科学の社会史〈上〉〈下〉
廣重徹
岩波現代文庫 2002年、2003年
世界システムの転換期の現在、科学技術のあり方も歴史的な構造変革を迫られている。キーワードは、「知識のための科学」から「社会のなかの、社会のための科学」である。この考え方を、40年近く前に先駆的に提唱したのが本書である。近代科学技術体制の歴史的変遷と科学技術の前線配置の転換の必要性について説得的に叙述し、今読んでも知的刺激と熱い思いが伝わってくる。
(有本建男:独立行政法人科学技術振興機構社会技術研究開発センター センター長)