[反応制御] 平成30年度採択課題

天野 史章

電解還元法による酸素酸化反応プロセスの構築

研究者
天野 史章

北九州市立大学
国際環境工学部
准教授

研究概要

省エネルギーと高い反応選択性を両立した新しい化学品製造法の創出を目的として、電解還元法による選択的な酸素酸化プロセスを開発します。水素ではなく水を電子源として、酸素原子供与が可能な活性酸素種を能動的に形成し、これまで難しかった炭化水素の酸素酸化反応を制御します。電気化学と触媒化学のアプローチに、反応場の分離と物質移動を制御する化学工学的アプローチを融合させた革新的な反応技術の構築を目指します。

アルブレヒト 建

電界による能動的軌道変形を利用した化学反応技術の創出

研究者
アルブレヒト 建

九州大学
先導物質化学研究所
准教授

研究概要

本研究では、単分子接合中の分子への電界印加によって分子軌道が能動的に変形することを見出したことを端緒として①単分子の電界印加による反応性の変化を明らかとし②ナノギャップ電極や光誘起電子移動を用いてこれをバルクスケールの反応へと適用する手法を開発します。

稲木 信介

外部電場により駆動するワイヤレス電解反応システムの構築

研究者
稲木 信介

東京工業大学
物質理工学院
准教授

研究概要

本研究では、外部電場により駆動するワイヤレス電極(バイポーラ電極)の概念を発展させ、電解質使用量の削減かつ電気量をモニター可能な分割バイポーラ電極を用いた実用的電解合成系を設計します。各種計測技術やシミュレーションを駆使しながら、種々の電解反応への応用を検討し、低環境負荷の有機電解合成システムとして確立することを目標とします。

数間 恵弥子

分子‐金属界面の構造制御に基づくプラズモン誘起化学反応の制御

研究者
数間 恵弥子

理化学研究所
開拓研究本部
研究員

研究概要

金属ナノ構造に光照射することで励起できる局在表面プラズモン(近接場光)は、太陽光エネルギーを化学反応のエネルギーに高効率に変換する手段として期待されています。本研究は、プラズモニック触媒の実用化に向け、高効率な反応経路を提供する触媒の設計指針の獲得を目指します。分子と金属の間に触媒層を導入することでプラズモン誘起化学反応の経路を制御し、単分子レベルで反応素過程を解明、能動的な反応制御を実現します。

亀山 達矢

量子分割によるヘテロ接合ナノ粒子光触媒の超高効率化

研究者
亀山 達矢

名古屋大学
大学院工学研究科
准教授

研究概要

光エネルギーを直接燃料に変換できる、光触媒反応が注目され、その高効率化が広く検討されています。本研究では量子ドットに特有の、量子分割過程(多重励起子生成)を利用した光触媒反応を開拓します。これにより、光電気化学セルを用いて、高エネルギー光照射時の外部量子効率が100%を超える超高効率反応を達成し、光エネルギー利用の限界に迫ります。申請者がこれまでに取り組んできた、環境適合性の高い低毒性多元系量子ドット開発と、ナノ構造制御技術により、量子ドット内にヘテロ接合界面を形成し、オージェ再結合するよりも早く、多励起子を電荷分離することでこれを達成します。

北野 政明

ヒドリドイオンの光励起により駆動するアンモニア合成触媒の開発

研究者
北野 政明

東京工業大学
元素戦略研究センター
准教授

研究概要

本研究では、活性化が困難な窒素分子を、H‒イオンの光励起作用を利用することで活性化し、従来の固体触媒では実現できなかった温和な条件下でのアンモニア合成を行う新規触媒プロセスの構築を目的としています。結晶骨格中に高密度にH‒イオンを含む材料と金属ナノ粒子触媒と組み合わせた触媒を用い、従来高温・高圧で行われてきたアンモニア合成プロセスの低温・低圧化を目指します。

鈴木 康介

金属酸化物クラスターによる多電子・プロトン移動触媒の創製

研究者
鈴木 康介

東京大学
大学院工学系研究科
准教授

研究概要

本研究では、可視光や電気を利用して、貯蔵可能な化学エネルギーや有用炭素資源の生産を実現するために、多電子・プロトン移動反応を自在に制御することのできる革新的金属酸化物クラスター触媒を創製します。反応に合わせた活性点構造の設計に加えて、電子状態やプロトン化状態の制御による酸化還元特性、反応電子数、酸塩基性の設計により、新たな反応性や選択性を示す触媒材料を開発し、高難度酸化還元反応の実現を目指します。

髙橋 康史

ナノスケールの電気化学イメージング技術の創成

研究者
髙橋 康史

金沢大学
ナノ生命科学研究所
教授

研究概要

電気化学計測やナノ計測に特化した4種類のプローブ顕微鏡を駆使して、局所触媒活性の電気化学イメージングと制御、イオン・ホール伝導が関与する化学反応の理解、溶液中でのイオン濃度プロファイルイメージング、局所計測のための要素技術開発の4つのテーマをもとに研究を進めていきます。

田中 淳皓

光照射波長によって電子移動・化学選択性が変化するプラズモニック光触媒の創製と物質変換反応

研究者
田中 淳皓

近畿大学
理工学部
講師

研究概要

金属ナノ粒子の表面プラズモン共鳴に誘起される光触媒は,それぞれ異なる光吸収ピークをもち,その分布が可視光全域に広がっていることから注目されています.本研究では,化学反応の高度な選択性を達成する手法として,光照射波長および光触媒材料設計を駆使した電子移動方向の能動的な制御を試みます.さらに,電子移動の制御を行うことで,基質選択性や官能基選択性を自由に変化させることを目指します.

平井 健二

ラビ分裂による化学反応操作法の確立

研究者
平井 健二

北海道大学
電子科学研究所
准教授

研究概要

化学反応の制御は分子設計を基盤として発展してきました。本研究では、共鳴する光子と分子のコヒーレントな相互作用を用いて、分子の反応性を変化させる方法を開発します。これにより反応の進行や生成物の制御を実現します。

古山 渓行

光触媒の能動的制御による近赤外光合成プロセスの開発

研究者
古山 渓行

金沢大学
理工研究域
准教授

研究概要

近赤外光により選択的に活性化される触媒を開発し、可視光材料をはじめとした高付加価値材料の新しい合成法を開発します。近赤外光と強く相互作用することが知られるアザポルフィリンを利用し、置換基効果・中心元素の調整により吸収波長・光励起状態を能動的に制御できる設計指針を産み出し、600〜1000 nmの光で駆動する触媒の開発を目指します。

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