- JST トップ
- /
- 戦略的創造研究推進事業
- /
- さきがけ
- /
- 研究領域の紹介/
- 原子・分子の自在配列と特性・機能/
- [自在配列] 2021年度採択課題
名古屋大学
大学院工学研究科
教授
本提案の自在配列の対象は、「二次構造を構成するモノマー単位及び二次構造そのもの」です。ラダー化を主軸とした二次構造の自在構築/自在配列という新概念を着想し、多彩な二次構造を構築する技術と様々な次元で階層的に配列する手法を確立します。さらに、二次構造とラダー/超分子構造の個性/強みを掛け合わせることで、新物性・卓越機能を創出し、分離、認識、触媒、情報、運動に関連する革新的材料の創製を目指します。
大阪大学
大学院工学研究科
講師
機能団の自在配列を可能にする新しい鋳型ポリマーとして、ポリマー鎖に複数の異なる面を持たせた、「多面性ポリマー」を開発します。この多面性ポリマーは面同士の自己集合により、超微細かつ複雑な高次超構造を形成することが期待されます。本研究では、多面性ポリマーを基盤とした新しい学理構築および機能団の自在配列の実現、さらには、これまでの限界を超える微細なリソグラフィーなどの機能発現に挑戦します。
横浜国立大学
大学院工学研究院
准教授
本研究では、右手と左手のように重なり合わない「キラル分子」が有する相補性を活用し、二種類のキラル有機分子からなる「擬ラセミ分子」を同一結晶内に配列する技術を確立します。異なる発光部位をもつ擬ラセミ分子を配列する手法を確立することで、機械的刺激に段階的に応答して発光特性が変化する結晶材料を創成します。さらに、本手法により異種の機能性分子を精密に配列し、新奇機能をもつ光電子材料や細孔材料を創出します。
名古屋市立大学
大学院薬学研究科
教授
タンパク質は、種々の官能基を適切に配置することで、洗練された機能を生み出します。しかし、その部分構造を抜き出したペプチドは、様々な立体構造をとるため、タンパク質に匹敵する機能は得られません。本研究では、可逆的共有結合を用いて、熱力学的に制御された、多様な立体構造をもつペプチド群を調製し、優れた機能をもつペプチドを効率的に見出します。タンパク質間相互作用阻害あるいは触媒機能をもつ分子を開発します。
京都大学
大学院工学研究科
助教
本研究では、Biなどのカチオンが有するローンペアの形状・方向・配列を自在に制御することで、低次元性・低対称性の構造を合理的に設計することを目指します。特に、ローンペアを有するカチオンとアニオンの相互作用に着目し、複数のアニオンを巧みに使いこなすことによって、従来では困難であったローンペア配列の自在制御を目指します。
東京都立大学
大学院理学研究科
准教授
現在、ストレージクラスメモリとして注目される相変化メモリでは、カルゴゲナイド物質の結晶相・アモルファス相の熱的な可逆制御を原理としています。そこで本研究では、層状酸化物における局所原子配列を制御し、秩序相・無秩序相・直方晶相の熱的な可逆制御を実現します。さらに、多値記憶可能な酸化物相変化メモリとして室温・大気下で動作させることで、相変化メモリ材料におけるパラダイムシフトの実現をめざします。
東京大学
大学院工学系研究科
助教
グラフェンをはじめとする単原子層物質は、エッジ部分における原子配列や幾何学構造によって、その特性が大きく変化します。本研究では、金属・有機構造体(MOF)が持つ空間・界面情報を利用することで、これまで理論上の存在であった種々のグラフェンナノリボン(GNR)、二次元ネットワークなどの超精密単原子層物質を現実的に作り出します。精密単原子層物質の新奇物性を具現化することで、基礎学理の構築と材料応用への道筋を示します。
大阪大学
大学院理学研究科
准教授
元素・構造・膜厚が制御された積層構造の界面では、バルク単結晶にはない様々な物性や機能を示します。本研究では、エピタキシャル成長法とエッチング法を融合させたメンブレン積層技術によって、既存技術では積層化が困難であった物質の薄膜超構造の作製技術を確立します。さらに、積層構造や配向を自在に制御することで、新しい物性と機能を示す界面の創出に取り組みます。
名古屋大学
大学院理学研究科
特任助教
優れた物性を発現する元素の構造と同じ構造を、分子で作ることでその性質を再構築、あるいはさらに発展させるという『等結晶トポロジー』という概念があります。本研究では、面内方向に強い分子間相互作用をもつ「強相関ラジカル分子」がつくる二次元構造体のバンド構造および分子配列を明らかにし、そのフェルミ準位を制御することで、その構造トポロジーに起因する電子機能や電気化学機能を引き出すことを目指します。
東京大学
大学院工学系研究科
講師
超低電子ドーズ条件で原子・分子配列を超高分解能で直接観察できる走査透過型電子顕微鏡法(STEM)を開発し、従来では観察が不可能であった電子線照射損傷を受けやすい材料の局所原子・分子配列の解析を可能にします。さらに開発した手法を自在配列材料へと応用します。機能発現の場となる原子・分子の局所配列構造を直接観察し、材料機能との相関性を解明することで、配列指針の構築を目指します。
静岡大学
理学部
准教授
本研究では、外部刺激に応答する分子結晶を研究対象とし、特に厳密な変形/運動を示す新規材料の開発を目指します。厳密な変形/運動を可能にする鍵は、外部刺激に応答した単結晶間の配列変化です。利点として、結晶内の分子配列を明確に決定でき、刺激応答性の起源を正確に理解できる点が挙げられます。このような分子結晶を体系的に開発し、「精密変形/運動材料」の化学を構築し、未知の機能の付与と知見の蓄積を可能にします。
物質・材料研究機構
マテリアル基盤研究センター
主任研究員
周期的に構築された微小ナノ空間内に種々の材料を分子レベルの精密さで一度に配列・集積させる技術確立は、原子1個・結合1本に至る微細な構造最適化を経て物性制御された材料に対して相乗的機能発現の場を提供します。本研究ではベルト型環状分子を連結したポーラスナノシートを開発し、適切なゲストとポーラスナノシート選択による自己集積構造の自在制御、ポーラス内で精密集積・配向されたゲストの機能発現を達成します。
山形大学
大学院理工学研究科
教授
蛋白質構造中に機能性ユニットを自在に配列した分岐構造を作り出すことができれば、その構造に依存した新しい機能を生み出せます。本研究では直列と分岐の蛋白質間連結を組み合わせて、機能性蛋白質ユニットを分岐連結した前例のないデンドリマー様の連結構造体を作り出します。小型抗体や酵素など、様々な機能性ユニットを自在に分岐連結させ、医薬品への応用や酵素の複合体など新しい分子群の創成を目指します。
産業技術総合研究所
触媒化学融合研究センター
研究チーム長
独自に開発したシロキサン化合物のワンポット配列制御合成法を駆使した自在配列合成により、配列制御シロキサン化合物ライブラリを整備するとともに、モノマー配列構造と各種物性との相関を体系化したデータベースを構築することで、データ駆動型機械学習によるシリコーン材料の物性予測技術の開発を目指します。
東京大学
大学院工学系研究科
講師
本研究では、サブナノメートル単位で立体構造が規定された有機分子をブロックのように配列して構築することで、ナノメートル未満の緻密さで有機ナノ構造体を設計する手法を実現します。さらに、その緻密な立体構造を利用して、(1)生体分子の複雑な表面を精密に認識する分子を設計すること、(2)緻密で複雑な構造を持つナノ空間を創成すること、に挑戦します。