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- [革新的コンピューティング] 令和2年度採択課題
東京大学
大学院情報理工学系研究科
教授
本構想は「ユーザの要求精度を実行時に推測,多段階で精度を調整する」柔軟な近似計算基盤を実現し,従来の固定的な近似計算と次元の異なる効果を得る.この実現のため,必要精度をどう推定するか,多段階精度をどう実現するか,オーバヘッドとゲインのバランスをどう向上させるか等,国際的にも未だ取り組まれていない課題に挑戦する.開発基盤の命令セット,コンパイラ,チップのリファレンスデザインをオープン化して公開する.
京都大学
大学院理学研究科
准教授
社会現象を計算機上で理解する方法の1つがエージェントベースモデル(ABM)のシミュレーションである。ABMは多数の個々人が意思決定を行う確率過程として記述される。本研究ではこの大規模ABMシミュレーションの計算コストを削減するために、確率過程の縮約理論を用いる。縮約理論は統計物理学で発達した次元削減方法であり、本手法を応用することで一般的な社会シミュレーションの計算コストの削減に応用する。
大阪大学
大学院情報科学研究科
准教授
無数の情報端末が高度に相互通信する超スマート社会では、暗号処理に基づくセキュアコンピューティングが必須の技術です。本研究では、光集積回路技術を活用し、情報端末への物理的な攻撃に打ち勝つ次世代のセキュアコンピューティング基盤技術を開発します。光の波動特性を活用し、従来の電気電子方式とは一線を画す、次世代耐タンパ暗号処理回路を開発し、安心・安全な超スマート社会を目指します。
筑波大学
システム情報系
教授
セキュア量子乱数システムに関しては、原理的に測定過程において確率が導入されるため、原理的には一様乱数を生成することが出来ることが知られている。量子力学の正しさを検証しようとしてきた量子基礎論の知見は、セキュア量子乱数の定義を導くことが出来る。更に、古典・量子の利点を活用することで、量子情報技術がフル実装された社会より手前に到達するはずであるハイブリッド秘密計算のシステムを提案する。
産業技術総合研究所
新原理コンピューティング研究センター
主任研究員
本研究では、ナノサイズと超小型な自励発振素子であるスピントルク発振素子を利用した情報処理システム「ナノオシレータニューラルネットワーク」を開発します 。スピントルク発振素子の高速性、省電力性、および神経回路網と同様の集団的挙動を示す特徴を利用することで、デジタルCMOSの微細化に依存しない小型・省電力・高速な知的情報処理システムを実現し、持続可能な超スマート社会の実現に貢献します。
大阪公立大学
大学院情報学研究科
講師
分散型ブロックチェーンは、Society 5.0で共有されるデータを保護するために必要な技術です。本研究ではSDGs7番のエネルギー問題を強く意識し、超低消費電力化(将来目標 1 mW)を実現する事で、持続可能なブロックチェーンアクセラレータ(BCA)を開発します。さきがけ研究では、1W以下の超低消費電力でも高処理速度を実現できるBCAアーキテクチャを開発します。
京都大学
大学院情報学研究科
助教
本研究では秘密計算基盤の設計を基本演算、プロトコル、アプリケーションの三つの層(レイヤ)に分け、それぞれの層に対する新規的な設計提案と、クロスレイヤ(層間)の設計最適化という複数のかつ革新的な視点から領域に特化した最適化を実現する。本研究が新たに提案する視点や手法は、医療とそれ以外の様々な秘密計算アプリケーションにも応用が期待され、高速かつ安全な計算方式の普及への礎となる見込みである。
北海道大学
情報基盤センター
准教授
ポストムーア時代のハードウェアでは、性能向上と引き換えに、浮動小数点演算の精度や信頼性の低下が予想されます。そこで、本研究では、低精度・低信頼性演算を積極的に活用しつつ、従来と同程度の計算結果を担保する、新しい行列計算アルゴリズムの開発を目指します。これにより、アプリケーションレイヤーに対して、従来のハードウェアとの差異を隠蔽し、ポストムーア時代のハードウェアのシームレスな利用を実現します。
名古屋大学
大学院 情報学研究科
准教授
ファジングを用いた近似コンピューティング (AC) 回路の検証技術を開拓します。AC回路の信頼性保証に対する課題を解決することを目的として、初期入力・変異アルゴリズム・カバレッジ評価法の開発、ファジング・ツールのプロトタイプ構築、AC 回路の機能的検証技術への拡張、高位合成を利用した AC 回路のタイミング検証技術の確立、及び、大規模集積回路での技術検証まで一貫して取り組みます。
理化学研究所
計算科学研究センター
チームリーダー
本課題の目的は、ヘテロジニアスな並列プログラミングの主流に取って代わり得る新しい実行モデルを提案することで、ポストムーア時代に予想される極端な異種性の領域でのブレークスルーを実現することである。そこで、一般的なオフロードモデルを出発点とし、あらゆるアクセラレータが中央集権的ではなく互いに協調しながら実行可能な自律的実行モデルを提案する。この実行モデルは実装の用意差と高い実行性能を両立させる必要がある点で、挑戦的な課題であると言える。