低炭素社会の実現に向けた技術および経済・社会の定量的シナリオに基づくイノベーション政策立案のための提案書

LCS-FY2016-PP-01

太陽光発電システム(Vol.4)
—定量的技術シナリオに基づく太陽電池モジュールの製造コスト低下要因分析—

概要

 LCS では、太陽光発電システムを対象に、独自の技術評価手法を用いて「定量的技術シナリオ」を構築し、コスト展望と技術水準を明示した科学・技術ロードマップを提示している。これまで、2030年に向けた各種太陽電池のシステム導入原価の低減可能性と重要技術開発項目を示してきた。

 本稿では、2012~2015年度のLCS提案書で示した将来の技術水準を再評価してコスト展望を改めて示すとともに、近年の製造コスト低減要因を評価した。第一に、システムコスト展望の改訂では、特に近年の技術開発が加速していることが分かった。また、更なるコスト低減のためには各種太陽電池の高効率化に向けたタンデム化の技術開発も重要である。第二に、近年の製造コスト低減の要因について、2012年技術水準と2015年技術水準のコスト構造の比較から、市場規模の拡大のみならず、製造技術の向上による各要素のコスト低下が示された。第三に、LCSの技術評価手法を評価するため、本分析手法の基礎とした1991年時の分析結果と比較した。その結果から、技術予測は継続して再評価する必要があるが、分析手法としての意義を示した。以上の分析結果から、定量的技術シナリオの活用に基づく技術評価を提案するものである。

提案書全文

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