[反応制御] 令和元年度採択課題

飯村 壮史

準格子間拡散を利用した中温域高速ヒドリドイオン伝導体の創製と拡散機構の解明

研究者
飯村 壮史

物質・材料研究機構
機能性材料研究拠点
主任研究員

研究概要

中温域で電気化学反応と触媒反応を適切に融合することで、高効率で選択的に化学反応を進めようという試みが近年注目を集めています。本研究は、イオンの多体運動の一つである準格子間拡散に着目し、電解水素化還元反応に資する中温域高速ヒドリドイオン伝導体の創出を目指します。また、非干渉性中性子準弾性散乱を用いてヒドリドイオンの拡散機構を明らかし、高速アニオン伝導体の多体ダイナミクスという新たな学理を確立します。

大宮 寛久

電子制御型有機触媒の創製

研究者
大宮 寛久

京都大学
化学研究所
教授

研究概要

本研究では、金属元素を含まず、有機化合物のみで構成される有機触媒と光エネルギーを組み合わせることにより、電子を能動的に制御可能な触媒システムを創製します。この触媒システムを用いて、これまで実現困難であった反応プロセスを開発し、入手容易な化学原料から高付加価値の有機分子を合成します。

桑原 泰隆

酸素欠損型モリブデン酸化物のプラズモン光反応場を利用した革新的CO2変換反応の開発

研究者
桑原 泰隆

大阪大学
大学院工学研究科
准教授

研究概要

本研究では、酸素欠損型モリブデン酸化物の表面プラズモン共鳴と酸素欠陥を利用することで化学的に安定なCO2を活性化し、選択的にメタノールへと変換可能なプラズモン触媒技術の開発を行います。モリブデン酸化物結晶中の電子密度・酸素欠陥密度を制御することでCO2活性化に最適なプラズモン光反応場を構築し、光エネルギーを効率的に化学エネルギーに変換することで、CO2メタノール変換プロセスの低温化を目指します。

杉本 泰

Mie共鳴による磁場増強を利用した光化学反応プラットフォームの構築

研究者
杉本 泰

神戸大学
大学院工学研究科
准教授

研究概要

本研究では、スピン禁制遷移を光により直接励起する技術を開発することで、従来の物質の光励起の制約から脱却し、新たな光化学反応ルートを提案します。光励起過程における磁場の効果に着目し、誘電体ナノ構造のMie共鳴に起因する磁場増強効果を利用して、一重項-三重項間の直接的な光学遷移を実現します。材料、構造形成、新規反応ルートに開拓に関する実験的検討を行い、これまで不可能であった光化学反応を実現します。

須田 理行

スピン角運動量の能動的制御による革新的電気化学反応の創出

研究者
須田 理行

京都大学
大学院工学研究科
准教授

研究概要

キラル分子による金属ナノ粒子ネットワークを基板表面に固定化し、ここに流れる電流に多重スピン偏極効果を与えることで、高スピン偏極電流の生成が可能な電極材料を創製する。この電極を電気化学反応に用いることで、通常の電流では実現不可能な、スピン偏極電流を用いることによる革新的な電気化学反応、すなわち電気化学的不斉合成反応や反応過程におけるスピン多重度選択的な反応を実現する。

椿 俊太郎

電磁波駆動触媒反応によるリグノセルロースの熱化学変換

研究者
椿 俊太郎

九州大学
大学院農学研究院
准教授

研究概要

本課題では電磁波の精密制御によって触媒反応を能動的に操る手法を確立し、リグノセルロースの温和な熱化学変換を実現する。具体的には以下の3項目に取り組む。(1) 触媒材料の誘電特性に基づく電磁波駆動触媒の開発、(2) 精密制御型電磁波反応装置の開発、(3) 「その場観察」による電磁波駆動反応の促進機構の理解と触媒反応制御手法の確立。

古川 森也

インターメタリック反応場でのプロトニクスを利用した高効率触媒系の開発

研究者
古川 森也

北海道大学
触媒科学研究所
准教授

研究概要

本研究では、電場印加下でのプロトン伝搬によって平衡制約からの脱却を可能とする「表面プロトニクス」の現象論を、触媒反応における反応性を劇的に変化させる「インターメタリック反応場」上で起こさせることで、既存技術では困難な高効率触媒反応系の構築を実現します。具体的には、CO2からのメタノール合成およびプロパン脱水素の反応系において、平衡制約からの脱却による劇的な低圧化および低温化をそれぞれ達成します。

細見 拓郎

固体表面イオン配列の能動的制御を利用した高選択的触媒化学反応の開発

研究者
細見 拓郎

東京大学
大学院工学系研究科
助教

研究概要

本研究では、単一の結晶面が露出した金属酸化物ナノワイヤが、有機分子鎖中の僅かな官能基位置の違いを識別して特定の分子のみを選択的に転換させることを見出したことに着想の端を得て、結晶面上における分子選択性の起源を明らかとします。さらに、固体表面上のイオンの配列・距離の能動的制御によって反応性・選択性を自在に制御する手法を開発することで、高耐久性と高選択性とを両立した新しい触媒系を創出します。

山添 誠司

振動エネルギーで駆動する新しい触媒反応系の開拓

研究者
山添 誠司

東京都立大学
大学院理学研究科
教授

研究概要

本研究では低周波の振動をエネルギー源とした振動触媒反応システムを開発するため,振動エネルギーで分子活性化を可能にする振動触媒および振動触媒反応装置の設計・開発を行う.触媒の構造因子が触媒作用に及ぼす効果や放射光を用いたオペランド分光による振動触媒反応機構を解明し,振動触媒反応系の基盤技術の構築と高活性な振動触媒の開発を行う.

山本 瑛祐

イオン伝導性原子膜の能動的制御と中低温イオニクス材料の創製

研究者
山本 瑛祐

名古屋大学
未来材料システム研究所
助教

研究概要

ありふれた酸化物イオニクス材料(CeO2, ZrO2)を、ナノシート化技術と第一原理計算に基づく精密設計によって中低温領域で巨大イオン伝導度を有する原子膜材料に生まれ変わらせます。さらに、ナノシートの有する電界変調特性を活用し、電場によるイオン伝導性の能動的制御を実現することで、革新的ナノイオニクス材料の基盤構築に繋げます。

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