[量子協奏] 2024年度採択課題

秋山 了太

原子スケール表面精密制御による超高感度NV量子センサー開拓

グラント番号:JPMJPR2451
研究者
秋山 了太

東京大学
大学院理学系研究科
助教

研究概要

ダイヤモンドNVセンターは長いスピンコヒーレンス時間を持ち、量子状態が外場に敏感なため次世代の高感度量子センサーとして注目されてます。特にダイヤモンド表面のNVセンターは、センサー高感度化のために重要ですが、表面近傍の環境が悪くコヒーレンス時間が短いなどの問題があります。本研究では、表面物理を駆使して新しい角度からこれらの問題を解決し、また高品質表面NVセンターを使って新しい物理現象を探索します。

石塚 大晃

磁性体を用いた量子素子の電気的制御・測定の基礎学理

グラント番号:JPMJPR2452
研究者
石塚 大晃

東京科学大学
理学院
准教授

研究概要

量子デバイスへの応用を目指して、スキルミオンやソリトン、カイラル近藤系などの磁気状態の電気的測定および制御に関する研究を行います。磁性金属・半導体における磁気輸送現象と磁気ダイナミクスの研究を通して、既存技術と親和性の高い量子デバイスの動作原理を探求します。これらの研究の成果は、集積化や高温動作といった優位性をもつ量子デバイスの実現や、量子ビット素子を用いた物性研究につながることが期待されます。

井上 悠

トポロジカル量子評価基盤の構築

グラント番号:JPMJPR2453
研究者
井上 悠

産業技術総合研究所
電子光基礎技術研究部門
研究員

研究概要

物質中のトポロジカル量子状態を巧みに操ることで、量子誤り耐性に優れた情報処理の実現が期待できます。本研究では、トポロジカル絶縁体を用いた先端素子の作製と、マイクロ波分光やスイッチング現象を利用した時間分解測定技術を組み合わせることで、トポロジカル量子情報処理応用を見据えた素子評価基盤を構築します。

小布施 秀明

開放系トポロジカル相による普遍的量子状態制御

グラント番号:JPMJPR2454
研究者
小布施 秀明

北海道大学
大学院工学研究院
准教授

研究概要

対称性・トポロジカル相など特定の系に制限されず開放系へも適用可能な普遍的な量子状態制御手法の理論基盤を確立、概念の普及を目指します。具体的には、トポロジカル相の動的制御による量子状態輸送、空間ー時間反転対称性による開放量子系の状態制御、開放系ランダウ・ツェナー遷移、グローバー・アルゴリズムに基づく量子状態変換などの理論研究を行います。さらに実証実験可能な実験系を提案し、実験を理論面から支援します。

中田 芳史

量子制御で切り拓くランダム量子多体系の高度情報機能

グラント番号:JPMJPR2456
研究者
中田 芳史

京都大学
基礎物理学研究所
特定准教授

研究概要

近年、量子系におけるランダムなユニタリ時間発展を用いた量子情報処理が大きな注目を集めています。本研究では、ランダム相互作用を持つ量子多体系のハミルトニアン時間発展と量子制御を組み合わせることで、ランダム量子多体系における量子情報処理の可能性を探求します。特に、ランダム量子多体系の時間発展を活用した量子誤り訂正や閉じた量子系での局所熱平衡化などを協奏的に開拓することを目指します。

橋本 和樹

サブショットノイズ限界高感度赤外分光法の開発

グラント番号:JPMJPR2457
研究者
橋本 和樹

東京大学
大学院理学系研究科
助教

研究概要

本研究ではサブショットノイズ赤外分光法を開発します。本手法は赤外フォトサーマル効果で屈折率変調を受ける試料をスクイーズド光でプローブし、非線形干渉計測によりサブショットノイズ限界の振幅または位相感度で試料の赤外分光スペクトルを測定します。本手法を用いてテスト試料測定による原理検証実験を行い、ショットノイズ感度限界の従来法と比較して3dBの信号対雑音比向上を目指します。

橋本 顕一郎

カイラル超伝導体の検証と異常音響電気効果の開拓

グラント番号:JPMJPR2458
研究者
橋本 顕一郎

東京大学
大学院新領域創成科学研究科
准教授

研究概要

カイラル超伝導に電磁波や音波などの外場を与えると、超伝導ギャップの内側にカイラリティモードと呼ばれるボゾン励起が現れます。カイラリティモードは電磁波や音波と結合するため、これらの結合を観測することでカイラル超伝導を検証します。さらにゼロ磁場でのカイラリティモードと音響モードの結合(異常音響電気効果)を利用して、電磁波と音波の相互変換を実現し、カイラル超伝導体を用いた新たな情報伝達技術を実現します。

土師 慎祐

アルカリ土類原子中の核イオン量子制御の探索

グラント番号:JPMJPR2459
研究者
土師 慎祐

大阪大学
量子情報・量子生命研究センター
准教授

研究概要

本研究ではアルカリ土類原子に内在する核イオンの量子制御技術の開発に取り組みます。特に、中性原子のリドベルグ励起により隔離された核イオンの光学遷移を積極的に利用することで、イオントラップ中の単一イオンと中性原子の光学的結合と遠隔量子ゲート操作へと応用します。またそれにより、多機能・高品質なハイブリッド型複合量子デバイスの実現を目指します。

増田 英俊

キラリティー制御に基づく革新的情報デバイスの開拓

グラント番号:JPMJPR245A
研究者
増田 英俊

東北大学
金属材料研究所
助教

研究概要

磁気モーメントがらせんを描いて秩序化するらせん磁気構造では、電流と磁気秩序が複雑に絡み合うことで非自明な電流応答が発現します。本研究では、らせん磁気構造のキラリティー(らせんの右巻き・左巻き)を電気的に制御し、電流ースピン変換、非相反応答などの新現象・新機能を開拓します。これによりらせん磁性スピントロニクスという新しい分野を開拓し、キラリティー自由度の情報素子への展開を目指します。

松崎 雄一郎

クラウド量子デバイスを用いた多体量子もつれの評価とその応用

グラント番号:JPMJPR245B
研究者
松崎 雄一郎

中央大学
理工学部
准教授

研究概要

D-wave社およびQuEra社クラウドの実機を用いて多体の量子もつれ状態を生成して、その寿命を計測する。そして、古典計算機によるシミュレーションにより実験結果を再現して、多体の量子もつれ状態と環境との相互作用を理解する。その後、クラウドの実機を用いて、多体の量子もつれ状態を利用した新しい量子アルゴリズムの実証と、古典限界を超える量子センサの実証を行う。

森岡 直也

情報輸送に基づく発光中心ハイブリッド型量子システムの基盤構築

グラント番号:JPMJPR245C
研究者
森岡 直也

京都大学
化学研究所
准教授

研究概要

半導体中の発光中心は量子技術に有用な光・スピン特性を有します。それぞれの発光中心は異なる特性を持ち、複数種の発光中心をハイブリッドに用いることで、単独種では達成し得ない優れた量子情報システムを実現する可能性があります。本研究は複数の優れた発光中心を有する炭化ケイ素に着目し、発光中心スピンをハイブリッドに利用するためのスピン間の情報輸送の実現に向けてその基盤となる量子制御技術の構築を目指します。

山本 大輔

物質・情報・時空を統合する量子シミュレーション基盤の創出

グラント番号:JPMJPR245D
研究者
山本 大輔

日本大学
文理学部
准教授

研究概要

物質・情報・時空の協奏的な理解を目指し、物性理論、重力理論、およびそれらの統合領域における量子シミュレーション基盤を創出します。物質の卓上量子シミュレーション(人工量子物質)および時空の卓上量子シミュレーション(テーブルトップ宇宙)に関する具体的な計画研究を実施し、その実現のための量子シミュレータ制御プロトコルの確立や新しい量子情報量の検出・活用法の基礎理論構築を並行して行います。

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