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- [量子フロンティア] 2024年度採択課題
豊橋技術科学大学
大学院工学研究科
准教授
量子技術の担い手として室温動作と長距離伝搬が可能な光が注目されています。集積フォトニクス技術を駆使することで、コンパクトな光チップ上で大規模な量子情報処理を行う可能性が拓ける一方、単一材料の有する性能だけでは実現が困難でした。そこで本研究では、異種材料の量子素子をナノ構造によって高性能化しハイブリッドに融合することで、室温付近でスケーラブルに動作できる革新的な集積量子光デバイスの創成を目指します。
京都大学
大学院工学研究科
講師
分子ポラリトンは、分子の電子的・振動的な励起と光共振器モードの強結合によって生じるハイブリッド状態であり、分子システム制御のための有望なアプローチを提供します。しかし、これらのハイブリッドシステムの複雑な性質のため、メカニズムの完全な理解は困難です。本研究は、分子システムにおける分子ポラリトンの物理的性質と化学的反応性を探るために、量子古典混合のマルチスケール理論的な枠組みを開発することを目指します。
理化学研究所
創発物性科学研究センター
研究員
レプトンと呼ばれる素粒子のみでできたポジトロニウム(Ps)原子干渉計を実現し、素粒子物理学の精密実験研究を行います。単純な構造のPsは理論的には扱いやすいですが、寿命が約100 nsと短いため、精密測定が困難でした。量子分野で発展したレーザー冷却等制御技術と融合し、Psの精密測定を実現します。電磁相互作用や反物質重力相互作用の強さを最高精度で決定し、素粒子物理学における問題の解明を目指します。
大阪大学
量子情報・量子生命研究センター
特任准教授
多体トポロジカル物性は、様々な次世代量子機能性材料への応用が期待されていますが、現状ではスーパーコンピュータを用いても解析が困難であることが知られています。本研究では、この多体トポロジカル物性を、現代の量子計算機を用いて解析・制御するための、量子ゲート・アルゴリズム群(トポロジカル・ブレッドボード)の開発を行います。さらに、これを活用して、次世代量子計算の検証や新規量子素子の提案に挑戦します。
産業技術総合研究所
量子・AI融合技術ビジネス開発グローバル研究センター
主任研究員
量子コンピュータの規模拡大を妨げる熱流入問題の解決に向け、高温超伝導体ジョセフソンプラズマエミッターのFM技術を応用した近距離THz無線通信システムを開発します。無線化によりケーブル数を削減し、冷凍機の高効率化、省電力化、低コスト化、小型化を実現します。最先端の量子技術とTHz技術、B5G/6G技術を融合し、通信安定性、ノイズ耐性、熱的特性などの観点からシステムを最適化します。
大阪大学
量子情報・量子生命研究センター
准教授
近年、量子コンピュータを実現するプラットフォームとして冷却中性原子の光ピンセット配列が注目を集めています。本研究では、量子誤り訂正および測定型量子計算への応用を念頭に、長いコヒーレンス時間を持つ核スピン量子ビットと複数の狭線幅遷移を利用可能な「イッテルビウム原子」の連続レーザー冷却およびイッテルビウム原子光ピンセット配列の連続生成の基盤技術の開発を目指します。
埼玉大学
大学院理工学研究科
助教
渡り鳥をはじめとする様々な動物が磁気を感知できることは広く知られています。本研究では、磁覚に関与するとされる磁場効果を示すタンパク質を対象に、磁場効果を生じるメカニズムやその磁気的性質を調べ、そのメカニズムを担うタンパク質の構造と併せて明らかにすることを目指します。また、電磁波や静磁場を用いた反応制御にも挑戦します。生体分子の磁場効果を活用した革新的な医療技術およびバイオテクノロジーの基盤を構築することを目指しています。
慶應義塾大学
理工学部
専任講師
「ストリングrfイオントラップ」という新しい設計に基づくrfイオントラップの開発を目指します。ストリングrfイオントラップは、原子イオンからのレーザー誘起蛍光を集められる立体角が大きい・トラップのサイズが変えられる、という特徴があり、量子情報実験へ非常に有用な手法となると期待できます。本研究ではその実現と、2次元に配列したイオントラップアレイの量子シミュレーションへの応用を目的としています。
東京大学
大学院工学系研究科
助教
量子光学の学理体系に基づき磁性体中の素励起であるマグノンの特性を用いることで、これまで量子情報の担い手となり得なかった強磁性体中に、マグノンの連続量量子状態を実現し、集積化可能な新奇磁性体量子系を創成します。マグノンの強い非線形性を材料・素子構造の最適化によって引き出し、パラメトリック過程により安定化された量子状態を生成することで、磁性体の量子情報担体としての有用性を実験的に実証します。
理化学研究所
量子コンピュータ研究センター
特別研究員
情報源や通信路の詳細を知らずに符号化・復号化を行うユニバーサル符号の理論を、量子通信理論へ拡張することを目指します。特に、構成法が未開拓の量子秘匿通信、量子情報通信におけるユニバーサル符号を開発します。また、通信路の詳細に依らないというユニバーサル符号の特性を、信頼できない量子通信路を用いて盗聴の恐れなく秘密鍵を共有する量子鍵配送と呼ばれるタスクに応用し、新しい普遍的な安全性証明手法を確立します。