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- [計測解析基盤] 2023年度採択課題
量子科学技術研究開発機構
関西光量子科学研究所
上席研究員
国内最高輝度・微小集光の軟X線放射光と計測インフォマティクスを活用することで、磁場印加中でスピン分解・角度分解光電子分光の顕微計測を可能にする革新的な装置を開発します。新規トポロジカル材料の局所のみに存在する電子状態・スピン状態・磁場応答を可視化することで、バンド構造・スピンテクスチャ・磁気構造の相関を解明し、高機能性の解明、基礎学理の構築、そして新規材料の探索・設計指針の取得を目指します。
金沢大学
ナノ生命科学研究所
特任助教
高速AFM計測・解析技術の自動化を行い、開発した自動化システムのベンチマークのために、モデルケースとして天然変性タンパク質をターゲットとして計測を行う。天然変性タンパク質は、様々な疾患の原因であり、その構造や作用機構を解明するための基盤技術を確立することで、SDG3(健康と福祉)への解決策を与えることができる。
東北大学
多元物質科学研究所
助教
蓄電池等の化学・電気化学デバイスには、多数の材料粒子の集団から成る複合部材が用いられます。こうした粒子集団では、個々の粒子の挙動からは予測できない、集団に特有の化学反応が生じ得ます。本研究では、この粒子集団特有の化学反応ダイナミクスを実測し、その大規模計測データを解析することで、集団特有の振舞いが生じるメカニズムを理解するとともに、得られた知見をデバイス設計に活用するための方法論を確立します。
情報・システム研究機構
統計数理研究所
准教授
統計科学の手法を用いた先端計測システムの最適化や、データ取得とデータ解析の相互最適化、さらには計測科学と統計科学の研究者をつなぐ意思決定支援システムの研究を通し、研究目的を達成する。計測条件の検討や意思決定が、予測に対する統計学的モデリングと類似する点に着目し、また計測条件や起こりうるシナリオを視覚的に表すグラフ表現を導入することで、計測科学と統計科学の間の障壁を克服し、両者を密接に結びつける。
弘前大学
大学院理工学研究科
助教(PI)
本研究では,界面選択的振動分光法である和周波発生振動分光法(SFG分光)を顕微分光法へと適用し,さらに超解像イメージング分野で利用されてきた光学スキームを利用することで,数ミクロン程度に留まっていた水平方向空間分解能をサブ100nm以下の領域へ100倍以上の向上を目指す.さらに,官能基の配向や官能基のオングストロームレベルでの位置情報を取得することで,実空間界面分子環境の可視化に挑戦します。
物質・材料研究機構
磁性・スピントロニクス材料研究センター
グループリーダー
有限温度域には高機能準安定相や創発物性が潜んでいると期待できます。しかしながら、温度効果が考慮されない既存の第一原理計算手法でこれらを探索するのは困難です。本研究では、フォノンやマグノンなどの素励起を第一原理的にモデリングするアプローチによって、温度変化にともなう構造変化や物性変調を予測できるシミュレーション手法の創出を目指します。また、有限温度での機能材料開拓に展開し、手法の有効性を実演します。
東京大学
大学院 新領域創成科学研究科
准教授
過渡吸収分光法は、短寿命過渡種のダイナミクスを定量的に計測できる数少ない手法であるため、「光」を扱う広範な分野において産・学問わず幅広く用いられています。しかし、過渡吸収分光法には従来法では測定困難な「ギャップ時間帯」が存在することが知られています。本研究では、従来法に情報処理手法を融合することで、「ギャップ時間帯」の高精度計測に挑戦します。
九州大学
マス・フォア・インダストリ研究所
准教授
古くは17世紀から続く数理モデリングは現象の理解を推進してきました。しかし、現代的なデータ科学の視点に立つと、未だ残る実践的課題が浮かび上がります。本研究では、モデルの不定性・観測ノイズ・モデル不一致の三課題に着目し、それら全てに対処する方法やその裏付けとなるベイズ推定の基礎論を構築します。これにより、計測データに根ざしたモデリング原理を確立し、あらゆる現象を曖昧さなく理解する指針を打ち出します。
(一財)ファインセラミックスセンター
ナノ構造研究所
上級研究員
蓄電池充放電反応の原子分解能その場観察の実現を目指します。実現に必要な(1)反応領域制御、(2)試料方位制御、(3)電子線照射量低減を可能にする電子顕微鏡計測システムを構築することにより、電極材料内部のイオン分布変化と付随する局所構造変化を動的かつ原子レベルで可視化します。得られる充放電反応の動的描像に基づいて、非平衡かつ微視的視点に立脚したナノ電気化学の学理構築に寄与することを目指します。
産業技術総合研究所
計量標準総合センター
主任研究員
産業のハイテク化に伴い、ガス中に含まれる微量成分を精確に測定する需要が高まっています。本研究では、高フィネス共振器を用いてガス中微量成分を直接、高感度・高精度に測定可能となる技術を開発します。時間分解能・空間分解能の高いデータを取得し、さらにインフォマティクス(機械学習)を活用することで、今まで見えていなかったものの測定が可能となる、材料開発に貢献可能な新規測定システムを確立します。
東京大学
大学院工学系研究科
特任准教授
本研究ではサブÅ空間分解能を有する走査型透過電子顕微鏡(STEM)をベースに電子線照射を活用し、外場印加特殊ホルダーと高度に融合することで、原子分解能STEMその場観察法の確立を目指す。更にこの手法を様々な材料に応用することにより、これまで原子レベル解析が極めて困難であった格子欠陥ダイナミクス過程を原子レベルから解明する。
金沢大学
ナノ生命科学研究所
准教授
原子間力顕微鏡(AFM)は液中で試料表面を原子分解能観察できる技術であり、近年では高速観察や3次元観察などの高度な計測も達成されています。一方、そのデータ解析手段は従来の画像処理の延長に留まり、有益なサブナノスケール情報の効果的な抽出が困難でした。本研究では、多数の液中3次元AFMデータを用いた統計解析による局在化3次元AFM技術を開発し、これまで可視化できなかった固液界面構造解析を実現します。
九州大学
大学院工学研究院
助教
本研究では、4D-STEMによる回折イメージングおよびSTEM-EDX/EELSによる元素・化学状態マッピング、深層学習による画像復元技術を高度に組み合わせることにより、これまでにない正確性で原子配列を3D再構成できる新しいマルチモーダル電子線トモグラフィー技術を開発します。それにより、多結晶性材料中の格子欠陥や表面・界面などの非周期原子配列の3D解析の実現を目指します。