SCIENCE AGORA

2021年11月3日(水・祝)7日(日)

《プレアゴラ》10月10日(日)11日(月)

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No.03-D2111月3日(水)22:00~23:30

危機からよりよい社会を創る:歴史と未来をつなぐ対話

Frame the better future responding the crises: Benchmarking

競争力協議会世界連合(GFCC)/ロンドン大学クイーン・メアリー校/科学技術振興機構(JST) Global Federation of Competitiveness Councils / Queen Mary University of London / Japan Science and Technology Agency

企画概要

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社会を繰り返し襲う危機を乗り越え、人類はいかに社会を発展させてきたのでしょうか。私たちは今直面する危機から、よりよい社会をつくることができるでしょうか。例えば、過去の二度の大戦は、その後の欧州連合の創設につながりました。1959年の伊勢湾台風は、その後日本の災害対策基本法と治水本格整備につながりました。このセッションでは、過去に起こった危機のその後の影響の中から、社会をよりよく発展させた例と、後遺症として社会に陰を残した例をとりあげ、戦争、経済危機、自然災害、感染症の蔓延といった我々が直面する様々な危機からよりよい社会をつくるための努力の方向性について様々な立場の方々と対話したいと思います。

How have we developed our society by overcoming the crises that repeatedly hit us? Can we frame the better future responding the crises we face today? For example, the two world wars of the past led to the creation of the European Union, and the Ise-wan typhoon of 1959 led to Japan's Disaster Countermeasures Basic Law and full-scale development of flood control. In this session, inviting different perspectives, we would like to discuss the effects of past crises, both those that have improved society and those that have left a shadow as an aftermath, and to discuss the direction of our efforts to create a better society from the various crises we face, such as wars, economic crises, natural disasters, and infectious diseases. 

登壇者プロフィール

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ホリディ チャールズ Holliday, Jr. Charles O.

米国競争力懇談会名誉会長、競争力懇談会世界連合会長

テネシー大学で産業工学の学士号を取得。ロイヤル・ダッチ・シェル会長、バンク・オブ・アメリカの取締役会長、デュポン社会長兼CEOを歴任。デュポン社では、東京を拠点とするデュポン社アジア太平洋地域の社長を務めた。技術士の資格を持ち、米国国立工学アカデミーと英国王立工学会の会員でもある。

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Wince-Smith Deborah ウィンス-スミス デボラ

米国競争力懇談会理事長兼CEO

ヴァッサー・カレッジ卒業。ケンブリッジ大学キングズ・カレッジで古典考古学の修士号を取得。G.W.ブッシュ政権時代には、商務省技術政策担当次官補、レーガン政権ではホワイトハウス科学技術政策局の国際担当次官を歴任。オバマ政権時代には、上院で承認された内国歳入庁の監視委員会のメンバーを歴任。

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小野 裕一 Ono Yuichi

東北大学災害科学国際研究所教授

2001年に米国オハイオ州立ケントステイト大学で地理学の博士号を取得。竜巻の災害リスク軽減に関する研究に従事。世界気象機関、国際防災戦略事務局に勤務。2012年11月から東北大学災害科学国際研究所教授に就任。仙台で開催される世界防災フォーラムを創設。国連開発計画(UNDP)と民間企業との共同プログラムである災害統計グローバルセンターを開設しセンター長を務める。

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グラント コリン Grant Colin

ロンドン大学クイーン・メアリー校 副学長

2019年初頭までRussell Group International Forumの初代議長、Universities UKのラテンアメリカ担当リード、UUK国際戦略諮問委員会メンバーを歴任。ライプツィヒでの交換留学を経て、1990年にベルリンのフンボルト大学および文学中央研究所で博士号取得のためのフィールドに従事。文学、政治学、心理学等で著作多数。

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アルバレス ロベルト Alvarez Roberto

競争力懇談会世界連合事務局長

生産工学分野の工学博士。システム思考者・実行者。ブラジル産業開発庁(ABDI)のシニアマネージャーやコンサルタントとして、25年以上にわたり、テクノロジー、ビジネス、政策、地球規模の問題、コミュニケーションなどの分野でのリーダー層のパートナーシップ構築に従事。

プログラム

22:00

Opening

22:10

1st round topic provision from panelists

22:35

2nd round topic provision from panelists

23:00

3rd round discussion (inviting questions and input from audiences)

23:20

Conclusion & Next step

出展レポート

企画概要の補足

今年は、同時多発テロ(9.11)から20年、東日本大震災から10年の節目の年です。14年前には未曾有の金融危機がありました。そして私たちは今、新型コロナウイルス感染症拡大の中で新しい危機を迎えています。予測できない災害が次々に起こる状況の中で、未来をどのように構想していけばよいのかをじっくり考える年です。今回のセッションに先立ち、春先から競争力懇談会世界連合(GFCC)のメンバー、中でもロンドン大学クイーンメアリー校と科学技術振興機構が主体となって議論を積み重ねてきました。災害から立ち上がり、よりよい未来を構想するには、私たちは今直面している危機を認識し、前向きな信念を持ち、私たちのレジリエンス(強靭さ)と持続可能性を高めなければなりません。そのためのさまざまな洞察を得るための議論の機会となりました。

セッションで話し合った未来像

過去の災害の経験から学び、より強靭な力を備えた社会

セッションでの意見、論点

◆過去から学ぶために必要なこと

  • 災害データの蓄積と共有(途上国では記録がほとんどなされていない)。
  • 経験と記憶の記述と伝承(博物館のネットワークなど)。
  • ベンチマーキング(ランキングが目的ではなく、学ぶ手段として)。
  • 様々な人に尋ね、傾聴し、理解する。

◆レジリエンスを高めるために必要なこと

  • 災害が起こる前から信頼関係を構築し、助け合える仲間を作る。
  • 単独では高められない。セクタや分野を横断した協力、パートナーシップが必要。
  • スパコンやAIのような新技術の有効活用。
  • 安全や健康への投資は、単なるコストではなく競争力につながることを理解する。
  • 人材の循環を通じた学び合い(学ぶ能力こそレジリエンスの本質)。
  • データに基づく意思決定、将来の防災・減災への合理的な投資。
  • 倫理規範や価値を共有した他国間枠組みの構築(e.g.UN, IMF, 世銀など)。
  • 先進国は、途上国のハザードマップや防災白書を作る手助けをする。ギャップを埋める。
  • 次に起こる問題は予測できない。基本システムや人材の強靭さを高めるしかない。
  • 変化を受け入れる能力を持つ。
  • 共感や信頼はベンチマーキングの新しい評価指標になりうる。

◆今私たちはどのような危機に直面しているか

  • 貧困の拡大。
  • 気候変動によるエネルギーシステム転換の要請。Bumpy road!

セッションで出たキーワード

ベンチマーキング、競争力、レジリエンス、セクタ横断、分野横断、変化を受容する能力、エネルギーと気候変動、再生可能エネルギー、災害データの記録、オープンデータ、将来への投資、災害関連ミュージアム間の連携、語り継ぎ、災害は忘れた頃にやってくる、他国間枠組、記憶、信頼、共感、倫理、貧困の撲滅、答えの無い問題、傾聴、人材の循環、包摂性とパートナーシップ

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