[ナノ力学] 令和3年度採択課題

石田 忠

ハイドロゲル摩擦のナノ潤滑機構の流体力学的解析

研究者
石田 忠

東京工業大学
工学院
准教授

研究概要

ハドロゲルの摩擦界面では、水膜だけでなく3次元網目構造に内包される水に及ぶ流れ場によって、高い流体潤滑が発現すると考えます。これを実証するために、「ハイドロゲルを構成する水と3次元網目構造の動きを電子顕微鏡観察する技術」と「電子顕微鏡観察下でハイドロゲルを摩擦試験するデバイス」を開発し、摩擦界面のSEMその場観察を行います。水の流れからせん断力を計算し、摩擦力と比較することで、その潤滑機構を流体力学的に理解します。

大塚 雄市

疲労摩耗のスケールアップ過程のマルチモーダル計測

研究者
大塚 雄市

長岡技術科学大学
技学研究院
准教授

研究概要

摩擦力顕微鏡と顕微ラマン分光によるマルチモーダル計測により、摩耗における塑性変形の効果を解明します。分子動力学法および粗視化モデルによる摩耗のスケールアップモデルを構築し、マクロ摩耗との対応を解明します。

加藤 和明

緩やかな拘束を用いた高分子樹脂の強靭化

研究者
加藤 和明

東京大学
大学院新領域創成科学研究科
准教授

研究概要

異なる分子間の幾何学的な拘束を制御することで、通常の高分子材料では見られない物性や機能が発現します。本研究では、高分子と環状分子のインターロック超分子から合成されるポリロタキサン樹脂に特有の異成分間運動の独立性に基づき、靭性を担う軸高分子の特異な運動性と変形に誘起される構造変化を制御することで、従来トレードオフの関係にあった剛性と靭性を両立する、高分子樹脂の新たな設計指針の確立を目指します。

小椎尾 謙

二軸伸長変形下におけるマルチスケール構造解析による 非晶性高分子の分子鎖凝集構造と変形メカニズム

研究者
小椎尾 謙

九州大学
先導物質化学研究所
准教授

研究概要

放射光X線散乱測定による分子鎖間距離、疎密構造、ボイド・クラック等の評価、複屈折測定による官能基や分子鎖の配向評価による「その場マルチスケール構造解析」に基づき、「非晶性高分子」の真の凝集構造と「二軸伸長変形下」における絡み合いなどのナノスケール構造と力学物性の関係を解明します。

柴沼 一樹

高温クリープ損傷のマルチスケールフィジックス

研究者
柴沼 一樹

東京大学
大学院工学系研究科
准教授

研究概要

本研究で提案する「多段階メカニズムの統合化モデル」は、有限要素解析モデル、微視組織モデル、粒界相対速度モデル、ボイド生成・成長モデル、粒界エネルギーモデルの5個のサブモデルで構成され、それらを有機的に連成することで「高温クリープ損傷」という複雑な物理現象を再現します。一方、「非破壊時系列計測技術」では、粒界変形のその場計測とX線CTボイド計測により、統合化モデルの実行に必要となる熱力学特性を同定します。

玉手 亮多

超高分子量ポリマーに基づく新奇機能開拓

研究者
玉手 亮多

物質・材料研究機構
高分子・バイオ材料研究センター
独立研究者

研究概要

超高分子量ポリマーからなるイオンゲルの示す特異な高伸張性・自己修復性を、高分子鎖の絡み合い・溶媒-高分子相互作用・高分子鎖の界面ダイナミクスといった分子スケールの観点から解明します。ハイドロゲル・オルガノゲル・エラストマーなど様々な高分子系に超高分子量ポリマーに基づく材料概念を展開して新奇力学機能の開拓を実施することで、超高分子量体の絡み合いを基盤とする高機能性高分子材料の体系化を実施します。

松中 大介

第一原理機械学習手法によるナノ異材界面の力学特性の解明

研究者
松中 大介

信州大学
学術研究院
教授

研究概要

本研究では、機械学習を援用して第一原理計算の情報に基づく異材界面系の原子間ポテンシャルを開発するスキームを確立し、界面結合や触媒効果が考慮された分子動力学解析を実施して、界面近傍でのナノスケールの欠陥の動的挙動を解明します。各種材料の異材界面について体系化し、電子状態の理論的考察をあわせて、ナノ異材界面の力学特性を支配する因子を明らかにすることを目指します。

南谷 英美

構造トポロジー情報を応用した靭やかな機械学習力場の構築

研究者
南谷 英美

大阪大学
産業科学研究所
教授

研究概要

アモルファスをターゲットに、トポロジーを応用した構造記述子による熱伝導率と剛性率の高精度予測とナノ構造との相関・因果関係の抽出を行います。異なる物性を支配するナノ構造の共通性の解明や、それらの物性が望ましい関係を持つ作成プロセスを同定することを目指します。さらに、トポロジカル構造記述子を応用した、乱れた構造に強い機械学習力場を構築し、マルチスケールシミュレーションの基盤を作ります。

雷 霄雯

幾何学と力学融合に基づく回位制御による材料機能設計

研究者
雷 霄雯

東京工業大学
物質理工学院
准教授

研究概要

回位弾性論の構築に注目し、幾何学とナノ力学の双対性に基礎を置く低次元構造体の格子曲率を基本とした変形力学理論を構築し、従来の材料学の常識を覆す高強度・高延性な構造材料の創製を可能にすることを目指します。具体的には、ナノ構造体における離散曲面設計原理の確定→幾何学と力学の融合による新たな回位論の定式化→回位制御に基づくバンドル構造変形・強化原理解明という一連のユニークな研究を行います。

譯田 真人

多自由度界面での変形伝播制御に基づく強化指針創出

研究者
譯田 真人

物質・材料研究機構
構造材料研究拠点
主任研究員

研究概要

金属材料の界面は複雑な微視的構造を持ち、ナノスケールの現象である界面での変形伝播や変形発生を通して、強度や破壊特性などに様々な影響を与えます。本研究では、界面構造を積極的に活用した金属材料の力学特性向上の指針創出を目指し、BCC金属とFCC金属の多様で複雑な界面構造における幾何学的/化学的自由度が、単独あるいは同時に転位伝播や転位生成に及ぼす影響を、原子論計算手法により直接的に解明します。

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