問題解決型サービス科学研究開発プログラム 【国立研究開発法人科学技術振興機構 社会技術研究開発センター】

平成29年3月で本プログラムは終了いたしました。

プロジェクト紹介

平成23年度採択

≪研究開発プロジェクト≫ B1研究

医療サービスの「便益遅延性」を考慮した患者満足に関する研究

藤村和宏写真

■研究代表者
藤村 和宏
香川大学 経済学部 教授
■目 的

  • 医療サービスの特質である「便益遅延性」を考慮した患者満足の測定尺度の開発
  • 「便益遅延性」のために、「患者満足」、「実体としてのサービスの品質」、および「患者参加」の間の関連性に歪みが生じやすいので、理想的な関連性を導く方策の開発

■アプローチ

  • 医療サービスの知覚品質モデルを、時間経過による品質要素およびその重要性の変化という視点や、患者および医療従事者の視点を入れて構築し、このモデルに基づいて患者満足の測定尺度および理想的な関係を導く方策の開発を行う。
  • モデルや測定尺度、方策の有効性を検証し改善を行うために、医療サービス組織の患者および医療従事者を対象として質的調査と定量的調査を実施する。

「便益遅延性」とは、サービス・デリバリー・プロセスが終了してからもデリバリーされたサービスが作用し、変化が継続して続くようなサービス特性であり、医療サービスはこのような時間的ズレが生じるサービスの典型である。医療サービスの品質と患者満足の向上を図るには、医療サービス組織におけるそれらの水準を適切に評価する必要があるが、「便益遅延性」のために、患者満足の測定において歪みが生じ、実体としての医療サービスの品質が適切に反映されない可能性が高い。また「便益遅延性」のために、患者も実体としての医療サービスの品質を適切に評価できないために、適切な参加が抑制されるおそれがある。サービスはサービス組織と顧客との協働によって生成されることから、サービスの品質や顧客満足、生産性などの向上を効果的かつ効率的に図るには、サービス組織側の生産資源の質および量の向上やそれらの生産資源を活用する組織能力の向上だけでなく、顧客側のサービス・デリバリー・プロセスへの参加(役割遂行)の積極化と適切化を図ることも必要不可欠である。このような問題のために、本研究開発プロジェクトでは、上記の目的の達成を目指す。

説明図

本資料は以下に帰属する
プロジェクト:医療サービスの「便益遅延性」を考慮した患者満足に関する研究 プロジェクトリーダー:藤村 和宏


スフィアより

■関連情報