さきがけ「1細胞解析」研究領域表彰

平成29年度「ライジング・スター賞」、「イノベーション賞」、「特別賞」

設立趣旨

さきがけ「1細胞解析」研究領域は、尖った志を持つヘテロジニアスな研究者が互いの創造性を磨きあい、また結集させる場として、10年、20年後のライフ分野の研究を担う若手人材の苗床となることを意図して、研究者の採択・領域運営をおこなって来ました。この期待に応え、本領域の研究・技術開発の発展に大きく貢献した研究者、また自由闊達に研究者同士が切磋琢磨する本研究領域の風土醸成に大きく貢献した研究者に対し、「ライジング・スター賞」、「イノベーション賞」、「特別賞」の3賞を設け、以下の研究者に授与しました。

「ライジングスター賞」:さきがけ「1細胞解析」研究領域において、傑出した研究成果を達成した若手研究者に贈ります。H29年度は、多機能蛍光プローブ群を開発し、これらを用いた組織内1細胞機能解析に成功した神谷真子研究者に”ライジングスター賞”を贈りました。

「イノベーション賞」:さきがけ「1細胞解析」研究領域において、革新的な技術開発を成し遂げた若手研究者に贈ります。H29年度は、革新的な高速高感度イメージングによる超高速蛍光画像サイトメトリーを開発した太田禎生研究者に”イノベーション賞”を贈りました。

「特別賞」:谷内江望研究者は、さきがけ「1細胞解析」研究領域の催しに率先して参加する共に高い視点から建設的な討論を行いました。これによって、異分野の研究者同士が自発的に自由闊達な議論を行い、創造的な研究の創成に互い切磋琢磨するさきがけらしい本領域の風土が醸成されました。これらの貢献に対し、本領域から”特別賞”を贈りました。

平成29年度受賞者

ライジングスター賞

神谷真子研究者

神谷真子研究者
(東京大学大学院理医学系研究科・講師)

【研究課題名】
多機能蛍光プローブ群による組織内1細胞機能解析

【研究課題概要】
本研究では、新規蛍光イメージングツールの開発により、生きた細胞のみが有する生体分子情報を組織中の1細胞レベルでリアルタイムに捉え、個々の細胞の性質や個性を「非破壊」に理解することを目指します。具体的には、有機化学や物理化学、光化学の観点から最適化された多機能小分子プローブ群を創出することで、酵素活性やpH勾配等の刻々と変化する動的情報を1細胞レベルで検出可能な革新的解析研究ツールを開発します。

【主なPublication】
1. Doura T, Kamiya M, Obata, Yamaguchi Y, et. al. Detection of LacZ-Positive Cells in Living Tissue with Single-Cell Resolution.
2. Umezawa K, Yoshida M, Kamiya M, et al. Rational design of reversible fluorescent probes for live-cell imaging and quantification of fast glutathione dynamics
3. Chiba M, Ichikawa Y, Kamiya M, et al. An Activatable Photosensitizer Targeted to γ-Glutamyltranspeptidase


イノベーション賞

太田禎生研究者

太田禎生研究者
(東京大学大学先端科学技術研究センター・准教授)

【研究課題名】
新規高速高感度イメージングによる超高速蛍光画像サイトメトリー

【研究課題概要】
本世界最高速で蛍光画像を撮影する超小型・安価・汎用的な新規イメージング技術を軸に、画像識別型1細胞ソーターを開発します。本イメージング技術をマイクロ流体・情報処理工学等と融合し、多情報(形態、分子、局在、代謝)に基づく1細胞識別・回収を数万細胞/秒のスループットで実現します。応用研究を通して本技術を実証し、FACSに代わる世界標準化を目指します。

【主なPublication】
1.Ota S., Horisaki R., Itahashi Y., Ugawa M., Sato I., Hashimoto K., Kamesawa R., Setoyama K., Yamaguchi S., Fujiu K., Waki K., Noji H. Ghost Cytometry Science 360, 1246-1251 (2018)
太田禎生 生体の科学 10月号 Vol.68, No.5, pp. 404-405(2017)


特別賞

谷内江望研究者

谷内江望研究者
(東京大学大学先端科学技術研究センター・准教授)

【研究課題名】
1細胞レベルで細胞系譜を一斉同定するDNABarclockテクノロジー

【研究課題概要】
本細胞の発生を1細胞レベルで動的かつ網羅的に追跡することは、細胞・個体・進化を理解するために非常に重要ですが、現在までにそのようなテクノロジーはありません。本研究では細胞の中で時間変化に従ってDNA配列を高頻度で変化させるDNAバーコード(Barclock)を開発し、細胞の系譜を次世代シーケンサーと計算機による再構成によって一斉に1細胞レベルで追跡するテクノロジーを開発します。

【主なPublication】
1. Jo M, Chung AY, Yachie N, et al. Yeast genetic interaction screen of human genes associated with amyotrophic lateral sclerosis: identification of MAP2K5 kinase as a potential drug target. Genome Research 27, 1487-1500 (2017)
2. Ghanegolmohammadia F, Yoshida M, Ohnuki S, et al. Systematic analysis of Ca2+ homoeostasis in Saccharomyces cerevisiae based on chemical-genetic interaction profiles. Molecular Biology of the Cell 28, 3415-3427 (2017)
3. Yachie N, Takahashi K, Katayama T, et al. Robotic crowd biology with Maholo LabDroids. Nature Biotechnology 35, 310 (2017)
4. Nishida K, Arazoe T, Yachie N, et. al. Targeted nucleotide editing using hybrid prokaryotic and vertebrate adaptive immune systems. Science 353, aaf8729 (2016)
5. Yachie N, Petsalaki E, Mellor JC, et. al. Pooled-matrix protein interaction screens using Barcode Fusion Genetics. Molecular Systems Biology 12, 863 (2016)

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