LCS-FY2018-PP-11
木質バイオマスエネルギーポテンシャルの地域分布(Vol.2)
—不均一に分布する人工林の伐採作業のコスト—
概要
木質バイオマス生産の低コスト化を推進するためには、大面積の人工林に高性能林業機械を導入し、高い生産性で作業を行うことが必要である。LCSでは、すでに人工林が一様に分布する条件のもとで、木質バイオマスの生産コストの低減化について計算している。しかし、実際には、人工林の分布パターンは不均一であるため、林業機械が林分間を移動するコストを考慮する必要がある。
本稿では人工林のGISデータを用いて、広域にわたる主伐作業における移動コストを計算した。静岡県天竜森林計画区において、人工林の分布が集中する地域では移動コストは木質バイオマス生産総コストの約1%、人工林が分散する地域では4%以内となった。移動コストが生産総コストに与える影響は小さく、低コストでの木質バイオマス生産の可能性があった。