[調和物質変換] 2022年度採択課題

内田 竜也

ゼロエミッション酸化反応の開発

研究者
内田 竜也

九州大学
基幹教育院
准教授

研究概要

酸化反応は、ステップエコノミーに優れた官能基化法であるが、その一方で、酸化剤に由来する廃棄物が課題である。本研究では、地球上で最もカーボンニュートラルな酸化剤である分子状酸素を直接活性化する新たな触媒を創生し、望みの位置、望みの立体化学、および望みの官能基を導入できる実用的ゼロエミッション酸化法の開発を進める。

大野 肇

炭素循環構築に資する選別-リサイクル一貫技術評価・開発指針提示基盤の開発

研究者
大野 肇

東北大学
大学院環境科学研究科
准教授

研究概要

GHG排出実質ゼロ達成・化石燃料に頼らない循環型社会構築のため、廃棄物やバイオマスを原料化する前処理(選別)、化学変換プロセスの研究開発が活発化しています。本研究ではプラスチックリサイクルを題材に、開発技術の選択と集中、状況に応じた有効な組み合わせの発見、研究開発の加速への寄与を目指し、炭素完全循環達成にむけた廃プラスチックリサイクル技術の選別ーリサイクル一貫炭素循環性能評価基盤を構築します。

小川 敬也

選択的H+伝導膜に基づくNH3電解合成の手法確立と経済性検証

研究者
小川 敬也

京都大学
大学院エネルギー科学研究科
准教授

研究概要

プロトンのみ選択的に伝導する電解質膜を作製し、高活性触媒を利用できてかつ選択性の高いアンモニア電解合成手法を開発する。かつ経済性を評価をし開発側へフィードバックを繰り返すことで、経済的にも実現可能な合成手法の確立を目指す。

熊谷 明哉

ナノ電気化学-ラマン分光の同時計測オペランド顕微鏡の開発

研究者
熊谷 明哉

千葉工業大学
工学部
教授

研究概要

本研究では、ナノメートルスケールにおける電気化学反応とラマン分光計測を同時に計測可能な新規オペランド顕微鏡の開発を行います。本顕微鏡の開発を通して、二次電池や触媒などのイオンが介在する多様な電気化学反応と微小構造領域における分光特性を定量的に可視化・解析評価します。これを活用することで材料の物質変換機構の解明や機能性創発の要因の特定を目指します。

芝 駿介

CO2ナノバブル還元による高効率エタノール合成

研究者
芝 駿介

科学技術振興機構
さきがけ研究者

研究概要

CO2ナノバブルをエタノールに高効率還元可能な金属-カーボン複合電極触媒を開発します。具体的には、共スパッタ法によりカーボンペーパー上に金属ナノ粒子埋め込みカーボン薄膜を成膜して電極触媒化し、さらにプラズマ処理によりカーボン表面を改質し、ナノバブル還元に適した表面状態とします。以上により、ファラデー効率90%以上、1 A/cm2以上の大電流でCO2をエタノールに高速還元する電極触媒を実現します。

永島 裕樹

固体触媒を対象とした固体 DNP-NMR 表面構造解析の基盤技術開発

研究者
永島 裕樹

産業技術総合研究所
材料・化学領域触媒化学融合研究センター
主任研究員

研究概要

金属酸化物、硫化物、窒化物などで構成されるナノ材料は、固体触媒として広く利用され、持続可能な社会の実現のための物質変換に利用され得る重要な物質群です。革新的な固体触媒を合理的に設計するために、表面構造を知るための原子レベルでの高度な解析法が求められています。本研究では、これらの表面を選択的に解析できる固体DNP-NMRの基盤技術開発を推進するとともに、新たな測定法の創出を目指します。

永縄 友規

リン酸態リンのアップサイクル物質変換

研究者
永縄 友規

産業技術総合研究所
材料・化学領域触媒化学融合研究センター
主任研究員

研究概要

リンは、あらゆる生物にとって欠くことのできない元素です。一方その原料であるリン鉱石は、我が国では産出せず、かつ枯渇性資源でもあることから、最も重要な戦略物質のひとつでもあります。本研究では、未利用リン資源として下水などに含まれている安定なリン酸態リンに着目し、これをリン酸エステルなど高付加価値なリン化成品へとアップサイクルする触媒的物質変換を実現し、リン資源循環利用技術の社会実装を目指します。

藤井 祥万

nm~kmのシームレスな接続による先制的LC設計評価手法の開発

研究者
藤井 祥万

東京大学
未来ビジョン研究センター
特任講師

研究概要

未利用熱融通による資源循環を事例に研究のスケールを①nm~mm:マテリアル、②mm~m:コンポーネント、③m~km:システムで切り分け、技術情報をシステム評価に反映させるフォアキャストと、ライフサイクル思考で各技術開発項目の設計にフィードバックするバックキャストを繰り返すことで新興技術の社会実装を加速させる「先制的LC(ライフサイクル)設計評価手法」を実証し、その方法論を確立する。

三ツ沼 治信

光エネルギーを利用した温和な条件で進行するアルカンメタセシス反応の開発

研究者
三ツ沼 治信

東京大学
大学院薬学系研究科
特任助教

研究概要

カーボンニュートラルの実現に向け、持続可能な航空燃料の成分である長鎖アルカンの効率的な合成法の開発が求められています。本研究では、ドナー・アクセプター分子の自己組織化を基軸とした可視光駆動型脱水素触媒系を開発し、温和な条件で進行する触媒的アルカンメタセシス反応の実現を目指します。これにより合成燃料の主成分である低級アルカンを原料に希少価値の高い航空燃料を高効率で供給する方法を確立します。

谷田部 孝文

金属ナノ触媒の階層設計による従来有機合成を脱却する未踏反応開発

研究者
谷田部 孝文

東京大学
大学院工学系研究科
助教

研究概要

段階的に機能集積する金属ナノ触媒の階層設計により、均一系触媒とは異なる固体触媒特有の触媒特性を利用し、従来有機合成を脱却する環境調和型未踏反応を開発します。特に、「脱離基・保護基・量論試薬に依拠しない高選択的精密有機分子変換」「新たな活性点構造による従来触媒では未踏の分子変換・選択性」を達成し、地球環境と調和する有機合成の確立や、固体触媒による新規有機反応開発に関する新たな学理の構築を行います。

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