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- [加齢変容] 2024年度採択課題
カリフォルニア大学アーバイン校
医学部
総長特別准教授
本研究は、申請者らが2021年に同定した、脳の嗅内皮質に投射して記憶を司っているドパミン細胞に生じる加齢性機能障害の解剖・生理・分子メカニズムを明らかにし、なぜマウスが加齢性記憶障害を起こすのかを理解することを目的とします。嗅内皮質はアルツハイマー病の起始核であることから、本研究を通じて将来的なアルツハイマー病の病理解明を目指します。
ワシントン大学セントルイス
精神医学科
アシスタントプロフェッサー
更年期は40~50代女性に訪れる加齢変容です。生殖機能の老化に伴い、性ホルモンの分泌量が徐々に減少し、中枢神経系の機能に変調をきたします。本研究では更年期における行動変容の実態を明らかにすることを目指します。社会行動を制御する神経回路をモデルとし、分子・解剖・生理・行動解析を駆使して、生殖機能の老化と行動変化を結び付ける神経内分泌学的メカニズムに迫ります。
京都大学
大学院薬学研究科
准教授
細胞内のタンパク質は加齢に伴い、ときに必要な局在を消失し、あるいは不必要な凝集を形成します。これらは組織・個体の機能低下や疾病を惹起することから、生理的なタンパク質動態を付与する細胞内環境の理解が重要です。本研究は、タンパク質動態が細胞内の熱力学的性質に依ること、これが小分子で調節される知見に基づき、タンパク質の細胞内集合動態を制御しその変容に対抗する生体内代謝産物について研究します。
名古屋大学大学院
医学系研究科
助教
代謝亢進作用を持つメラノコルチン4型受容体(MC4R)は、視床下部神経細胞の一次繊毛に局在し、MC4R局在一次繊毛が加齢に伴って短くなることで代謝熱産生量は加齢依存的に低下します。本研究では、このMC4R局在一次繊毛の加齢性退縮メカニズムの解明に取り組みます。これによって得られる知見は、代謝を含む様々な生理機能の加齢に伴う低下メカニズムを一次繊毛という切り口で解明する手がかりになると考えます。
京都大学
白眉センター
特定准教授
細胞・組織の力学特性変化は生命現象、特に加齢において重要な表現型であると同時にそれらの制御因子ですが、詳細な分子機構や加齢疾患との因果関係については未解明な点が多く残されています。本研究は、私が以前に開発した1細胞の力学特性と遺伝子発現の大規模な統合解析が可能なELASTomics法を用いることで、加齢における力学特性変容の分子メカニズムや加齢疾患との因果関係を解明することを目的とします。
千葉大学
大学院医学研究院
講師
本研究では造血幹細胞と造血前駆細胞の空間的組織化という新たな造血制御メカニズム発見に基づき、多様な造血老化現象を統合的に理解し、その進行を抑制するための基盤を構築します。さらに細胞休止維持の破綻や分化の偏りなど、さまざまな組織で加齢変容をもたらす老化の根本的なメカニズムを解き明かします。
ヘルシンキ大学
HiLIFE
グループリーダー
ヒトの進化過程では様々な適応が起き、その結果として現生人類の解剖学的・機能的な特徴が形作られてきました。本研究ではヒトの進化の過程で起こった特徴的な性質の変化が、どのように神経変性疾患に関わっているのかを、神経変性疾患患者由来iPS細胞を用いてメタボロミクスなどのマルチオミックス解析などを併用しつつ明らかにします。将来的に本研究は神経変性疾患の新しい治療戦略の開発に結び付くことが期待されます。
東京大学
医科学研究所
准教授
近年、老化の進行と共に翻訳の停滞頻度が上昇することで、プロテオスタシスの破綻が亢進することが報告されました。本研究では、この現象に着目し、老化によって翻訳停滞が増加する原因やその産物が蓄積する分子機構の解明を目指します。また、老化に伴う翻訳停滞が、既知の様々な老化現象を加速させる可能性を検証することで、老化に伴う生体変容の基盤的理解に貢献します。
情報・システム研究機構
国立遺伝学研究所
助教
本研究では、加齢や機能疾患に伴う網膜の機能的変容を神経科学的に解明することを目的とします。加齢による網膜から脳への感覚入力の不全が、視覚や睡眠、高次認知機能での疾患に与える影響を、電気生理学、イメージング、遺伝子解析、行動解析、数理モデリングを駆使して明らかにします。本研究での知見に基づき、「網膜の介入的な機能操作による視覚や認知機能の回復」という新たな治療モデルの構築を目指します。
新潟大学
脳研究所
准教授
孤発性神経変性疾患の最大の危険因子は加齢です。本研究では、神経変性の誘導因子として、加齢依存性の分子機序である、DNAの脱メチル化とDNA損傷に着目しました。ヒトの疾患脳を対象に、シングル核エピトランスクリプトームとDNA損傷部位の解析という最先端技術を組み合わせた検証を行い、加齢による神経変性の分子基盤の解読を目指します。