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- 海洋バイオスフィア・気候の相互作用解明と炭素循環操舵/
- [海洋バイオスフィア] 2023年度採択課題
広島大学
大学院統合生命科学研究科
准教授
大気中二酸化炭素の増加に伴う海洋酸性化によって、海洋中のケイ素循環のバランスが崩れ、炭素循環にも影響を及ぼす可能性が指摘されています。また、従来考えられていたよりも多くの微生物がケイ素循環に関与していることが示唆されています。本研究では、海洋酸性化がケイ素と炭素の循環に及ぼす影響の把握に向けて、海洋中のケイ素循環を再評価するとともに、微生物の力を利用して健全なケイ素循環を維持する技術を開発します。
北海道大学
大学院地球環境科学研究院
助教
本研究は海洋による炭素貯留の自然プロセスを理解するため、氷期の炭素貯留庫として有力な南大洋太平洋側において、最終間氷期以降の深層水炭酸イオン濃度変動を定量的に復元することにより炭素貯留量変動を見積もります。その際、自身が開発した新しい復元手法により高い時空間分解能のデータ取得を実現することで、大気二酸化炭素濃度が低下した際に南大洋太平洋側の深層水に貯留された炭素量と貯留プロセスを明らかにします。
京都大学
化学研究所
准教授
海洋における物質循環の主役は植物プランクトンをはじめとした微視的な生物です。海洋生態系の将来像を把握する上で、10万種以上ともいわれる真核微生物の環境応答を理解することが不可欠です。本研究は、海水溶存画分の非生物態RNAの網羅的・定量的分析を用いて全プランクトン種の増殖・死滅を同時に計測する環境影響評価手法を確立し、気候変動下における海洋生態系の応答解明を目指します。
富山大学
学術研究部理学系
特命助教
海洋炭素循環モデルを用いた過去から将来にわたる統一的な数値実験を行い、大陸風化と海水準変動、海底堆積過程に焦点を当て、千年規模の時間スケールにおける海洋の炭素貯留の変化メカニズムを定量的に議論します。
長崎大学
大学院総合生産科学研究科
准教授
本研究では、環境の異なる沿岸域・外洋域双方におけるビタミンB12の動態解析と、船上培養実験による現場植物プランクトン群集のビタミンB12制限の実態についての検証を行います。動態解析や培養実験では、ビタミンB12に加え、鉄など微量金属元素や植物プランクトン・バクテリア群集組成についても調べます。ビタミンB12の海洋物質循環における役割を評価し、海洋環境と気候の相互作用についての理解の深化に繋げます。
京都大学
白眉センター
特定助教
海洋生態系の基盤であるイワシ類の生態は,地球温暖化によってどう変化するのでしょうか。本研究では,最近年に発見された神奈川県(古東京湾)の陸上地層から産出する魚類耳石・二枚貝・有孔虫等の化石標本について,高度安定同位体分析等の複合解析を行います。こうして当時のイワシ類の成長・回遊履歴等と海洋環境条件を復元し,現代との違いを理解することで,温暖化がイワシ類の分布や個体数に与える影響を解明します。
国立環境研究所
地球システム領域
主任研究員
近年頻発する海洋熱波を始めとする極端海洋現象による低次生態系や大気ー海洋間二酸化炭素(CO2)交換量への影響が危惧されています。本研究では、極端海洋現象ーCO2濃度ー植物プランクトンの生理状態(光合成活性)の相互作用の解明と海洋炭素循環への影響を評価するための高時空間観測システムを構築し、北太平洋におけるCO2濃度と光合成活性の季節変動を同時に把握できる世界初のデータセットを創出します。
京都大学
化学研究所
准教授
海水中の微量金属は,植物プランクトンにとって必須栄養素もしくは毒物であるため,海洋の微量金属と炭素の循環は密接に関係し合っています.本研究では,大気エアロゾル,植物プランクトン,海水,海水中粒子,堆積物に含まれる微量金属の濃度と同位体分析によって海洋における溶存態および粒子態微量金属の供給-輸送-除去プロセスの定量的な理解を目指します.
海洋研究開発機構
変動海洋エコシステム高等研究所
ポストドクトラル研究員
マングローブ林は、ブルーカーボン生態系の一つであり、その高い炭素貯留能から注目されている二酸化炭素吸収源です。本研究では、有機物の分解者である微生物のうち細菌に焦点を当て、マングローブ生態系中にどのような細菌が存在し、どのような生命活動を行うことで、高い炭素貯留能を支えているのかを明らかにします。本成果により、環境変動がマングローブ生態系に与え得る影響の評価と将来予測への貢献を目指します。
水産研究・教育機構
水産資源研究所
主任研究員
安定同位体をプランクトン群集に取り込ませて有機物中の13C、15Nを二次イオン質量分析装置(NanoSIMS)で観察して植物プランクトンによるCN取り込み活性を細胞毎に可視化、定量し、得られた結果をFRRf、安定同位体取り込み実験で得られたバルクの結果と比較します。ピコプランクトンを対象に有機態の13C利用を可視化します。上記の結果をモデルに応用して東北沖海域の一次生産を推定します。