[社会変革基盤] 2023年度採択課題

天野 辰哉

大規模言語モデル駆動の都市交通シミュレーション基盤

研究者
天野 辰哉

大阪大学
大学院情報科学研究科
助教

研究概要

都市交通のマルチエージェント・シミュレーションにおいて、言語モデルを活用し各エージェントの内面と振る舞いを自然言語のダイアログとして表現する。実世界センシングにより得られる人々の移動や行動とその意図に関わるデータを言語表現に変換し、大規模言語モデルへの追加学習を行うことで、交通分野における多様なデータソースに基づく人の移動とその意志決定のフローを、エージェントモデルとしての再現することを目指す。

薄井 宏行

マルチスケール住環境と建物改善行動変容の相互影響GeoAIモデル

研究者
薄井 宏行

千葉工業大学
創造工学部
教授

研究概要

住み続けられるまちづくりは主要なSDGsの一つです.住み続けられるまちづくり施策は,(1)個人による建物等の改善(行動変容)をどのように促し,(2)マルチスケールな住環境をどのように変容させていくのか,両者の変容の相互影響に着目して解明するため,複雑な都市空間におけるマルチスケールな住環境の計測と定量化手法を確立し,マルチスケールな住環境に対する個人や地域社会の行動変容メカニズムのモデル化手法を確立します.

江原 遥

大規模言語モデル上での学習者の思考過程シミュレーションによる教育変革基盤技術

研究者
江原 遥

東京学芸大学
教育学部
准教授

研究概要

学習者に適した助言には、知識量や推論力に加え個々の学習者の思考過程シミュレーションによる学習者の理解可能範囲の考慮が必要です。本研究では、個別適応可能で適切な助言を行える、組織内設置可能な大規模言語モデル技術を研究開発します。AIの内部状態を教育学の概念と対応付ける計算教育学を切り拓き、学校教員にAIの個々の学習者への評価を理解可能にし、教育負担削減やAIと教員の協働に役立つ基盤技術を創出します。

久保田 荘

フィールド実験で解き明かす夜の睡眠と昼間の社会

研究者
久保田 荘

東北大学
大学院経済学研究科
准教授

研究概要

ストレス過多の現代社会では、睡眠改善施策が注目されています。本研究では、夜の睡眠改善が、個人レベルで日中の行動変容に繋がり、最終的に社会全体の変動を引き起こす経路の解明を目指します。フィールド実験を行うと共に、デジタルデバイスやスマートフォンアプリを活用して多面的な生体・行動変化の記録を行い、それを医療・社会・経済の統合シミュレーションに繋げることで、マクロの社会転換を捉えます。

黒木 淳

社会シミュレーションの政策活用に向けた社会プロセス変革手法の開発:質問紙実験に基づくアプローチ

研究者
黒木 淳

横浜市立大学
国際商学部大学院データサイエンス研究科
教授

研究概要

本研究では、ナッジ等行動変容を促進する方法論のシミュレーション導入に向けたモデル化手法の探索を目的として、社会シミュレーションの予測情報の有無、ノイズの大きさ、メッセージ・フレーミングの3つ着目し、1+2×2のトリートメントで5つに区分したデザインを基に質問紙を構築し、ヒアリング調査、オンライン質問紙実験の後、フィールドに基づく質問紙実験を実施し、社会プロセス変革の推進・普及に貢献する。

小町 守

意思決定のための自然言語処理による未来予測

研究者
小町 守

一橋大学
ソーシャル・データサイエンス研究科
教授

研究概要

本研究では、時間による変化を考慮した言語モデルを提案し、未来の予測に取り組みます。社会科学の知見に基づいて価値判断のラベルを付与したオープンなデータセットを構築し、誰もが言語モデルを検証・改善できるようにします。また、予測の根拠および確からしさを示すことで、言語モデルの受容性を高めることを目指します。構築された言語モデルによって、エビデンスに基づく政策立案や意思決定を対話的に行えるようになります。

高野 雅典

人々の抱える問題を改善するメタバース体験のデザイン

研究者
高野 雅典

(株)サイバーエージェント
学際的情報科学センター
リサーチャー

研究概要

メタバース上でのアンケート調査・介入実験を行い、個人の抱える問題における介入効果や社会ネットワークの変化を明らかにします。具体的にはメタバースの利用体験への介入によって利用者のメタバースや現実の社会の社会的行動変容を促し、両社会における利用者の社会ネットワークの深化・拡大を目指します。その知見を元に介入効果がメタバースと現実の2層社会ネットワークモデルを構築し介入の長期的・大域的な効果を評価します。

野田 俊也

複雑な環境における最適な制度設計

研究者
野田 俊也

東京大学
大学院経済学研究科
講師

研究概要

マーケットデザインは科学的・工学的な制度設計を目指す革新的かつ学際的な学術領域だが、これまで解析的アプローチを中心に用いていたため、複雑な環境に対して最適な制度設計を行うことができていなかった。本研究では、深層強化学習の技術を用いて、エージェントの価値関数を近似する手法により、従来分析不能だった重要問題に対して最適な制度を構築する。応用の対象には、腎交換・ワクチン配布などを想定している。

早矢仕 晃章

相互不信から始まるデータ流通社会の信頼醸成

研究者
早矢仕 晃章

東京大学
大学院工学系研究科
講師

研究概要

分野を超えたデータ利活用が新たなイノベーションの源泉として注目されていますが、相互不信の状況から信頼関係が醸成され、データ取引に至る過程の解明は来たるデータ流通社会における重要な課題です。本研究では信頼性が不確実な状況における複雑なデータ流通・取引の創発的作用の解明によってデータ流通・取引メカニズムの構築とデータ流通シミュレーションの実装を実現し、新たなデータ社会基盤の創出に貢献します。

峰松 翼

学習者コピーモデルとの個別最適で協働的な学習基盤

研究者
峰松 翼

九州大学
データ駆動イノベーション推進本部
准教授

研究概要

学習評価シミュレーション手法・学習評価に応じた学習コンテンツ生成手法・模倣モデルを学習者自身が指導するピア評価学習環境を開発し,「個別最適な学び」を実現します.中核技術として,大規模言語モデルを用いた学習者の文章生成過程を模倣する学習者モデルを開発することで,従来困難であった詳細な学習状況把握の自動化に取り組み,学習評価・学習コンテンツ生成・ピア評価学習環境を一体とした学習基盤を構築します.

山田 寛章

立場と規範を反映した言語モデルによる法議論シミュレーション

研究者
山田 寛章

東京工業大学
情報理工学院
助教

研究概要

従来の法的判断予測の枠組みでは与えられた事実関係と原告・被告の主張を所与として予測を行っており、原告・被告それぞれの法的議論の中での役割が軽視されている点が課題でした。本研究では、法的判断を行う者・訴えを提起する者・訴えを受ける者の異なる3つの立場と日本法に基づく規範を反映したエージェントの構築手法を確立し、マルチエージェントな法議論シミュレーションの構築を目指します。

山田 広明

リアリティを生み出すSociety-in-the-Loop社会シミュレーションの創出

研究者
山田 広明

富士通(株)
富士通研究所
研究員

研究概要

社会シミュレーションは、過去データや過去事例の蓄積が十分にない状況であっても、仮想環境上での実験を通して判断の根拠を生み出せるツールです。しかし、予測可能性の低さと検証可能性の欠如により、社会実装は十分に進んでいません。本研究は、社会実験を活用したデータ同化と意思決定者による検証を組み込んだSociety-in-the-Loop社会シミュレーション設計手法を創出することでこの問題の解決を目指します。

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