領域紹介

炎症について

炎症の特徴

 ケガをすると、その部分は充血して赤くなり、やや熱感を持ち、腫れて痛みを感じるようになります。このような症状は、体の傷ついた部分の組織がケガに反応したために起こるもので、これが炎症とよばれる状態です。炎症を起こしている部分では、血管の拡張や血流の増加、血管からの血液成分の組織への漏出、白血球の炎症組織への侵入、局所的に作られた物質による神経への刺激などが見られるようになり、次第に炎症症状が進んでいきます。しかし、通常の場合、これらの症状はしばらくして治まります。このような炎症反応が進行する過程において、死んだ細胞や細菌は除去され、ケガをした皮膚の上皮組織は再生し、失われた組織があれば線維性の組織によって置き換わり、ケガは修復されて治癒します。

炎症の種類

急性炎症と慢性炎症

 上記のような比較的早期に収まる炎症のことを急性炎症と呼んで、炎症の症状がなかなか終息しない慢性炎症とは区別しています。

全身性の炎症症状

 細菌やウイルスが体の深部に侵入した場合の感染症では、体温の上昇など、しばしば全身性の症状を伴います。また、ひどい場合には血圧が低下するショック症状を起こします。

炎症の状態は起こった臓器・組織による異なる

 炎症反応は全身の組織や臓器で起こり得るものですが、組織や臓器の種類によって炎症反応の状態が異なってきます。例えば、肝臓で起きた炎症(肝炎)と、肺で起きた炎症(肺炎)では症状や臓器の変化の状態はかなり異なります。

The 5 Cardinal Signs of Inflammation