進とQOLの向上』(ミネルヴァ書房・共編著)
  • 『保健福祉職のための「まち」の健康づくり入門:地域協働によるソーシャル・キャピタルの育て方・活用法』(ミネルヴァ書房・監修)

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