No.06-C1711月6日(土)17:00~19:00
私たちの住む日本は国土面積の半分以上が豪雪地帯として指定されており,そこには多様な雪との付き合い方が存在します.しかし,気候変動による環境変化で,これまでの生活様式がこれから数十年のうちに大きく影響を受ける可能性が指摘されています.本出展ではこの変化にどう対応・適応していくか,雪を生活に活かし,雪と共生する暮らしについて考えます.講演では降雪や積雪の仕組みについて取り上げ,雪に関する理解を深めるとともに,これからの雪との接し方について考える機会を提供します.また,対話を通じて雪を生活の営みに活かす暮らしについて検討し,次世代の新しい雪と共生する暮らしの提案・活用策に資することをねらいとします.
気象庁気象研究所
専門は雲・降水の数値モデリング.最近のお気に入りは,自分の開発した降雪モデルを使って,いろんなシミュレーションをやることです.出身地は北九州市.大学・大学院と約10年間,札幌市に住み,雪の楽しさや大変さを実感しました.現在の研究内容もその頃の体験に影響を受けています.その後,つくば市に移り住み約20年経ちます.趣味は,軽い雪山,水泳,野草・鳥・昆虫鑑賞など.
気象庁気象研究所
雪氷学と極地や寒冷地における気象学を専門としています.北海道やグリーンランドにおいて観測を行い,温暖化に晒されている雪氷の実態把握に務めると同時に,積雪モデルと雪氷圏向け領域モデルを自ら開発して雪氷変化の背景にあるメカニズム理解に挑戦しています.私の家は,室町時代から父の代まで,日本屈指の豪雪地帯に位置する新潟県十日町市で暮らしていました.当日は,そんな私の雪への思いにも触れてみたいと思います.
気象庁気象研究所
気象学や気候学・雪氷学が専門です.現在,地球温暖化に伴う日本の将来気候変化予測研究に従事していて,日本の雪が今後どのように変化していくかを調べています.三重県で生まれ,大学からつくば市に移動し,ずっと雪の少ない太平洋側に住んでいます.ただ北アルプスの雪を対象とした研究も行っており,コロナ禍の前は現地にも足を運んでいました.著書に「地球温暖化で雪は減るのか増えるのか問題」(2019)などがあります.
早稲田大学
専門は衛星地球観測学.人工衛星が観測したデータを使って,ヒマラヤ氷河・氷河湖の変動解析,日本国内の雪の深さマッピング,大規模災害把握手法の向上など幅広く取り組んでいます.京都府出身・東京在住で太平洋側の生活に慣れていて,新潟での現地調査では深さ3mの積雪に観測機器を押し潰され,雪の重さを思い知りました.趣味は最近行きにくくなった海外の美しい都市や自然遺産をフライトシミュレータで巡ることです.
17:00 | 企画趣旨と進行紹介 趣旨説明,登壇者の紹介,質問・コメントに関する説明を行います. |
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17:15 |
講演1「降雪と積雪」 橋本明弘(気象研)・庭野匡思(気象研) 雪の一生について,雪結晶ができるしくみから,地面に降り積もった雪のその後について紹介します.また最近の話題とともに雪の基本的な性質について紹介します. |
17:55 |
講演2「気候変動に伴う積雪・降雪の将来予測」 川瀬宏明(気象研) 降雪量や積雪深はどのように変わるのか.極端降雪や降雨イベントは今後増えるのか.温暖化予測から想定される生活様式について概観します. |
18:15 |
講演3「雪との暮らし」 永井裕人(早稲田大) 雪を生活に活かし,雪と共生する暮らしについて,これまでの取り組みについて紹介します.また参加者の皆さんの取り組みについても紹介する予定です. |
18:30 |
交流時間(30分:非公開) 複数のグループに分かれ,次世代の雪を生活の営みに活かす暮らしについて話し合います.事前に参加者の興味・希望するテーマ等を募集し,交流時間では頂いた内容をもとに,皆さんと話し合いができる機会を検討しております.交流会の最後に,各グループで話し合った内容を集約し,次世代の新しい雪と共生する暮らしの提案・活用策についてまとめます.ぜひご参加ください. |
次世代の雪を生活の営みに活かす暮らし
温暖化,生活・くらし,気候システムの変化,降雪・降雨・積雪の変化,降雪分布予測,衛星観測技術の利用
03-D21 危機からよりよい社会を創る:歴史と未来をつなぐ対話
06-D13 どんなときでも理科をあきらめない! 災害時に途切れない教育セーフティネットワークとは?
06-C15 光ファイバー地震計が拓く新たな海底地震・津波観測の新展開
07-E10 北極から探ろう!未来の防災サービス
07-E13 包括的な災害リスクのプロアクティブアラートに基づくインクルーシブ防災の実現
07-E15 海・山・人がつむぐ自然との共生:3.11を越えた未来へ