[革新光] 令和元年度採択課題

赤松 大輔

極低温原子・微小球ハイブリッドシステムで探る散乱の物理

研究者
赤松 大輔

横浜国立大学
大学院工学研究院
准教授

研究概要

レーザー冷却された極低温原子気体と光トラップされた微小球が共存するハイブリッドシステムを可能にする光技術を確立し、“古典的”微小球と“量子的”原子の散乱現象を調べます。特に散乱における内部温度の役割、表面形状などの影響を調べ、ナノテクノロジーや基礎科学の分野に大きな貢献する事を目指します。

石島 歩

光駆動非線形音響波による生体深部メカノイメージング

研究者
石島 歩

北海道大学
電子科学研究所
助教

研究概要

蛍光顕微鏡による分子イメージングは、生体内の多種多様な分子を蛍光プローブにより可視化する技術として、生命科学分野の発展に貢献しています。しかし、細胞それぞれに異なる硬さなどの力学的個性を知ることはできません。本研究では、非線形音響波を顕微鏡の力学プローブとして利用し、光の高速性と干渉性を最大限活用することで、生体内の力学的個性を細胞レベルの分解能でイメージングする光技術の創成に挑みます。

井上(今野) 雅恵

”All-optical”な電気生理学による植物個体の膜電位操作技術の創出

研究者
井上(今野) 雅恵

科学技術振興機構
さきがけ研究者

研究概要

膜電位形成は生命活動にあたり重要なシグナルの一つですが、植物では内生の光受容体との競合から、これまで光による膜電位操作技術(オプトジェネティクス)は適用されていません。本研究では、微生物型ロドプシン由来の膜電位操作ツール、及び膜電位感受性タンパク質をシロイヌナズナに導入し、膜電位操作と検出の双方を光で行う”All-optical”な電気生理学により植物の膜電位を制御する技術の創出に挑戦します。

長田 有登

原子イオン集積量子光回路による究極の量子技術基盤の創出

研究者
長田 有登

東京大学
大学院総合文化研究科
助教

研究概要

光領域での量子系として原子イオン系や集積量子光回路系が有望ですが、前者は集積性が、後者は均一な二準位系の組み込みが問題となっています。そこで原子イオン系と集積量子光回路の技術を組み合わせることで、イオン系の高精度な量子操作性と集積量子光回路の集積性と光子操作性が同時に利用可能となります。本研究ではこのような技術融合により光量子技術におけるブレークスルーを起こし、新たな量子技術基盤を提供します。

久世 直也

マイクロ光周波数コムの新規制御技術の開発

研究者
久世 直也

徳島大学
ポストLEDフォトニクス研究所
准教授

研究概要

マイクロ光周波数コムは高Q値微小共振器から発生する光周波数コムで、将来的に大量生産可能で、小型な汎用性の高い光周波数コムになると期待されています。本研究ではマイクロ光周波数コムの超精密位相同期技術やコムモード制御技術の開発を行い、従来の光周波数コムにはない、マイクロ光周波数コム独自の性質を活かした新規応用分野の創出を目指し、マイクロ光周波数コムの社会実装への道を開拓します。

坂本 雅行

コンピュータホログラフィーを応用した活動電位発生機構の解明

研究者
坂本 雅行

京都大学
大学院生命科学研究科
特定准教授

研究概要

神経細胞(ニューロン)は細胞あたり数千〜数万のシナプス入力を受けていると考えられていますが、個々のシナプス入力が細胞内でどのように統合され伝搬していくかについてはよく分かっていません。この問題を解決するため、本研究では光による神経活動操作と活動計測をシナプスレベルで同時におこなう新技術の開発をおこないます。新技術を用いて電位伝搬の可視化をおこない、活動電位発生のメカニズムを解明します。

杉本 敏樹

原子スケール極微分光計測法の開発と界面水分子の局所配向イメージングへの応用展開

研究者
杉本 敏樹

自然科学研究機構
分子科学研究所
准教授

研究概要

本研究では、水分子の配向感度・表面感度・極微空間分解能を高度に両立する光学顕微計測法を世界に先駆けて開発することに挑戦します。この新規な手法を用いて、種々の機能性材料のモデル表面に吸着させた水分子に対して原子・分子スケールの極微分光研究を展開します。これにより、界面水素結合ネットワーク中の水分子の配向構造をデザインし、特異的な物性や化学的特性を創発させる基礎学理を構築します。

高橋 幸奈

新型プラズモン誘起電荷分離を用いたCO2資源化光触媒の開発

研究者
高橋 幸奈

九州大学
カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所
准教授

研究概要

金属ナノ粒子とp型半導体とを接合した新型プラズモン誘起電荷分離という革新的な光科学技術を開拓することで、光エネルギーの高効率変換を可能にする技術の確立を目指します。CO2を還元して資源化する光触媒の開発を通して、従来高効率な利用が困難であった、一光子当たりのエネルギーが小さい近赤外光や、室内光などといったエネルギー密度の小さな光まで有効活用できるような技術が確立できると期待されます。

蓑輪 陽介

光トラップ技術による量子流体力学の開拓

研究者
蓑輪 陽介

大阪大学
大学院基礎工学研究科
助教

研究概要

光技術を極低温環境、特に超流動ヘリウム環境に適用することで、量子流体力学を開拓することを狙います。本研究では、超流動ヘリウム中の量子的構造である量子渦に着目し、そのダイナミクスを光トラップ技術によって解明します。量子渦は量子乱流の構成要素であり、その性質を解明することが量子流体力学の大きな発展に繋がります。光トラップ技術による量子流体力学の開拓という、全く新しい研究アプローチに挑戦します。

横田 泰之

電気化学デバイスの分子スケール制御に向けた近接場基盤技術の創成

研究者
横田 泰之

理化学研究所
開拓研究本部
専任研究員

研究概要

金属探針の近接場を利用したナノスケール分光法は高性能な電気化学デバイスを実現するための基盤技術として期待されていますが、電解質溶液の存在下では測定自体の再現性や安定性が低いという問題を抱えています。本研究では、電気化学の知見を利用して溶液環境で長期間利用できる究極のナノ光源を開発します。これにより、様々な電気化学界面に適用可能な近接場分光技術を創成し、省エネルギー社会の実現に貢献します。

吉岡 孝高

炭素原子気体の精密分光と冷却の実現

研究者
吉岡 孝高

東京大学
大学院工学系研究科
准教授

研究概要

光周波数標準に安定化された深紫外・真空紫外領域のフェムト秒光周波数コムの開発に基づいて、当該光周波数領域に存在する中性炭素原子の電子遷移を対象に精密分光を実現します。また、バッファーガス冷却による予備冷却のもと、希薄炭素原子気体の超低温へのレーザー冷却とトラップ法の開拓に挑戦します。このことで、宇宙科学や生物学等、広範な自然科学分野とより密接に関連する、精密分光と低温科学の新分野創成を目指します。

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