研究課題(1期・2期・3期)

研究総括からのメッセージ 研究課題(1期・2期・3期)共同研究活動報告

研究課題(1期)

池田 丈

海洋酸性化がもたらすケイ素循環の破綻への対策

https://researchmap.jp/read0123294

研究者
池田 丈

広島大学
大学院統合生命科学研究科
准教授

研究概要

大気中二酸化炭素の増加に伴う海洋酸性化によって、海洋中のケイ素循環のバランスが崩れ、炭素循環にも影響を及ぼす可能性が指摘されています。また、従来考えられていたよりも多くの微生物がケイ素循環に関与していることが示唆されています。本研究では、海洋酸性化がケイ素と炭素の循環に及ぼす影響の把握に向けて、海洋中のケイ素循環を再評価するとともに、微生物の力を利用して健全なケイ素循環を維持する技術を開発します。

岩崎 晋弥

南大洋太平洋側における深層水の炭素貯留量変動史:氷期炭素レザバーの実態解明

https://researchmap.jp/ShinyaIwasaki

研究者
岩崎 晋弥

北海道大学
大学院地球環境科学研究院
助教

研究概要

本研究は海洋による炭素貯留の自然プロセスを理解するため、氷期の炭素貯留庫として有力な南大洋太平洋側において、最終間氷期以降の深層水炭酸イオン濃度変動を定量的に復元することにより炭素貯留量変動を見積もります。その際、自身が開発した新しい復元手法により高い時空間分解能のデータ取得を実現することで、大気二酸化炭素濃度が低下した際に南大洋太平洋側の深層水に貯留された炭素量と貯留プロセスを明らかにします。

遠藤 寿

溶存圏の遺伝情報が拓く新規プランクトン動態解析

https://researchmap.jp/7000020215

研究者
遠藤 寿

京都大学
化学研究所
准教授

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研究概要

海洋における物質循環の主役は植物プランクトンをはじめとした微視的な生物です。海洋生態系の将来像を把握する上で、10万種以上ともいわれる真核微生物の環境応答を理解することが不可欠です。本研究は、海水溶存画分の非生物態RNAの網羅的・定量的分析を用いて全プランクトン種の増殖・死滅を同時に計測する環境影響評価手法を確立し、気候変動下における海洋生態系の応答解明を目指します。

小林 英貴

千年を超える過渡的な海洋炭素循環の変化の理解

https://researchmap.jp/hidekoba

研究者
小林 英貴

富山大学
学術研究部理学系
特命助教

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研究概要

海洋炭素循環モデルを用いた過去から将来にわたる統一的な数値実験を行い、大陸風化と海水準変動、海底堆積過程に焦点を当て、千年規模の時間スケールにおける海洋の炭素貯留の変化メカニズムを定量的に議論します。

近藤 能子

ビタミンB12から探る海洋一次生産制御機構

https://researchmap.jp/kondoyoshiko

研究者
近藤 能子

長崎大学
大学院総合生産科学研究科
准教授

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研究概要

本研究では、環境の異なる沿岸域・外洋域双方におけるビタミンB12の動態解析と、船上培養実験による現場植物プランクトン群集のビタミンB12制限の実態についての検証を行います。動態解析や培養実験では、ビタミンB12に加え、鉄など微量金属元素や植物プランクトン・バクテリア群集組成についても調べます。ビタミンB12の海洋物質循環における役割を評価し、海洋環境と気候の相互作用についての理解の深化に繋げます。

坂本 達也

化石分析から探る地球温暖化に対するイワシ類生態の応答

https://researchmap.jp/Tatoooya

研究者
坂本 達也

京都大学
白眉センター
特定助教

研究概要

海洋生態系の基盤であるイワシ類の生態は,地球温暖化によってどう変化するのでしょうか。本研究では,最近年に発見された神奈川県(古東京湾)の陸上地層から産出する魚類耳石・二枚貝・有孔虫等の化石標本について,高度安定同位体分析等の複合解析を行います。こうして当時のイワシ類の成長・回遊履歴等と海洋環境条件を復元し,現代との違いを理解することで,温暖化がイワシ類の分布や個体数に与える影響を解明します。

高尾 信太郎

気候変動影響評価に資する光合成活性の高時空間観測システムの構築

https://researchmap.jp/s_takao

研究者
高尾 信太郎

国立環境研究所
地球システム領域
主任研究員

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研究概要

近年頻発する海洋熱波を始めとする極端海洋現象による低次生態系や大気ー海洋間二酸化炭素(CO2)交換量への影響が危惧されています。本研究では、極端海洋現象ーCO2濃度ー植物プランクトンの生理状態(光合成活性)の相互作用の解明と海洋炭素循環への影響を評価するための高時空間観測システムを構築し、北太平洋におけるCO2濃度と光合成活性の季節変動を同時に把握できる世界初のデータセットを創出します。

高野 祥太朗

多元素分析に基づく海洋における微量金属循環の定量化

https://researchmap.jp/7000011374

研究者
高野 祥太朗

京都大学
化学研究所
准教授

PDF

研究概要

海水中の微量金属は,植物プランクトンにとって必須栄養素もしくは毒物であるため,海洋の微量金属と炭素の循環は密接に関係し合っています.本研究では,大気エアロゾル,植物プランクトン,海水,海水中粒子,堆積物に含まれる微量金属の濃度と同位体分析によって海洋における溶存態および粒子態微量金属の供給-輸送-除去プロセスの定量的な理解を目指します.

長谷川 万純

細菌から紐解くマングローブの炭素貯留能

https://researchmap.jp/masumi_hasegawa

研究者
長谷川 万純

海洋研究開発機構
変動海洋エコシステム高等研究所
ポストドクトラル研究員

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研究概要

マングローブ林は、ブルーカーボン生態系の一つであり、その高い炭素貯留能から注目されている二酸化炭素吸収源です。本研究では、有機物の分解者である微生物のうち細菌に焦点を当て、マングローブ生態系中にどのような細菌が存在し、どのような生命活動を行うことで、高い炭素貯留能を支えているのかを明らかにします。本成果により、環境変動がマングローブ生態系に与え得る影響の評価と将来予測への貢献を目指します。

増田 貴子

シングルセル解析を用いた海洋の生物生産性の再評価

https://researchmap.jp/takakomasuda

研究者
増田 貴子

水産研究・教育機構
水産資源研究所
主任研究員

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研究概要

安定同位体をプランクトン群集に取り込ませて有機物中の13C、15Nを二次イオン質量分析装置(NanoSIMS)で観察して植物プランクトンによるCN取り込み活性を細胞毎に可視化、定量し、得られた結果をFRRf、安定同位体取り込み実験で得られたバルクの結果と比較します。ピコプランクトンを対象に有機態の13C利用を可視化します。上記の結果をモデルに応用して東北沖海域の一次生産を推定します。

研究課題(2期)

伊左治 雄太

ヘム鉄:人為起源鉄を追跡する次世代方法論

https://researchmap.jp/isajiy

研究者
伊左治 雄太

海洋研究開発機構
海洋機能利用部門
副主任研究員

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研究概要

人間活動により排出される人為起源鉄は、海洋一次生産を支える重要な鉄の供給源です。本研究では、一次生産を支える鉄の供給源を解析する新たな手法として、含鉄生体分子ヘムBの鉄安定同位体比分析法を開発します。この手法を海水や海底堆積物に応用し、現在および過去の一次生産者による人為起源鉄の利用を可視化することで、人為起源鉄が炭素循環に与える影響を明らかにします。

大野 良和

サンゴ骨格の結晶成長界面における観察手法の高度化

https://researchmap.jp/yohno

研究者
大野 良和

科学技術振興機構
さきがけ研究者

PDF

研究概要

造礁サンゴは長い年月をかけて地形を形成し、サンゴ礁域の豊かな生物多様性を支えています。しかしながら、サンゴを含む海洋生物の骨格形成過程や、その生育阻害との関係については、細胞生理学的な研究が進んでおらず、不明な点が多く残されています。本研究では、非破壊的な生体イメージング技術を応用し、サンゴ骨格表面の固相―液相界面の可視化技術の構築を目指します。

高橋 迪子

海洋未培養ウイルスのサルベージとそのライブラリ化

https://researchmap.jp/michiko.takahashi

研究者
高橋 迪子

産業技術総合研究所
生物プロセス研究部門
主任研究員

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研究概要

大規模ゲノム解析技術により海洋炭素循環システムにおけるウイルスの役割が解き明かされつつありますが、それらの多くは未培養であるため生物学的性状を正確に評価できていません。本研究では海洋の未培養ウイルスを粒子として再生する基盤技術を開発し、再生ウイルスをライブラリ化することによって、海洋炭素循環システムの理解の深化に貢献します。

仲村 康秀

海洋炭素循環における単細胞動物プランクトンの役割解明

https://researchmap.jp/jasnakamura

研究者
仲村 康秀

島根大学
エスチュアリー研究センター
助教

PDF

研究概要

プランクトンは大気中のCO2を深海へと運ぶため、海洋炭素循環において非常に重要な役割を担っていますが、特に微生物ループの詳細については未解明な部分が多いです。そのため、本研究では単細胞動物プランクトンに着目し、彼らを通じた微生物ループの新たな経路を明らかにする事を目指します。

二井手 哲平

海洋微生物への非光合成炭酸固定経路設計

https://researchmap.jp/7000020920

研究者
二井手 哲平

大阪大学
大学院情報科学研究科
助教

研究概要

本研究は、沿岸工業地域でのカーボンネガティブ技術の開発を目指し、海洋微生物へ人工の炭酸固定経路を実装することでCO2からの有用物質生産に挑戦します。そのために、データベース上の全酵素反応を統合した代謝モデルで代謝シミュレーションを実施することで、高いエネルギー効率を示す人工の炭酸固定経路を設計します。

平井 惇也

カイアシ類を用いたゲノム時代の気候変動リスク評価

https://researchmap.jp/jhirai

研究者
平井 惇也

東京大学
大気海洋研究所
講師

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研究概要

地球規模の気候変動に伴い海洋の昇温化や酸性化は急速に進行し、海洋生態系における’目に見えない種内の遺伝的多様性の消失’が予想されています。本研究は環境変化に迅速に応答し、魚類餌料としても重要な動物プランクトンであるカイアシ類に着目し、将来的な変化に脆弱な集団・海域をゲノムレベルで特定します。また、プランクトンの多様化プロセス等、ゲノム情報を活用した今後の生態学的研究の道筋を示すことも目的とします。

藤井 学

沿岸海域における溶存有機物の分子構造と環境機能

https://researchmap.jp/read0143439

研究者
藤井 学

東京科学大学
環境・社会理工学院
准教授

PDF

研究概要

超高分解能質量分析(FT-ICR-MS)やケモインフォマティクス技術、ネットワーク解析等を活用して、DOM分子構造の探索かつ網羅的スクリーニングが可能なネットワークトラバーサル法を開発します。タンデム質量分析やLC分析による構造候補の検証、さらには分子変換過程の解明、分子構造情報からの環境機能推定等を通して、炭素循環を含む様々な角度から沿岸海域DOMの環境機能や生物地球化学的プロセスを評価します。

堀 真子

珪藻シリカのホウ素同位体組成から導くpH指標

https://researchmap.jp/hori-zon

研究者
堀 真子

大阪教育大学
理数情報教育系
准教授

PDF

研究概要

大気中に増加した二酸化炭素の多くは海洋に吸収されます。生物源シリカは、過去の海洋環境を記録する地質試料として有望です。本研究では、様々な水環境に生息する現世の珪藻殻を分析し、珪藻殻に含まれるホウ素同位体比を用いてpHを求める換算式を構築します。また、堆積後の続成作用を調べ、指標の長期安定性を検証します。pH記録を長時間スケールに拡張することで、二酸化炭素吸収における海洋の機能解明に貢献します。

水野 勝紀

革新的な海底生態系3次元構造観測ツールの開発

https://researchmap.jp/kmizuno

研究者
水野 勝紀

東京大学
大学院 新領域創成科学研究科
准教授

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研究概要

海底近傍における物質循環やブルーカーボン生態系拡大施策の評価を進める上で、最も重要な情報基盤のひとつとなる生物の3次元的な生態情報を、従来よりも高精度・高効率に取得するため、本研究では、様々な時空間スケールの海底画像データに超解像技術を応用し、海底ハビタットマップ作成の高精度化、高効率化を実現します。また、堆積物中における物質循環の定量化に資する、生態系3次元構造観測技術を開発します。

渡辺 謙太

ブルーカーボン貯留と大気CO2除去の統合的理解

https://researchmap.jp/kentawatanabe

研究者
渡辺 謙太

海上・港湾・航空技術研究所
港湾空港技術研究所
主任研究官

PDF

研究概要

藻場などの海面下に分布するブルーカーボン生態系は海洋中に有機炭素を貯留する機能を有しますが、それはどの程度の時間・空間スケールで大気CO2の除去に寄与しているのでしょうか。本研究では、藻場による炭素貯留量の実測と、CO2除去効果の時間・空間的な広がりを浅海域から沖合域にかけて実測・推計することで、藻場による炭素貯留機能と大気CO2除去効果の統合的理解を目指します。

研究課題(3期)

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