領域紹介

将来の展望

私達の研究課題

 「炎症について」でも説明しましたように、なかなか終息しない炎症状態を慢性炎症と呼んでいます。しかし、比較的早期に収まる急性炎症と何が異なるのでしょうか。どうして、炎症が慢性化するのでしょう。実は、その原因を解明し制御することにより、広範な病気に対する治療法を探ることが、私達の研究領域(CREST「炎症の慢性化機構の解明と制御に向けた基盤技術の創出」領域、さきがけ「炎症の慢性化機構の解明と制御」領域)の重要な研究課題です。
 具体的にどういったアプローチで慢性炎症に迫ろうとしているのかは、リンクしている「CREST慢性炎症」あるいは「さきがけ慢性炎症」のホームページをご覧ください。

将来の展望

 私たちの研究領域では、炎症が慢性化する機構を明らかにし、慢性炎症を早期に検出し、制御し、消退させ、修復する基盤技術の創出を目的とした次のような研究を推進します。

①炎症制御の破綻機構を明らかにすることにより、炎症の慢性化を誘導、維持する因子を同定する。

②炎症の慢性化によりどのようにして特定の疾患(がん、神経変性疾患、動脈硬化性疾患などを含む)が発症するのか、その機序を明らかにし、制御する基盤技術を創出する。

③炎症の慢性化の早期発見および定量的な評価を可能にする基盤技術を創出する。

 そして、従来の基礎のみ、あるいは臨床のみの研究ではなく、十分な実証に基づいた知見を集積しながら、高度に複雑な炎症調節機構を理解しようと努めます。 その成果は、高齢化社会の進展に伴って近年増加しているがん・動脈硬化性疾患(心筋梗塞・脳血管障害など)・神経変性疾患(アルツハイマー病など)・自己免疫疾患等の発症・進行・重症化を克服する、新たな先制医療基盤技術の開発につながることが期待できます。

The 5 Cardinal Signs of Inflammation