[社会変革基盤] 2024年度採択課題

狩野 芳伸

社会精神状態と世論形成過程のシミュレーション

グラント番号:JPMJPR2461
研究者
狩野 芳伸

静岡大学
学術院情報学領域
准教授

研究概要

政策は人々の意見や気持ちとの相互作用で形成されていきますが、相互作用を媒介するのはSNS、議会における議論、メディアが主であると考えられます。本研究では人々の意見の集合を世論、気持ちの集合を社会集団的な精神状態と呼ぶことにし、人物属性と精神状態の推測システム、個々人の情報拡散や意見・気持ちの変化を予測するシステムを構築し、政策決定支援に資する世論・社会精神状態の形成過程シミュレーションを行います。

佐々木 周作

「自分で決める」と「他者に任せる」を融合する政策ターゲティング

グラント番号:JPMJPR2462
研究者
佐々木 周作

大阪大学
感染症総合教育研究拠点
特任准教授(常勤)

研究概要

本研究では、行動科学と情報科学の知見を融合させて、「自分で決める」「機械学習に基づく個別ターゲティングに任せる」の方針選択が個人・社会の厚生に与える影響をフィールド実験で評価する。また、人々の方針選択のメカニズムを実験の結果を踏まえて整理して、意思決定モデルを構築する。さらに、個人・社会の厚生が悪化する場合に備えて、自発的な選択変更を促す政策コミュニケーション(ナッジ・メッセージ)を開発する。

澁谷 遊野

格差社会解消のための共創的シナリオ創出シミュレーションの構築

グラント番号:JPMJPR2463
研究者
澁谷 遊野

東京大学
大学院情報学環
准教授

研究概要

普段とは異なる場所や人との交流は、さまざまな背景や事情を抱える人々の孤立を防ぎ、「違い」を超えた思いやりの醸成や、多様化で生じうる歪みや争いの軽減が期待されます。本研究では、より多くの人が豊かな暮らしを享受し安心して暮らすことができる都市空間を実現するため、人々の行動や経験の格差とその要因を明らかにし、シナリオに応じた都市空間の多様性・包摂性の多角的評価を行うシミュレーションの開発を行います。

下坂 正倫

大規模位置・検索履歴による意味論的人流解析

グラント番号:JPMJPR2464
研究者
下坂 正倫

東京科学大学
情報理工学院
准教授

研究概要

人の移動履歴と共に,検索行動・購入行動等の個人の嗜好・関心に関連づけられた大規模データを統合してモデリングする,より深いレベルの人流解析技術:「意味論的人流解析」の基盤技術を開発します.本課題では,検索履歴と位置履歴を用いた地域来訪者の関心の特徴を捉える手法や,検索および位置履歴を用いた来訪者の行動モデリング手法を開発し,他分野研究者と協業しながら,本技術の利活用の検証にも取り組んでいきます.

諏訪 博彦

Society5.0実現にむけた受容される見守り社会の技術開発と制度設計

グラント番号:JPMJPR2465
研究者
諏訪 博彦

奈良先端科学技術大学院大学
先端科学技術研究科
准教授

研究概要

本研究では,「受容される見守り社会とはどのような社会か?」を大きな問いとし,IoTデバイス間連携に基づく安心安全な個人情報流通社会の在り方を検討し,それに必要な個人情報流通基盤や要素技術を設計,開発することを目的とします.具体的には,個人情報流通受容判別モデルの構築(目的1),個人情報流通基盤の構築(目的2),個人情報流通基盤の社会実装実験(目的3)を行います.

高橋 遼

競争と協調による森林管理の保全能力の拡大

グラント番号:JPMJPR2466
研究者
高橋 遼

早稲田大学
政治経済学術院
准教授

研究概要

本研究では、世界的な森林減少の問題に対応するため、競争と協調を取り入れた新たな森林管理制度を提唱し、この制度の効果を検証するため、仮想環境と現実環境の双方で社会実験を実施する。仮想環境では、独自アプリを使用して森林管理を再現し、政策が資源保全に与える影響を検証する。現実環境では、バングラデシュを対象に実際に制度導入を行い、ドローンを用いた計測を通じて森林炭素保全への影響を定量的に評価する。

野崎 優樹

対話型AIとの交流を通じて自律的な情動調整を高める心的基盤のモデル構築

グラント番号:JPMJPR2467
研究者
野崎 優樹

甲南大学
文学部
准教授

研究概要

大規模言語モデルの発展に伴い、励ましや悩み相談に活用可能な対話型AIの開発が進められています。一方、AIへの過度な依存により、人の自律性が損なわれる可能性を懸念する声もあります。本研究では、科学的知見に裏付けられつつも人の尊厳を尊重した心理学の理論的枠組みに基づき、対話型AIとの交流を通じて自律的な情動調整を高める心的基盤のモデルを構築します。そして、人とAIが共存共栄する社会の実現に貢献します。

原 朋弘

民族・宗教間対立や過激思想の多面的測定と政策介入実験

グラント番号:JPMJPR2468
研究者
原 朋弘

武蔵大学
経済学部
専任講師

研究概要

テロや紛争のない世界の実現には、個人の思想や選好への理解と実情に即した政策が重要です。本研究は、政策決定の鍵となる対立関係や過激思想の度合いを多面的・定量的に評価する基盤を構築します。それを応用し、(1)過激化リスクの高い人々を対象に、市場を通じた民族・宗教間の対立緩和と過激化防止を目指す政策や、(2)元過激化組織戦闘員の脱過激化や社会復帰を目指す情報介入政策の効果を、フィールド実験で検証します。

久野 遼平

高度法構造分析に向けたオントロジ設計とグラフ解析

グラント番号:JPMJPR2469
研究者
久野 遼平

東京大学
大学院情報理工学系研究科
講師

研究概要

米国過去250年の判決文(700万件)、企業との共同研究により提供された日本の判決文データ(12万件)、日本の最高裁判所からダウンロードできる判決文全て(1.6万件)、ドイツ最高裁判決文(1万件)、景気ウォッチャー調査、e-govで収集できるパブリック・コメントを活用し、ナラティブの構造化技術と共にハイパーグラフ変化点検知や異時刻相関構造を含む動的集団有向ネットワーク分析技術を開発する。

三浦 瑞貴

平時からはじめるパーソナライズ化された防災行動変容システムの開発 ―Sealfee リスク認知パラドックス解消を目指して―

グラント番号:JPMJPR246A
研究者
三浦 瑞貴

(株)KDDI総合研究所
シンクタンク部門
コアリサーチャー

研究概要

自然災害が激甚化・頻発化する中、災害に対する平時からの備えは重要であり、その準備行動は多岐に渡る。しかしながら、重要であると認識しながら行動に至らない「リスク認知パラドックス」が問題となっている。本研究では、①個人のリスク評価、②個人に合わせた行動促進プランの自動生成、③ユーザの反応に応じた自動調整が特徴とした防災行動変容システムの開発と実証実験を通じ、リスク認知パラドックスの解消・緩和を目指す。

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