[トポロジー] 平成30年度採択課題

青木 大輔

空間結合を創る高分子トポロジー変換反応を鍵とした異種トポロジーの融合

研究者
青木 大輔

東京工業大学
物質理工学院
助教

研究概要

異種のトポロジーが空間的に連結された高分子は、特異な機能や物性を発現します。このような「空間連結型の高分子」は、環状構造の中に線状高分子が貫通し、物理的に解けることのない高分子鎖の絡み合いを形成させることで合成できます。本研究では、高分子のトポロジー変換反応を用いて、異種のトポロジーを空間的に連結することで、それぞれのトポロジー単独では実現することのできない革新的な機能材料開発を目指します。

打田 正輝

薄膜技術を駆使したトポロジカル半金属の非散逸伝導機能の開拓

研究者
打田 正輝

東京工業大学
理学院
准教授

研究概要

本研究では、トポロジカルディラック半金属Cd3As2を主な対象として、高品質薄膜・接合の作製とその量子輸送現象の解明を目指します。具体的には、(1)アーク端伝導状態の解明と制御、(2)磁気近接効果による量子化伝導の実証、(3)元素置換と膜厚制御によるトポロジカル相開拓、(4)ヘテロ構造を利用した高機能化、の4項目の研究を進め、トポロジカル半金属材料が潜在的にもつ新しい量子化伝導機能を開拓していきます。

葛西 伸哉

磁気スキルミオン素子の構築と新規材料探索

研究者
葛西 伸哉

物質・材料研究機構
磁性・スピントロニクス材料研究拠点
グループリーダー

研究概要

本研究では、材料創成技術、微細加工技術、高周波計測技術を駆使することで、磁気トンネル接合を用いた実時間動作可能な電圧駆動型および電流駆動型スキルミオンデバイスの構築を行います。また、現行スキルミオンデバイス材料である強磁性ヘテロ接合の課題である熱安定性の担保と駆動電流密度の低減のため、スキルミオン生成・駆動条件の整理を行い、新規ヘテロ接合の設計および新規スキルミオン薄膜材料の探索を行います。

塩崎 謙

一般コホモロジー理論に基づいたトポロジカル材料科学理論の構築

研究者
塩崎 謙

京都大学
基礎物理学研究所
助教

研究概要

本研究では、一般コホモロジー理論に基づき、トポロジカル相の系統的で汎用性のある理論体系の構築を進めます。特に物質固有の対称性である空間群対称性を一般コホモロジー理論の枠内で記述し,その数学的な解析手法を整備し、数値計算手法への実装を行い、トポロジカル相の分類、及び物理現象の予言を行います。また各種トポロジカル不変量の第一原理計算への実装も行います。

関 真一郎

磁気構造と電子構造のトポロジーを利用した巨大創発電磁場の生成と制御

研究者
関 真一郎

東京大学
大学院工学系研究科
准教授

研究概要

物質中の磁気構造や電子構造が特殊なトポロジーを伴う場合、伝導電子が「曲がった空間」を感じることで、しばしば巨大な創発電磁場が生じます。本研究では、希土類元素を用いた新しい物質設計指針に基づいて、スキルミオン(実空間における渦状の磁気構造)やワイル点(波数空間における電子構造のバンド交差点)を伴う新物質を積極的に開拓し、創発電磁場に由来した異常応答の巨大化・新しい電子の制御手法の確立を目指します。

竹内 一将

液晶トポロジカル乱流の構造決定と負粘性材料科学の開拓

研究者
竹内 一将

東京大学
大学院理学系研究科
准教授

研究概要

トポロジカル欠陥からなる液晶の乱流状態は、普遍的な非平衡ゆらぎと負の粘性という魅力的特徴を示しますが、3次元構造が不明なことが障壁です。本研究では、高速共焦点観察と最新の欠陥可視化技術を組み合わせ、液晶トポロジカル乱流の3次元時空間構造を直接測定します。それにより負粘性の発生機構を解明し、統計力学的原理を洞察することで、材料設計指針や他物質への展望獲得など、負粘性材料科学の基盤創出に挑みます。

中山 耕輔

全結晶方位ARPES法による新規トポロジカル材料開拓

研究者
中山 耕輔

東北大学
大学院理学研究科
助教

研究概要

本研究では、結晶表面を原子レベルまで平坦化できる先端微細加工技術と角度分解光電子分光技術を高度に融合することで、電子状態解析の新機軸を確立します。これにより、従来は電子状態の観測が困難とされてきた物質を含め、様々な物質のあらゆる面方位におけるバルク・表面電子状態の可視化を実現し、新規トポロジカル物質の開拓、エキゾチック準粒子の発見、特異物性の予測など、トポロジカル材料科学の重要課題に取り組みます。

松尾 貞茂

並列二重ナノ細線と超伝導体の接合を用いた無磁場でのマヨラナ粒子の実現

研究者
松尾 貞茂

理化学研究所
創発物性科学研究センター
基礎科学特別研究員

研究概要

マヨラナ粒子は自身と反粒子が等しくなる特異な粒子であり、トポロジカル量子コンピュータの実現を目指した研究が世界的に進められています。本研究では、半導体ナノ細線を用いて無磁場でマヨラナ粒子を実現することを目指します。具体的には、まず二重ナノ細線と超伝導体の接合でのクーパー対分離機構の解明とその制御を行い、クーパー対分離が高効率で起きるとき接合に出現するマヨラナ粒子を検出を目指します。

森竹 勇斗

メタ原子鎖による新奇な光トポロジカルエッジ状態の開拓

研究者
森竹 勇斗

東京工業大学
理学院
助教

研究概要

本研究では、近年報告されたジグザグ鎖における光トポロジカルエッジ状態に着目し、これまで検討されてこなかった(1)構成要素の非対称性(2)準周期配列を導入することで、新奇なエッジ状態を実現し(3)光トポロジカルエッジ状態を用いた発光デバイス開発を目指します。具体的には、数値計算によるシミュレーション、微細加工技術による作製、光学測定による評価を繰り返すことで、研究を推進していきます。

渡邉 悠樹

対称性の表現に基づくトポロジカル材料の探索

研究者
渡邉 悠樹

東京大学
大学院工学系研究科
准教授

研究概要

第一原理計算などにより得られたバンド計算結果に対し、そのバンド構造が持つ様々なトポロジカル指標を網羅的に調べることは既存の方法では容易ではありません。本研究では、近年申請者によって提案された「バンド構造が持つ対称性の表現に基づいて、様々なトポロジカル指標を一挙に判定する方法」を実際のバンド計算のソフトウェア出力に基づいて利用できるように整備した上で、実際これに基づいて効率的な物質探索を行います。

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