- JST トップ
- /
- 戦略的創造研究推進事業
- /
さきがけ
- /
- 研究領域の紹介/
- 細胞の動的高次構造体/
- [高次構造体] 2022年度採択課題
東北大学
大学院工学研究科
准教授
高感度微小温度センサアレイから得る細胞内の動的な温度・時間情報を基に,高次構造体の熱特性,細胞内熱プロセスへの寄与・役割および相互作用を解明します.高い温度・時間分解能,そしてマクロかつミクロの計測範囲を達成する新しい細胞内分析技術を確立します.本研究を通して,生命科学における新しい熱プロセスおよび熱制御概念を活かした,現在の技術を凌駕する熱工学における新技術の創出に寄与します.
大阪大学
蛋白質研究所
助教
生命現象の素過程は、細胞内生体分子や複合体の複雑かつ動的な相互作用によって営まれますが、それらの解析は容易ではありません。本研究提案ではクライオ電子顕微鏡での構造解析に計算科学アプローチを組み合わせることで構造分類・動態解析の新たな手法を開発します。さらに、開発手法を実際の蛋白質クライオ電子顕微鏡観察像へと適用し、ターゲット蛋白質の機能発現に伴う生体内でのマルチスケールな動態の解明を目指します。
東京科学大学
総合研究院
テニュアトラック准教授
新規CRISPR-Cas酵素、Cas7-11はRNA依存性のRNA分解酵素であり、タンパク質分解酵素です。本研究提案では、Cas7-11を用いて動植物細胞の操作技術の開発を目指します。
東京大学
大学院理学系研究科
助教
内耳の有毛細胞は音によって引き起こされる機械刺激を電気信号へと変換します。本研究では,効率的な細胞観察を行うために,蛍光観察と電子顕微鏡観察における画像を相関させるクライオCLEMを取り入れた汎用性の高い観察ストラテジーを確立します。この戦略を用いて,有毛細胞の動的なシグナル変換機能を担う高次構造体をクライオ電子線トモグラフィーにより可視化し,機能発現メカニズムの解明を目指します。
東京科学大学
総合研究院
特任助教
タンパク質の集合・離散が関与する生命現象の役割や機構を理解するためには、細胞が自然に形成する集合体を観察する手法だけでなく、集合体を人為的に制御する技術が有用となります。本研究では、pH変化を外部刺激としてタンパク質の集合・離散を制御可能な短いペプチドタグを開発します。さらに、開発したペプチドタグを活用し、神経変性疾患に関与するタンパク質のアミロイド形成機構の理解を目指します。
金沢大学
理工研究域
テニュアトラック助教
植物の根の表面から突出する「根毛」は、水分・養分の吸収に重要な働きを持つ細胞です。根毛の分化過程で発現する遺伝子が多数同定されていますが、それらを適切なタイミングで発現させる仕組みは不明です。本研究では、植物細胞の大半を占める「液胞」と、遺伝子発現の司令塔である「核」が互いの動態を制御し合う『動的相互作用』の存在を証明し、更には、その遺伝子発現と根毛分化誘導における役割を実証します。
カリフォルニア工科大学
バイオロジー、バイオエンジニアリング研究科
Research Scientist
本研究では、合理的に選択された数百種類の摂動条件と、空間ゲノミクス法による高い空間解像度での一細胞マルチオミクス計測を組み合わせることで、核内構造体と細胞状態遷移の直接的な関係性の解明と、核内構造体への摂動を介した細胞状態遷移の制御を目指す。これを実現するため、胚性ゲノムの活性化のマウス及びヒト培養細胞モデルを用いて、研究を行う。
筑波大学
国際統合睡眠医科学研究機構
助教
Nemuriという分子の挙動の理解を通じ、「液-液相分離」という細胞内で起こるミクロの現象によって、「生体防御」や「睡眠」というマクロの高次生命現象をどのように制御しているかを明らかにすることを達成目標とする。
中央研究院
生物化学研究所
助研究員
生きている試料の組織深部の細胞内高次構造体を高時空間分解能で蛍光観察するため、生体透明化技術を開発する。開発にあたり、申請者が開発した超高感度乳酸バイオセンサーR-iLACCO1.1及びタンパク質工学手法を利用する。
ノッティンガム大学
薬学部
助教
長鎖RNAは、細胞内の遺伝情報伝達や機能制御を担っており、コロナウイルスやそのワクチンの構成物質としても重要です。ところが、特性や機能を理解する上で鍵となる分子レベルでの構造は、実験による直接観察が難しくほとんど分かっていません。本研究では、数千塩基にわたる長いRNAの構造アンサンブルを明らかにする分子シミュレーション技術を開発し、機能メカニズムの解明やRNA医薬への応用を目指します。
カリフォルニア大学サンディエゴ校
生物科学部
博士研究員
本研究は、DNAナノ分子配置技術を、従来の免疫シナプス再構成系、無細胞再構成と組合せ、空間分解能を向上した新規再構成系を樹立する。確立した新規再構成系を用いて、PD-1高次構造体形成に必要な因子を同定し、申請者が見出した新規分子モデルを検証する。さらに、PD-1の未知の分子機能を新規分子モデルの文脈で検証する。
大阪大学
大学院工学研究科
准教授
本研究では、独自に開発した持続可能なタンパク質標識法を応用し、細胞内オルガネラを時間無制限に観察し、その動態解析を行う。蛍光プローブが入れ替わり続けるタンパク質標識法の開発と応用を進め、オルガネラの長時間・超解像イメージング、マルチカラーイメージング、コンタクトサイトのイメージングを行うことで、オルガネラの微細構造とオルガネラ間相互作用を解析し理解する。
東京科学大学
総合研究院
助教
小胞体は、タンパク質の品質と量を適切に保つため、それらを分解する独自の仕組みを備えています。しかしながら、タンパク質分解に関わる各過程が小胞体上のどこで、どのようなキネティクスで行われるのかという時空間情報については意外にも殆ど明らかにされていません。本研究では、分解過程を観測する蛍光イメージング技術の開発などを通じて、小胞体におけるタンパク質分解を新たな次元・観点から理解することを目指します。
慶應義塾大学
理工学部
准教授
細胞内では、特定のタンパク質やRNAが液-液相分離現象によって集まることで、非膜性構造体が形成されます。本研究では、ミクロ階層(原子・分子挙動)・メゾ階層(相分離)を繋ぐマルチスケールシミュレーション手法の開発を行い、非膜性構造体内部の動的不均一性が分子の拡散・局在・相互作用に与える影響の解明を目指します。