- JST トップ
- /
- 戦略的創造研究推進事業
- /
さきがけ
- /
- 研究領域の紹介/
- トポロジカル材料科学と革新的機能創出/
- [トポロジー] 令和2年度採択課題
理化学研究所
開拓研究本部
客員研究員
現実的なトポロジカル材料・デバイスには、さまざまな散乱および散逸チャネルが存在します。しかし、その基礎的な散乱・散逸のダイナミクスは、有効な実験方法がないため、直接解明することは困難でした。本研究では、走査ノイズ顕微鏡(SNoiM)と呼ばれる新しい顕微鏡を開発して、トポロジカル材料の表面でナノスケール電荷輸送とエネルギー散逸を直接可視化し、局所的な散乱・散逸のメカニズムを解明します。
日本電信電話(株)
NTT物性科学基礎研究所
リサーチアソシエイト
本研究では、半導体2次元トポロジカル絶縁体におけるヘリカルエッジ状態を伝播するスピン・電荷のダイナミクスを時間領域で電気的に観測・制御するとともに、この系で発現する人工的トポロジカル相を高速に制御する技術を確立することを目指します。そして、試料によらない普遍的な測定手法を確立し、トポロジカル量子計算技術への発展の可能性を探索します。
東北大学
大学院工学研究科
教授
本研究では、「歪(ひずみ)フォトニック結晶」の科学を構築し、格子歪によりフォトニック結晶実空間内での光軌道(トポロジー)の制御を可能にします。これをフォトニック結晶レーザーに展開することで、出射ビームの空間的な波面制御(特に位相制御)を実現することを目指します。
大阪大学
大学院基礎工学研究科
教授
本研究では、三回対称構造を有する安定有機ラジカルと金属イオンとの錯形成反応を利用して、カゴメ格子、ハニカム格子、ならびにカゴメ―ハニカムハイブリッド格子構造を有する高結晶性配位高分子材料を多彩に創製します。構造のトポロジー、ラジカルを構成要素とする分子性材料ならではのバンドフィリング、ならびに構成要素間に働く弱い電子相互作用に起因する新しい電気・磁気・光相関機能を追究します。
東京大学
生産技術研究所
助教
本研究では、極性構造を持つ二次元物質およびそれらのvan der Waalsヘテロ構造において、物質の持つBerry接続に由来し尚且つ将来的な発電デバイスへの応用が期待されているバルク光起電力効果の研究を行います。バルク光起電力効果の出現と結晶の基礎物性および構造・対称性の相関関係を明らかにし、デバイス応用へ向けた指針を示すことを目指します。
大阪大学
大学院基礎工学研究科
准教授
トポロジカル状態の基礎的性質の解明並びに通信・センシングへの応用に向けて、人工構造体の動的制御技術の開発が必要不可欠です。本研究では人工構造体を光によって動的に生成しテラヘルツトポロジカル状態の時空間制御を実現します。開発した装置を用い、近年提案した「連続変形に基づくトポロジカル状態生成」を発展させ、バルク・エッジ対応の本質に迫るとともに時変トポロジカル現象の開拓も目指します。
東京大学
先端科学技術研究センター
講師
工学応用上有望なトポロジカル物質は多く知られていますが、中でも磁気スキルミオン物質やノンコリニア反強磁性体などの磁性体は、磁気デバイス等への応用面で特に有力視されています。本研究では、輸送特性やその制御方法まで含めた材料の機能性に着目し、トポロジカル磁性材料に対する非経験的計算手法を開発します。また、開発した手法を用いて磁性体データベースを構築、応用上有望なトポロジカル磁性材料の選定を行います。
北海道大学
大学院理学研究院
准教授
本研究の目的は、多様な結晶構造と微視的機構のもとで発現するトポロジカル磁性体を、らせん磁気構造がもつ内部自由度の視点から系統的に分類することで、それらが発現するために必要な結晶対称性およびその安定化機構を明らかにすることです。さらに、それらの情報を記したデータベースを作成することで、トポロジカル磁性材料の候補物質を劇的に増やし、既存の理解に囚われない新規トポロジカル磁性体探索の礎を築きます。
静岡大学
理学部
助教
化学の分野で近年、chiral-induced spin selectivityというスピン整流が注目されていますが、その本質的な理解は構築段階です。本研究ではこのスピン整流と電荷整流との対応関係を作業仮説とし、分子スピン・光機能デバイスの概念実証とその幾何学的な性質の学理探究を行います。以上により、キラル誘起スピン整流におけるトポロジカル物性を開拓します。
東京大学
物性研究所
准教授
本研究では、トポロジカル材料が示す線形のエネルギー分散とベリー曲率に由来した特徴的な光応答に注目し、テラヘルツ周波数帯の高効率周波数変換、誘導放出、磁化制御を室温で実現して、高速エレクトロニクス・スピントロニクス素子としての機能性を開拓することを目指します。
日本原子力研究開発機構
先端基礎研究センター
副主任研究員
音波やスピン波のような波動現象では、材料の表面に沿って伝わる表面波が一方向にのみ伝わる性質「非相反性」を示すことが知られています。本研究では、この表面波の非相反性が素粒子物理学の概念であるアノマリーという理論的枠組みとどのように関連するかを明らかにすることを目指します。これによって今まで知られていなかった非相反表面波現象を予言し、熱やスピン流の整流を実現する可能性が拓けます。