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- 熱輸送のスペクトル学的理解と機能的制御/
- [熱制御] 平成29年度採択課題
名古屋大学
大学院工学研究科
教授
臓器や組織を冷凍保存できれば、移植ドナー不足を解消できます。また、再生医療において、移植用組織や細胞の凍結保存技術は実用化のために必須です。本研究では、磁性ナノ粒子の交流磁場中における発熱のスペクトル学的理解と制御技術の開発により、従来困難であった生体組織の凍結保存技術を確立することを目的とします。本研究の成果は、ナノテクノロジーを駆使した新しい技術として、国民の健康に寄与すると期待されます。
中央大学
理工学部
准教授
均一的な熱平衡に達していない系、たとえば駆動中の導電性デバイスなどで、どの分子種が発熱しどこに熱が局在しているかを判別することは非常に重要です。分子振動を測定するラマン分光は、分子種を区別した信号を得ることに優れており、in situ(その場)観察も可能です。本研究では、分子振動の熱分布温度、「ラマン温度」に注目し、熱の偏りを分子選択的に可視化できる新規の「温度」イメージング技術を開発します。
理化学研究所
創発物性科学研究センター
チームリーダー
反転対称性の破れた物質/構造中においては, 光子/電子/マグノン/フォノン等量子の非相反応答が可能となります。 本研究では, これら量子流を選択励起し, その分散/空間伝播を超高速イメージング分光法をもちいて可視化することにより, 方向性/指向性を有した熱流/量子流の非平衡-非拡散領域のダイナミクスの直感的理解, コヒーレント制御, また大きな熱整流性能を実現する物質探索を行います。
東京工業大学
物質理工学院
准教授
本研究では、生体高分子を素材とし、生体に固有の機能を工学的に利用することで、熱輸送材料として利用することを目指します。様々な生体高分子間の非共有結合を介した熱輸送機構をスペクトル学的に理解することで、生体高分子集合体を効率よく熱輸送させるために必須な因子を明らかにします。最終的には、非共有結合の可逆性を積極的に利用することで熱輸送のオン・オフの制御が可能な革新的材料を創製することをねらいます。
東京大学
大学院工学系研究科
講師
本研究ではナノ構造界面、複雑・無秩序系、フォノニック結晶を駆使することで、フォノンの粒子性・波動性の両方を利用した熱輸送スペクトル制御を実施します。これにより拡散性が強く制御が困難である熱輸送制御を実現し、熱スイッチや熱ダイオード、低コヒーレンス損失フォノニック結晶など、新しい熱機能と特異な熱特性を兼ね備えた材料やデバイスの創製を目指します。
慶應義塾大学
理工学部
教授
革新的なナノスケール熱制御技術を創出するためには、ナノスケール熱動態のスペクトロスコピックな計測技術が必要不可欠です。本研究は、波長掃引した近接場光を用いて、光の回折限界を超えた高い空間分解能でフォノンの熱輸送形態を選択的に可視化する新しい2次元イメージング技術を確立します。これにより、従来の光計測技術では到達できなかった領域の熱輸送イメージングを実現し、フォノン熱輸送の本質的な理解を目指します。
自然科学研究機構
分子科学研究所
准教授
本研究では電子フォノン相互作用を第一原理計算から高精度に計算し、更にそれを波数・エネルギーの要素に分解する理論研究を行います。電子フォノン相互作用はジュール熱から熱電効果まで、幅広い熱問題の根本です。この研究からフォノン(熱)を自在に操る新しい原理、熱損失のない電子輸送方法や、フォノンを介して他の自由度を制御する方法を見つけます。対象としては層状物質に注目し、新規な有望材料発見を目指します。
九州工業大学
大学院工学研究院
准教授
世界最高水準の時空間分解能で沸騰を計測できるMEMS熱計測技術,マイクロナノ構造加工技術を駆使して,沸騰熱伝達を計測・制御し,熱伝達高度予測技術,超高熱流束除熱技術,熱スイッチング技術を創出します.本研究の成果はCPUやパワー半導体をはじめとする電子機器の冷却技術や,自動車やプラントにおける排熱回収技術,エネルギー有効利用技術の飛躍的進歩につながります.