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- 複雑な流動・輸送現象の解明・予測・制御に向けた新しい流体科学/
- [複雑流動] 2022年度採択課題
京都大学
大学院理学研究科
助教
本研究の目的は、核の個性や自由度が主導的役割を果たす複雑なマクロ流動の原理を解明し予測するため量子回転流体方程式を確立し、ナノ空間を活用したパラ水素-オルソ水素流体の流動分離制御方法を提案することで、水素エネルギー社会の実現に資することです。本研究を通して、これまでマクロ流動予測や制御が困難であった量子回転流体における特殊性と普遍性を統合的に理解し、核が主役となる流体科学体系の基盤を構築します。
京都大学
大学院工学研究科
助教
複雑な流動現象の本質的理解と予測・制御を支える基盤技術の構築に向けて、流体応力場を非接触・高時空間分解能で定量する新たなイメージング技術を提案します。力に応答する蛍光高分子を流体応力プローブとして応用し、流体内や壁面の応力場を可視化します。流体力学、光工学、高分子化学、レオロジーの知見を統合し、信号解析にデータ科学の手法を取り入れながら可視化手法を確立して、将来的に多様な分野への展開を目指します。
金沢大学
設計製造技術研究所
助教(テニュアトラック)
構成要素がミクロ・メソ・マクロの時空間的な階層性を持つ非ニュートン(複雑)流体は、非一様/非平衡流動が容易に顕在化します。本研究ではまず、ミクロ・メソスケールを接続したモデル「擬似実験系」を構築します。次に、(擬似)実験結果を学習用データとし、データ科学的手法により、流体科学の根幹である構成則モデルを導くことを目指します。このプロセスを通して、非一様/非平衡流動予測に有効な方法の構築に挑戦します。
大阪大学
大学院工学研究科
講師
スラリー乾燥による構造形成は燃料電池や二次電池の多孔質電極をはじめとした種々のものづくりに利用される基幹技術ですが、従来の作製技術開発は経験に依存しており、科学的な理解が求められています。本研究では、スラリー乾燥過程の流動と誘電緩和挙動の同時計測手法を確立し、分子スケールから材料と流動の関係を明らかにします。そして、燃料電池電極を事例とした材料と流動の協創による構造形成メカニズムの解明を行います。
東京農工大学
西東京三大学サステイナビリティ国際社会実装研究センター
特任助教
二流体界面での流動現象を基軸に、化学熱力学を加味した新規な流体科学の創出・流動現象のダイナミクスの全容解明を目指します。流動実験・シミュレーション・理論解析の全方向から現象の理解を可能とし、他分野との新たな融合基盤を構築します。具体的にはバイオテクノロジーやCO2地中貯留と石油増進回収の同時達成への応用を指向します。特にCO2地中貯留と石油増進回収での最適条件を算出するソフトウェアを開発します。
産業技術総合研究所
機能材料コンピュテーショナルデザイン研究センター
主任研究員
相転移を伴う流体現象は自然界における普遍的な現象であるにもかかわらず、理解が十分に進んでいません。本研究では、ナノレベルの熱物質移動論を流体のスケールまで前進させることで、相転移を伴う流体現象の解明を目指します。そのために、物質分子の自己集合構造を精密に記述する局所秩序変数を機械学習により特定します。これを統計力学に用いて相転移における自己集合過程を詳細に記述し、さらに最新の流体理論と接続します。
京都大学
大学院情報学研究科
准教授
分子スケールの影響が顕在化する分子流体では熱は流れの駆動源になりますが、これらの流れは従来の流体力学の枠組みだけでは説明できません。本研究では、熱誘起型分子流体現象に対して、熱的実験条件の制御性が高いOptothermal fluidicsの実験技術と分子流体力学理論の双方向から理解することを目指します。これらの流れは、熱エネルギーと運動量の変換手法や微小物質輸送/分離への応用が期待されます。
東北大学
流体科学研究所
准教授
生体内において細胞は間質と呼ばれる生体組織に包まれており、間質内の流動・輸送現象に対する細胞動態が疾患の治療・予防の鍵になります。本研究では、間質内の流動・輸送現象をマイクロ流体デバイスと計測融合シミュレーションにより再現し、細胞動態の変化のメカニズムを解明します。そして、環境因子を制御することで細胞動態の操作技術を探索し、疾患特有の間質環境を標的とする新しい医療技術の基盤を創成します。
九州工業大学
大学院工学研究院
教授
沸騰を世界最先端の計測・解析技術により精密に分解して熱伝達メカニズムを再構築する新しい熱流体科学を実践し、新規熱輸送技術、数値計算熱伝達予測技術、データ駆動型解析による沸騰予知技術の創出に資する知見の獲得を目指します。高効率・長距離熱輸送を実現する沸騰現象の工業利用の広まりは、熱輸送に必要な電力、材料量の大幅な低減、排熱再利用の高効率化につながり、脱炭素社会の実現に寄与します。
大阪公立大学
大学院工学研究科
准教授
超音波照射時に発生する超音波化学流体(ソノケモフルイド)現象を数値モデル化します。具体的には化学反応を伴う気液混相流現象を数値モデル化し、大規模数値計算を用いて反応効率を求めます。その後構築した数理モデルを利用して、超音波照射条件を変化させ、データ科学的手法を用いて化学反応効率の良い条件を探索します。最終的に、その条件で実験を行い、化学反応効率を評価します。