統合型材料開発システムによるマテリアル革命

新着情報

  • 2022年1月16日 その他 マテリアル革命 IoE社会

    SIP 第1、2期の各課題に関わるお問い合わせアドレスが以下のSIP総合窓口に変更となりました。※
    メール件名に当該課題名(略称)を明記のうえ、SIP総合窓口にお問い合わせください。

    SIP総合窓口: SIP総合窓口メールアドレス

    ※各課題のアドレスは2023年3月末で廃止となります。
    ※SIP第1期「「レジリエントな防災・減災機能の強化」は現在の「防災減災のメールアドレス」ままです。

    SIP 第2期 お問い合わせ先
    SIP 第1期 お問い合わせ先

  • 2022年12月16日 イベント マテリアル革命

    統合型材料開発システムによるマテリアル革命「最終成果報告会」開催

    日時:
    2023年2月8日(水)10:00-17:45
    開催方法:
    イイノホール(東京都千代田区内幸町)
    オンライン配信(zoomウェビナー使用)

    最終成果報告会フライヤー

  • 2022年10月28日 トピックス マテリアル革命

    A2-4サブチーム(物質・材料研究機構)が、「大規模かつ高解像度三次元解析手法により疲労亀裂の成長メカニズムを解明~航空機エンジン用部品の信頼性確保に光明~」をプレスリリースしました(2022年10月28日)。

    物質・材料研究機構プレスリリース

プログラムディレクター(PD)

  • プログラムディレクター(PD)三島 良直

    プログラムディレクター(PD)
    三島 良直
    日本医療研究開発機構 理事長
    東京工業大学 名誉教授・前学長

  • サブPD(サブプログラムディレクター)毛利 哲夫

    サブプログラムディレクター(サブPD)
    毛利 哲夫
    北海道大学 名誉教授

PDの挨拶

戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)* 第2期「統合型材料開発システムによるマテリアル革命」は2018年度にスタートし、いよいよ最終年度に入りました。これまで、素材関連産業のさらなるグローバル競争力強化のために、材料工学手法に実験及び理論計算に基づいたデータ科学を活用して、計算機上でプロセス・組織・特性・性能をつないで材料開発を加速する統合型材料開発システム、すなわちマテリアルズインテグレーション(MI)システムを世界に先駆けて開発してきました。構造用金属材料向けのMIntと炭素繊維強化プラスチック(CFRP)向けのCoSMICの2つを柱とし、さらに金属間化合物、セラミックス基複合材料という次世代材料にも対応するMIシステムも構築中です。これらには逆問題解析手法も導入して、欲しい性能から材料・プロセスをデザインする機能も備えています。

私たちは、MIシステムが企業や大学・国研の研究開発で有効活用され材料開発が加速することを、社会実装の目標としています。最終年度では、開発した計算モジュールやデータベースのMIシステムへの実装、さらにその検証・実証にも注力して参ります。また、MIシステム利用の場となるコンソーシアムの活動拡大にも努めます。MIシステムを活用して開発された製品・技術が実用化・事業化されることを願い、これからも研究開発に邁進します。皆様のご指導、ご鞭撻を宜しくお願い申し上げます。

2022年7月

* SIP(Cross-ministerial Strategic Innovation Promotion Program)とは、内閣府総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)が司令塔機能を発揮して、府省の枠や旧来の分野を超えたマネジメントにより、科学技術イノベーション実現のために創設した国家プロジェクトです。詳細は内閣府SIP HPをご覧ください。

研究開発内容

マテリアルズインテグレーション(MI)システム

マテリアルズインテグレーション(MI)システムとは、材料工学手法に実験及び理論計算に基づいたデータ科学を活用して、計算機上でプロセス・組織・特性・性能をつないで材料開発を加速する統合型材料開発システムであり、計算機上で材料の諸事象をバーチャルに再現することで、材料開発の時間短縮・コスト低減を主目的としています。
ここで扱う対象は、最先端構造材料・プロセスです。構造材料を選択した主な理由は、その使用期間は長いものでは数十年にもなり、それに対応して開発にも多大な時間・コストを要し、MIシステムによる開発の効果が期待できるからです。

研究開発の体制は、逆問題MI基盤を構築するA領域(A1~A5チーム)とCFRP材料開発に取り組むB領域(B1~B3チーム)、及び、粉末・3D積層造形に取り組むC領域(C1,C2,C4,C5)の3領域、12チームです(合計43機関)。
B,C領域はA領域に実験データをフィードバックしながらA領域で構築されたシステムを実際の材料・プロセスに適用し、その有効性を検証・実証していきます。

MInt(Materials Integration by network technology)の概要

構造用金属材料を対象としたサイバーシステムMIntは、物質・材料研究機構(NIMS)を拠点として開発が進められています。MInt上でモジュールと呼ばれる計算ツールを接続してワークフローを構成することで、プロセスから構造、特性、性能まで一気通貫に予測できます。一例では、半月かかる実験を、サイバー空間では半日に短縮できます。さらに、最適化手法と組み合わせることで、欲しい性能から最適なプロセスや構造を提案することも可能となります。

MIntは分散計算の仕組みを備えており、各企業が持っている秘匿性の高いデータを用いた計算は企業内の安全な計算環境で実行し、得られた結果のみをやり取りすることで、秘匿性を確保しながら、ワークフロー計算を完遂できます。また、インターネットを通じた遠方からの利用、音声や動画によるマルチメディア方式のチュートリアルの提供など、使いやすいシステムを目指しています。

マテリアルズインテグレーションコンソーシアム(MIコンソ)の概要

MIntを社会に役立てていくために、産学官連携組織「マテリアルズインテグレーションコンソーシアム(MIコンソ)」を設立しました。MIコンソの運営はNIMSが担っています。MIntを基盤として、産学官の共同研究により、材料イノベーションを促進していきます。同時に、共同研究から生まれた最新のモジュールなどを還元することでMIntを常に最新の材料研究成果が反映されたものとし、これを利用する産学官の研究開発力の向上を図っていきます。

CoSMIC(Comprehensive System for Materials Integration of CFRP)の概要

炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を取り扱うMIシステムとして、CoSMICの開発が東北大学を中心に進められています。これまでに航空機構造用のCFRP設計をターゲットとした12個のモジュールを開発してきており、原子・分子スケールから機体構造までのマルチフィジックス/マルチスケールシミュレーションが可能です。今後はユーザーニーズの高まりに応え、航空機産業以外の製品開発を支援するためのモジュール開発も進めていきます。

ユーザーはリモートでシステムにアクセスでき、東北大学に設置されたスーパーコンピューターを利用して大規模な高速計算が可能です。システムを取り扱うユーザーインターフェースにGUIを搭載し、マニュアルと合わせてユーザーフレンドリーな使いやすさとなっています。

CoSMICコンソーシアム

MIntと同様に、CoSMICでも多くの企業による利用促進のため、 2022 年 5 月にコンソーシアムが発足し、システムの本格活用が始まりました。発足式にはSIPに参画していない企業も含めて25社が参加しました。

研究開発計画

統合型材料開発システムによるマテリアル革命研究開発計画(PDF:1211KB 内閣府のサイト)

研究開発項目・テーマ

3つの領域で12テーマの研究開発を実施しています。

研究開発体制

研究開発全体像(領域・チーム構成)

研究開発体制は、A領域(5チーム):先端的構造材料・プロセスに対応した逆問題MI基盤の構築(逆問題MI基盤)、B領域(3チーム):逆問題MIの実構造材料への適用(CFRP)、C領域(4チーム):逆問題MIの実構造材料への適用(粉末・3D積層)の3領域、12チームから構成されます。A領域は、計算モジュール、データベース、ワークフロー、逆問題解法など、MIシステムの基盤技術開発および先端材料・プロセスへの展開を行います。B領域、C領域は、いわば潜在的ユーザーとして、A領域で開発された技術を実際の材料・プロセス開発に用いて、その有効性を実証します。研究開発の全体像を以下に記載します。