[情報担体] 2021年度採択課題

有川 敬

電子・光技術の融合による半導体テラヘルツコム発振器の創成

研究者
有川 敬

兵庫県立大学
大学院工学研究科
准教授

研究概要

本研究では、エレクトロニクス技術とフォトニクス技術の融合により、集積可能な半導体ベースの広帯域テラヘルツコム発振器の開発に挑みます。具体的には、共鳴トンネルダイオードを用いた発振回路にレーザー技術の概念を導入し、従来技術の限界を突破します。これにより、テラヘルツ波を情報担体としたセンシング技術の普及を加速し、安心・安全な社会の実現に貢献します。

金井 駿

不確定性スピントロニクスデバイス

研究者
金井 駿

東北大学
電気通信研究所
准教授

研究概要

本研究ではスピントロニクス確率ビットデバイスの動作原理に関わる材料・構造特性の解明と高性能化、及びスピントロニクスデバイス・材料における量子機能の創出により既存の決定論的コンピューティングの物理限界を超えることを目指します。磁性体スピントロニクス研究と量子スピン研究の材料・物理スケール・ハードウェアのギャップを埋めることで世界に先駆けた「超スマート社会」の実現に必要不可欠な基盤技術を開発します。

川上 哲志

単一磁束量子を用いた雑音駆動型超低電力計算機基盤の創成

研究者
川上 哲志

九州大学
大学院システム情報科学研究院
准教授

研究概要

本研究では,既存計算機の低電力化の律速要因であった雑音限界を突破すべく,単一磁束量子デバイスに基いた雑音を回路動作のメカニズムとして活用する計算原理・回路を提案します.この雑音駆動型素子を前提として,可逆論理ゲートに基づく演算回路を構築し,クロック駆動型回路と融合した計算機システムアーキテクチャを開発することで,高度情報化社会のための超低電力コンピューティング基盤を創出します.

小菅 敦丈

デバイス・システム協調による超低電圧布線論理型AIプロセッサ

研究者
小菅 敦丈

東京大学
大学院工学系研究科
講師

研究概要

Society5.0実現のためには実空間で超低電力に動作する情報処理システムが必要不可欠です。従来AIプロセッサの課題は、高い電力を消費するメモリアクセスでした。本研究ではメモリアクセスを無くし、人間の脳と同じように、データが演算素子間をダイレクトに流れ情報処理される布線論理型プロセッサを研究します。新規アルゴリズムとデバイス回路の協調設計により、革新的なAIプロセッサを実現します。

小山 知弘

局所磁性変調による磁壁移動メモリの革新的情報制御技術の開拓

研究者
小山 知弘

大阪大学
産業科学研究所
准教授

研究概要

本研究では磁性細線中の磁気特性を局所的に変調させる技術を用いて、磁壁移動型メモリデバイスの情報担体である磁区およびその境界に形成される磁壁のダイナミクスを高度に制御します。具体的には、1. 高密度かつ超省エネルギーな磁区書き込み、2. 電界誘起カイラル磁気構造を利用した磁壁インバータ伝送の実証を目指します。情報の高密度化と消費電力の低減を可能にする原理的に新しい情報書き込み・操作手法の創出に貢献します。

柴山 茂久

非平衡系Ⅳ族混晶半導体ヘテロ接合によるテラヘルツ帯デバイスの創出

研究者
柴山 茂久

名古屋大学
大学院工学研究科
助教

研究概要

本研究では、これまでに正孔の共鳴現象を観測した実績のあるGeSiSn/GeSnヘテロ接合のデバイス化を始点として、(1)安定動作が可能なデバイス構造設計指針の、実験と理論の両面からの解明(2)RTDデバイス動作の信頼性向上に向けたGe(Si)Sn結晶欠陥・絶縁膜/Ge(Si)Sn界面欠陥制御の要素技術開発を行い、GeSiSn/GeSnヘテロ接合RTDデバイスの室温動作実証を行う。

鈴木 誠也

界面析出技術を用いたゲルマネンデバイス創製と機能開拓

研究者
鈴木 誠也

日本原子力研究開発機構
先端基礎研究センター
任期研究員

研究概要

単原子層のゲルマニウム2次元結晶であるゲルマネンは、新奇なトポロジカル物性の発現が期待されていますが、そのデバイス応用の目処は立っていません。これは、ゲルマネンが大気中で容易に酸化してしまうことに加え、それを考慮した合成方法やデバイス化手法が確立されていないためです。本研究では、ゲルマネンの界面析出技術を発展させることで、ゲルマネンのデバイス化、物性検証、デバイスとしての機能開拓を行います。

田畑 美幸

イオノエレクトロニクスに基づく疾病診断プラットフォームの開発

研究者
田畑 美幸

東京農工大学
大学院工学研究院
講師

研究概要

開口部200-300nmのウェル構造を有するSiNW-FETを作製しセンサ界面を機能化することでシングル生体小胞解析を行い、上皮細胞由来とがん細胞由来の生体小胞識別精度90%以上を目指します。その電気的検出の過程には分子認識、イオン生成、チャネル内電荷密度の変化といった一連の情報担体の移動があり、情報担体の変化量を定量表示する今までにない疾病診断プラットフォームを創製します。

森下 弘樹

古典ー量子をつなぐNV量子スピントロニクスの基盤技術の開発

研究者
森下 弘樹

東北大学
先端スピントロニクス研究開発センター
准教授

研究概要

量子技術を活用した超スマート社会(Society 5.0など)の実現には、フィジカル空間の古典情報とサイバー空間の量子情報を繋ぎ、古典―量子情報の相互変換する機能を有する量子情報担体が必要となります。本研究では、室温動作可能なNV量子情報担体に着目し、電気的な技術を用いたNV量子情報担体の古典-量子情報の相互変換を実証し、革新的NV量子スピントロニクスの基盤技術を開発します。

米田 淳

ネットワーク型シリコン量子プロセッサの開拓

研究者
米田 淳

東京工業大学
超スマート社会卓越教育院
特任准教授

研究概要

誤り訂正型量子コンピュータは、限界を迎えつつある情報処理能力の向上に、革新をもたらすと期待されます。本研究では、その実現に向けた二大障壁となる、配線と誤り訂正符号の課題を同時に解決するシリコン量子プロセッサ構造を追求します。電子スピンの量子状態を情報担体とし、電子スピン量子情報伝送に基づいたシリコンチップ内の量子ネットワークを新たな動作原理とする、真に集積化可能な量子プロセッサの創製を目指します。

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