問題解決型サービス科学研究開発プログラム 【国立研究開発法人科学技術振興機構 社会技術研究開発センター】

平成29年3月で本プログラムは終了いたしました。

プロジェクト紹介

平成25年度採択

≪研究開発プロジェクト≫ A研究

経験価値の見える化を用いた共創的技能eラーニングサービスの研究と実証

淺間一写真

■研究代表者
淺間 一 
東京大学大学院工学系研究科 教授
■目 的

  • 技能教育サービスを高める経験価値の構成要素を明らかにする
  • 技能教育における経験価値の定量化と見える化の方法論を確立する
  • 提供者と受容者の時系列的に変動する経験価値を基にした共創メカニズムを分析できるツールを開発し,実例を通して,技能教育現場における共創メカニズムを解明する
  • 現場適用を図り,個々のケースに適した共創メカニズムのエッセンスを抽出,共創が生じる技能教育の教示法を見出す

■アプローチ

  • 動作分析および表示技術開発:技能者および学習者の動きの3次元計測を行い、それらの動作を分析する。さらに、動きを可視化し、3次元の任意視点映像表示を行う
  • 技能のデータベース化:熟練者の動作分析に基づく特徴量を抽出、さらに、インタビューを行い、暗黙知の形式知化を行う
  • 満足感評価ツールの構築: 心理評価と生理計測を組み合わせることで推定する
  • 経験価値定量化:満足感と動作・行動の相関変化を解析する

《概要》

近年、製造業をはじめ、技能者が持つ技能をいかに伝承するかが問題となっています。スポーツや楽器などの技能を含め、通常技能教育は学習者と指導者が同じ時間と場所を共有して行われるため、場所、時間、人数の制約を受けます。その解決策として考えられるeラーニングでは、3次元で動きを見せ合ったり、場を共有し相互の意図や満足感をスムーズにやりとりすることが難しいため、互いの経験価値が高まらないという問題があります。

本プロジェクトでは、ものづくりの技能や介護技術などの職務的技能、スポーツの上達に関する趣味的技能を対象とし、時間と場所を共有しなくとも学習者と指導者が共創的に経験価値を高め合いながら、技能の教授、習得が可能となる新たなeラーニングシステムの構築を目指します。

具体的には、学習者と指導者の身体動作の違いを計測し、技能(コツ)を抽出する手法を構築するとともに、学習者の上達具合や満足感を定量評価する手法を開発します。これらをeラーニングシステムに統合することで、指導者へもフィードバック可能な経験価値共創プラットフォームの実現を目指します。この結果、技能教育の効率化を実現するだけではなく、学習者と指導者の満足感の向上にもつながり、サービスの質を高めることができるようになります。

《研究概念図》

説明図

本資料は以下に帰属する
プロジェクト:経験価値の見える化を用いた共創的技能eラーニングサービスの研究と実証
プロジェクトリーダー:淺間 一


スフィアより