[熱制御] 令和元年度採択課題

Anufriev Roman

レイフォノニクスによる高度な熱流マネジメント

研究者
Anufriev Roman

東京大学
生産技術研究所
特任准教授

研究概要

固体中で熱伝導を担う熱フォノンの弾道性を積極的に活用し、高度な熱流制御を可能にする「レイフォノニクス」のコンセプトに基づいた、革新的な熱流制御技術を創成します。半導体薄膜にフォノニックナノ構造を形成することで、指向性熱流、集熱、熱クローキングなど、フーリエ則では成し得ない熱流制御技術を提案・実証し、熱マネジメントに新しい基盤技術をもたらすことを目指します。

石井 智

光と構造制御による温調機能の開拓

研究者
石井 智

物質・材料研究機構
国際ナノアーキテクトニクス研究拠点
主幹研究員

研究概要

本研究では、光の伝播と伝熱を連立したマルチフィジクス解析を行い、光を用いた冷却や加熱に用いるナノ構造を光と熱の両方に対して最適化することで、冷却や加熱の効率向上を目指します。計算結果に基づいて試料を設計し、試料の作製及び光学特性と伝熱特性を独自のセットアップで評価します。一連の研究により、光とナノ構造による冷却及び加熱機能を高め、光の絡む熱の有効利用に貢献します。

岡田 健司

結晶性ナノ多孔質材料を用いた熱輸送の理解と能動的制御

研究者
岡田 健司

大阪公立大学
大学院工学研究科
准教授

研究概要

分子・ナノレベルの規則的で方位の揃った細孔、骨格を有する金属有機構造体(MOF)が実用レベルにおいてもその構造規則性を保った配向薄膜を駆使することで、分子・ナノレベルの「構造」と「熱物性」の相関を明らかにします。そして、「分子・ナノレベルでの熱挙動の理解」を基盤として、実用サイズでの「スペクトル分解した指向性熱輸送」、「熱輸送方向のスイッチング」等の自在な熱制御を目指します。

柏木 誠

非秩序系構造材料の非平衡結晶構造制御による新規熱輸送制御技術の確立

研究者
柏木 誠

青山学院大学
理工学部
助教

研究概要

本研究では、アモルファス材料や混晶材料などの結晶構造が非秩序的な材料における「結晶構造の秩序性や周期性」と「熱物性」を評価・計測し、それらの相関を明らかとすることを目指します。これらの成果は、非秩序系材料における原子配列の短・中・長距離での周期性・秩序性という一見相反する構造パラメータに基づく新たなフォノン熱輸送制御技術の確立と、革新的な熱機能性材料や熱機能性デバイスの創製に繋がります。

梶原 優介

熱励起エバネッセント波を介したナノスケール熱分光法の開拓

研究者
梶原 優介

東京大学
生産技術研究所
准教授

研究概要

物質表面の熱伝導・熱分布をナノスケールの分解能でスペクトル解析する技術を開拓します。具体的には、電荷・電流の熱揺らぎによって物質表面に発現するテラヘルツエバネッセント波の近接場分光測定技術を実現して、熱輸送における非常に有用な新規計測技術を提供します。開発技術を適用して微細デバイス回路のエネルギー散逸解析を行うとともに、ナノ領域のエバネッセント波を利用した非線形熱伝導デバイスを実現します。

櫻井 篤

遠方場Super Planckian熱ふく射輸送の可能性

研究者
櫻井 篤

新潟大学
工学部
准教授

研究概要

本研究では、遠方場Super Planckian熱ふく射輸送現象の学理を追及します。メタマテリアルによる遠方場コヒーレント熱ふく射に着目し、このフォトン輸送機構を解明します。これにより、黒体放射限界を超えるふく射輸送を実現し、その放射機構の自在な制御を目指します。この原理原則に基づいたフォトン起電力発電の高度化により、未来のスマートエネルギー社会の構築に貢献します。

Sang Liwen

分極場工学による界面フォノン輸送の最適化

研究者
Sang Liwen

物質・材料研究機構
国際ナノアーキテクトニクス研究拠点
独立研究者

研究概要

界面熱抵抗は電子デバイスの熱伝導率や熱分布に大きな影響を与えます。本研究では、界面熱抵抗を低減するために、分極電界を持つ新規ナノ積層構造を制御し、フォノン熱輸送の最適化を提案します。更に、NEMS/MEMS共振器を利用し、フォノン熱輸送の原理をナノスケールレベルで解明します。これにより、高出力電子デバイスの冷却効率の大幅向上を目指します。

藤原 邦夫

単原子スケール非平衡熱輸送場の分子動力学解析

研究者
藤原 邦夫

大阪大学
大学院工学研究科
助教

研究概要

物質・生命に関連する輸送現象は、界面において律速を受けます。特に界面における熱輸送現象は、現代社会を維持し発展させる上で重要な制御対象です。本研究では、界面内の単原子スケールの局所空間において熱流を分子動力学的に検出することで、界面熱輸送現象の新たな描像・原理を解明します。そして、単原子スケールで検出された熱流のスペクトル特性に基づき、界面熱輸送を制御する新たな方法論を創出します。

堀家 匠平

クーロン効果潜熱輸送による放熱型熱電発電素子

研究者
堀家 匠平

神戸大学
大学院工学研究科
助教

研究概要

膨大な未利用熱の有効利用は持続可能社会の構築に不可欠です。一方、デバイスの熱を効率的に除去することは半導体の高集積化に必須です。本研究では、「熱電発電」と「放熱」という相反する性質の熱マネジメントを両立する「放熱型熱電発電」を実証します。クーロン効果により巨大潜熱を示す新規流体の熱輸送能を可視化するとともに、流体の電荷流を電圧変換することで、従来にない除熱機能を備えた熱電発電の創成を目指します。

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