Science and Citizens: Globalization
and the Challenge of Engagement
Melissa Leach・lan Scoones・Brian Wynnel/編
Zed Books 2005年
バイオテクノロジーなど科学技術が社会に広く深く浸透するにつれて、これまでその成果や弊害を一方的に受け取るだけだった一般市民も、科学技術の研究開発や利用、関連する政策のあり方に対して、積極的に声をあげ、意思決定に関与する必要性が高まっている。科学技術についても、社会保障など他の社会政策と同様に、意思決定に参加し、影響力を行使するための権利の保障/責任といった「市民権(シティズンシップ)」が求められている。本書は、そうした現代の科学技術と市民の姿を、先進国だけでなく途上国も視野に入れた豊富な事例研究と理論的検討によって描くものであり、科学技術と社会の相互作用を考えるにあたって必読の書である。
(平川秀幸:大阪大学コミュニケーションデザイン・センター 准教授)