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- [未来数理科学] 2024年度採択課題
大阪大学
蛋白質研究所
准教授
本研究では、分子、細胞、生体組織などが階層的に連なる生体システムの動作原理の理解を目指しています。疾患変容メカニズムを遺伝子制御の観点から包括的に理解するための数理基盤を構築することで、疾患の予測や最適制御、および医学への応用を可能にします。数理科学とデータ科学を融合させ、多モダリティのデータを表現する空間を定義することで、汎用的な計算ツールの開発にも取り組みます。
信州大学
繊維学部
助教
曲面状の構造体の形をリアルタイムに制御することができれば、個人や環境に合わせて変形する衣服、建築、家具の実現に繋がります。そのためには、予測と制御において利用可能な計算量の少ない形のモデルが必要です。特に、閉じた曲面状の構造体では、形のモデル化が容易ではありません。本研究では、区分的に平均曲率が一定という仮定に基づいて、閉曲面状の構造体の数学的表現を探求し、構造体の形の制御を目指します。
公立はこだて未来大学
システム情報科学部
准教授
本研究では、量子系の数理に潜む非線形構造に着目し、量子系の複雑な現象を解明・解析し、予測を行い、さらに制御するための量子非線形科学の基礎理論の構築を行います。本研究は、力学解析、データ解析、制御の観点から、量子非線形科学の新しい学問領域の地平を切り開き、量子情報処理、量子機械学習、量子計測制御に関する新規の技術創出のための理論の礎となり、量子情報処理及び量子デバイス技術の発展に貢献します。
千葉大学
大学院情報学研究院
助教
本研究では、グレブナー基底の計算に代表される高コストな代数的・記号的な計算アルゴリズムを機械学習を用いて抜本的に加速し、大規模代数方程式の計算を実現することを目指します。特にその基盤となる計算代数アルゴリズムと機械学習モデル・理論の開発を行います。本目標が達成されれば、代数的手法による厳密な解の計算などを大規模な制御システムで実現できます。
情報・システム研究機構
統計数理研究所
准教授
劣モジュラ最適化は、グラフやネットワークなどの離散的な対象を扱う様々な問題を統一的に表現できる幅広いモデリング能力と、効率的なアルゴリズムとを兼ね備えた非常に強力な枠組みです。本研究課題では、部分集合を扱う従来の劣モジュラ最適化を、部分空間を扱う劣モジュラ最適化へと拡張し、幅広いモデリング能力と行列計算に基づく効率的なアルゴリズムとを備えた新しい組合せ最適化の枠組みを構築します。
京都大学
大学院情報学研究科
特定助教
代理損失の最適化が評価指標の最適化を誘導するかどうかを検証する枠組みである適合性解析を拡張し、勾配流ダイナミクスと適合性解析を統合する。その際に、最適化の予算上限に応じて許容可能な誤差水準や停止時間が異なるときに最も良い損失関数を選ぶための枠組みとして発展させる。その応用先として、棄却付き分類において最適化の予算上限を考慮したproper lossの選択を行う。
東京大学
大学院総合文化研究科
特任助教
転換点をはじめとする不確実性を伴う複雑事象の予測と制御において、高次元確率微分方程式モデルは重要な役割を果たします。しかし関連事象のレジームシフトが生じると、単一のモデルによる事象の予測と制御は有効でなくなります。このようなモデルの誤りに対処するために、レジームシフトを統計学における変化点と見なし、これを適切に検知できる方法を研究します。
大阪大学
大学院理学研究科
助教
本研究は、複雑システムのロバスト制御とネットワーク・トポロジーの関係を解明し、新たな「トポロジカル制御理論」を確立することを目的とします。化学反応系や電気回路など多様なシステムにおけるロバスト制御可能性を、トポロジカル不変量を通じて特徴付け、その理論を数学的に定式化します。さらに、効率的な制御機構検出アルゴリズムを開発し、合成生物学などでの活用を目指します。
名古屋大学
情報学研究科
准教授
現在のAI技術は膨大なリソースを必要とし日本は米国や中国の後塵を拝しています。日本が米国や中国に打ち勝つことができるとすれば、現在のリソース勝負AIの一歩先をゆく斬新な理論的アプローチをとることによってであると考えられます。本プロジェクトでは、圏論という構造主義数学に基づく次世代融合AI研究に取り組みます。特に、現在のタスク特化型AIの限界を突破し普遍性を持つ汎用人工知能の理論的基礎を探求します。
北海道大学
電子科学研究所
助教
ありとあらゆるシナリオをシミュレートし、最適な意思決定を導く—この理想的な予測・制御を実現するための量子計算技術を本研究では創出します。具体的には、作用素論的力学系理論に立脚し、量子微分方程式ソルバーを用いて多種多様なシナリオを並列にシミュレートした後に、量子動的モード分解により本質的な情報を抽出し、動的現象の理解や制御に有用な縮約モデルを構築する、一連の動的現象解析プログラムを開発します。
東京大学
大学院情報理工学系研究科
講師
心臓や筋肉の機能を再現する筋組織工学は、再生医療、創薬など様々な社会課題に関係する技術として発展しています。しかし、作製される筋組織の設計は経験則や試行錯誤に大きく依存しています。本研究では、複素解析を基盤とした細胞配向理論に基づき、(1)機械的収縮機能、 (2)自己修復機能、(3)興奮伝達機能の観点から筋組織工学における筋機能の予測設計・制御を実現する新たな数理基盤の開発を行います。
理化学研究所
革新知能統合研究センター(AIP)
研究員
大規模複雑系に潜む抽象的潜在空間とその上での予測制御則とを統一的にデータ駆動学習する手法を開発することで、様々な自然・社会現象の背後にある未知の数理構造の解明とそれに基づく予測・制御の実現を目指します。
東北大学
数理科学共創社会センター
助教
本研究課題では、最適輸送理論を基として、時系列scRNA-seqデータを用いて細胞分化ダイナミクスを推定する手法を開発し、遺伝子発現空間におけるWaddingtonのエピジェネティックランドスケープとそれを形成する遺伝子制御ネットワークを推定・制御する数理基盤の構築に取り組みます。また、時系列scRNA-seqデータから実際の三次元組織における時空間遺伝子発現パターンの復元も目指します。
北陸先端科学技術大学院大学
先端科学技術研究科
准教授
マルコフリフトに基づく多項式過程として環境・資源ダイナミックスを統一的に記述し、転換点の有無やその前兆の解析を効率的に行う。また、データの揺らぎや記憶に対応するオーリッチ空間の変遷を追跡することで、転換点を避け、さらに転換点を迎えた系を再活性化できる予測・制御に取り組む、数理手法の構築のみならず、「消滅可能性自治体」等に複合的な環境測定システムを設置し、データ収集を行うことで提案手法を検証する。